
ここ最近、設立1〜2年で数億円もの資金調達に成功するベンチャー企業が多く見られるようになってきました。
以前のベンチャー企業あれば、設立間もない時期はデット(銀行からの借り入れ等)での調達が一般的でした。一方、変化の激しい昨今のIT/web業界では、エクイティによる調達、つまり積極的に投資家からの資本を受け入れることで急成長を目指す「スタートアップ」と呼ばれる企業が注目を集めています。
スタートアップが投資を受けるタイミングには、シードやシリーズAなど、その成長に応じた段階が存在します。今回は、起業したばかり、または会社設立前のシードと呼ばれるスタートアップに対して投資する、通称「シードアクセラレーター」を取り上げたいと思います。
シードアクセラレーターについては、DropboxやAirbnbを輩出した米シリコンバレーの「Y Combinator」が最も有名な存在ですが、国内でも彼らを倣ったインキュベーターがここ数年で幾つも誕生し、それぞれ特色のあるプログラムを提供しています。
目次
シードアクセラレータープログラムとは
概要
上述したシードアクセラレーターが運営する起業家養成プログラム。期間は1日から半年程度までと幅広く、内容はそれぞれのプログラムにより異なっています。
参加するメリット
シードアクセラレータープログラムに参加するメリットとしては、以下が挙げられます。
・出資を受けることができる
数百万円程度の小額出資を前提としたプログラムが多く存在します。
・起業に関するノウハウを学べる
複数のスタートアップ支援を経験したキャピタリストから、ビジネスモデルや事業運営に関するアドバイスを受けることができます。
・ネットワークが広がる
主催する企業やVCなどとの関係性が深まり、コネクションが生まれます。プログラムに参加する起業家同士のネットワークも構築することができます。
シードアクセラレータープログラムまとめ
Incubate Camp
インキュベイトファンド
■募集対象
「Incubate Camp 13th」
Pre時価総額1億円以上で資金調達を希望するスタートアップの代表権を持つ経営者
■プログラムの内容(特徴)
参加起業家によるピッチを行った後、ドラフトを行い参加起業家と投資家が1対1のペアを組み、事業モデルを共に考えることができます。事業モデルによる順位付けも行われるコンペ形式。
■支援内容
Incubate Campでのメンタリング・インキュベイトファンドやゲストVCからの出資
■過去の主な参加者
Open Network Lab Seed Accelerator Program
Open Network Lab
■募集対象
高い技術力や有望なビジネスプランを有する会社または未登記のチーム
■プログラムの内容(特徴)
「Data-Driven」「Lean UX」「Agile Development」「Business」の4分野から3ヶ月間の短期集中にて育成を行います。
■支援内容
資金調達や国内外のスペシャリストによるメンタリングの他にワーキングスペースの提供を使うこともできます。
■過去の主な参加者
起業チャレンジ インキュベーションプログラム
スカイライトコンサルティング
■募集対象
・社会的な課題に対し、ビジネスを用いて解決を図るアイデアを持ち、実現する意思があるチーム
・実現に向けて自分たちに何らかの課題があると感じており、その課題の解決を図る意思があるチーム
■プログラムの内容(特徴)
スカイライトのコンサルタントとのMTGや計4回の全体セッションを通じて事業内容を磨いていくことになります。最後にその内容に関するプレゼンがあります。
■支援内容
スカイライトコンサルティングのコンサルタントとのMTGなどで事業に対するアドバイスを受けることができます。
■過去の主な参加者
KDDI ∞ Labo
KDDI Open Innovation Fund
■募集対象
世の中に新しい価値を提供する革新的なサービスを持っている方
■プログラムの内容(特徴)
アサインされたメンターとともに3ヶ月間でのβ版リリースを目指していきます。完成したβ版はKDDI∞Labo Demodayで公表していきます。
■支援内容
サービスの開発支援やプロモーションの他にも経営サポートが行われます。
■過去の主な参加者
STARTUP SCHOOL
Skyland Ventures
■募集対象
シード・アーリーステージの起業家・起業予定者
■プログラムの内容(特徴)
登壇者による講演とスタートアップによるピッチ・それに対するメンタリングが行われます。
TOKYO STARTUP GATEWAY
東京都
■募集対象
15歳から39歳までの起業を目指すアイデア・プランをお持ちの個人
■プログラムの内容(特徴)
コンテスト部門はステージにより以下のように分かれています。
・ファーストステージ
Cross Over Dayなどを行なった後に提出する事業計画書により、セカンドステージ進出者30名の決定。
・セカンドステージ
メンタリングや実践的ビジネススクールを通し事業計画を作成。事業計画プレゼンテーション審査によりファイナルステージ進出者10名の決定。
・ファイナルステージ
ワークショプなどを行なった後、DemoDayを行い優勝などの発表
■支援内容
コンテスト部門のファイナリスト10名に対しては、3ヶ月間アクセレーションプログラムとしてベンチャーキャピタリストなどによるメンタリングが用意されています。
ドコモ・イノベーションビレッジ
NTTドコモ・ベンチャーズ
■募集対象
・10名以下の企業、今後起業を予定している個人
※応募する技術・ビジネスモデル・アイデアが、プログラムの終了までにβ版をリリースできるレベルのものである必要があります。
■プログラムの内容(特徴)
ビレッジ・ブートキャンプ、ビレッジ・プログラムという2段階により行われます。
ビレッジ・ブートキャンプを通して選ばれた参加者が、ビレッジ・プログラムへ進むことができます。ビレッジ・プログラム参加者は最後にDemo Dayで発表することになります。
■支援内容
専門家による開発面・経営面での定期的なメンタリングや資金提供を受けることができます。
■過去の主な参加者
BEENOS Investment Program
BEENOS株式会社
■プログラムの内容(特徴)
シード、アーリー、グロースの各ステージごとにそれぞれに適したプログラム内容が用意されています。
■支援内容
BEENOSが持っているノウハウやネットワークを活用することができます。
■過去の主な参加者
MOVIDA Seed Acceleration Program
MOVIDA JAPAN
■募集対象
創業まもないスタートアップや解決したい課題を持つ起業家
■プログラムの内容(特徴)
下記の支援を基にして行う、6ヶ月間のプログラムとなっています。
・最初の3ヶ月
アイディアに対し、顧客開拓やユーザーの反応から仮説検証を繰り返し、課題と解決手法を決定します。
・後半の3ヶ月
製品やビジネスの改善を日々繰り返し、事業を大きくしていくことを目指します。
■支援内容
メンタリング、ネットワーク、ワークショップ、シェアオフィスなどが提供されます。
■過去の主な参加者
最後に
昨今のスタートアップブームの背景には、こうしたシードアクセラレーターによる支援プログラムが大きく関係していることが伺えます。
ゼロからの起業は、分からないことばかり。そんな起業家と二人三脚で事業の成功を後押ししてくれる存在が、シードアクセラレーターと言えるでしょう。内容はもちろん、プログラム開催期間もそれぞれ異なりますので、最適なプログラムをぜひ見つけてください。
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