三井住友カード「コーポレートカードで経費不正利用と経理業務の改善を同時にかなえる」MF Expense expo 2019 イベントレポート vol.2

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2019年9月13日、『MF Expense expo 2019』が開催されました。
マネーフォワードが提供する経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」チームが主催するイベントで、前年に引き続き2回目となります。
今年のテーマは「Change Readiness 経理はニッポンの伸びしろだ」。経費精算や経理業務をテーマに、計13人の登壇者による9講演が行われ、最新のノウハウや事例、ツールが紹介されました。

vol.2でご紹介するのは、1967年に設立してから約半世紀、パイオニア精神を原動力に日本国内のクレジットカード業界を牽引してきた三井住友カード株式会社の講演。出張費や接待交際費、備品購入の支払いに利用できる法人向けのコーポレートカードのメリットについて語られました。

経費の不正防止と業務効率化を支援するソリューション

三井住友カードは、個人向けのクレジットカードのみならず、コーポレートカードの知名度も高く、数多くの経営者から支持を得ています。とはいえ、企業によっては現金主義が根強く、コーポレートカードの採用に難色を示すケースも少なくありません。しかし、仮払いや立て替え払いにも、不正のリスクがともないます。三井住友カードの法人ビジネス統括部部長を務める田中靖剛氏は、企業が抱える経費精算の課題について、次のように話します。

田中氏:「日本CFO協会の会員を対象に行った調査によると『不正が行われたことを見聞きした経験』の質問に対して、73%が『ある』と回答しました。不正のなかでも『経費精算のごまかし』が最も多く68%にのぼりました。この結果から、経費精算の不正は“一部の会社”の“特別な人”が起こす事態ではなく、極めて身近な問題であることが分かります」

不正のタイプは大きく2つに分かれると田中氏。1つは、悪意を持って不正を行うケース。もう1つは、会社の経費規定を理解していないがために、悪意なく間違って申請してしまうケースです。

田中氏:「出張旅費を例に挙げると、架空の出張などが悪質な不正に当たります。悪意のない無自覚な不正としては、社内の規定を越えたグレードの航空券、ホテルの利用などが考えられます」

悪意の有無に関わらず、不正を未然に防ぎたいのが企業の本音だと田中氏は考察します。では、コーポレートカードは不正の防止に対してどのような貢献ができるのでしょうか。それを説明する前提として、クレジットカードが日本でどのような印象を持たれているのかを理解するため、とあるアンケートが紹介されました。

田中氏:「内閣府が実施した『クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査』の個人向けアンケートでは『クレジットカードを積極的に利用したいと思うか』という質問に対して約58%が『そう思わない』と回答。『クレジットカードの紛失・盗難により、第三者に使用されるおそれがあるから』が理由の上位に挙げられました。その懸念の裏返しとも考えられますが『クレジットカードへの期待』として『不正使用に関する取締りの強化』が一番高いニーズでした」

個人がクレジットカードに抱く不正利用に対する不安感は、そのまま法人にも通じると田中氏は指摘します。

田中氏:「米国では法人の消費支出におけるコーポレートカードの決済比率が3.4%、かたや日本はわずか0.2%に留まっています。コーポレートカードの浸透を妨げるネックのひとつは、不正利用に対する懸念だと考えられます。その懸念を払拭できれば、コーポレートカードの普及は加速していくはずです」

こうした背景を受けて、三井住友カードは「コーポレートカードコントロール」というソリューションの提供を開始しました。

田中氏:「これまでのコーポレートカードは、付与上限額の範囲内であれば、手にした誰もが自由に利用できていました。そこで当社は、企業の管理者が従業員のコーポレートカード利用を自在に統制できる機能を開発しました。その機能を『コーポレートカードコントロール』と総称しています」

コーポレートカードコントロールの具体的な特長は、大きく3つ挙げられます。
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【ポイント1. 私費・不正利用の未然防止】
利用制御機能によって、管理者が利用可能な金額・利用先・日にちなどをカードごとに設定できる。もし設定に反した決済が実行された場合、管理者と利用した従業員の双方に即時アラートメールが発信される。また、利用を許可した日以外は、コーポレートカードを使えないように設定できるため、悪意ある不正利用を未然に防げる。

【ポイント2. リアルタイム管理が可能】
企業に提供されるコーポレートカード専用の管理画面から、カード保持者の利用内容や利用制限情報などを24時間リアルタイムで閲覧できる。通常、コーポレートカードの利用状況は、管理者宛に月一回発行される請求書の一覧を見て、はじめて把握することになる。そのため、不正利用があった際に発覚が遅れてしまう。その点、専用の管理画面では、従業員がカードを使った30秒後に利用明細が届くため、いち早く不正利用に対処できる。

【ポイント3.他社システムとの連携】
カード利用の制御によるガバナンス強化はもとより、マネーフォワード クラウド経費など他社の経費精算システムと連動できるところもメリット。経費利用の事前申請、承認、事後申請まで一気通貫したソリューションにより業務効率化の実現につながる。経費にまつわるすべてのワークフローのデジタルシフトを目指す企業のニーズに応えることができる。

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また、2020年からは、四半期や半期など期間を設定できるようにコーポレート利用日制御の機能を拡大させるとのこと。これにより、設定期間の予算超過をブロックできます。

コーポレートカードで経理の生産性向上を実現させる

後半のパートでは、マネーフォワード クラウド経費本部本部長の今井義人氏が登壇。コーポレートカードと経費精算システムを連携させるメリットについて、次のようにポイントを整理します。

今井:「経費精算は『いつ・どこで・何に・いくらの出費が発生したのか』が正確に分かるデータが不可欠です。その観点からすると、コーポレートカードの利用情報が経費精算システムに自動で取り込まれるため、データソースの正確性が担保されるだけではなく、入力間違いも防げます。かたや、レシートや領収書から手打ちでシステムに入力するとなると、データソースが不確かで手間もかかります。コーポレートカードでの決済は、トランザクションデータを残せるところにメリットがあるといえます」

経費精算にかかっていた人手を、生産的な業務に割く環境づくりが大切だと続ける今井氏。キャッシュレスの波は、個人からやがて法人にも波及していくと予想します。

今井:「経費精算は『個人が費用を支払う→申請を受けた会社が後から払う』もしくは『会社が事前に金銭を渡す→個人が費用を支払う』という流れから、個人と法人の中間に位置するような業務です。だからこそ小口現金管理や仮払いが主流だったわけですが、いずれも面倒で手間がかかるもの。さらには、トラブルや不正のリスクをはらんでいます。その点コーポレートカードは、現金のやりとりをなくせるだけでなく、明細の自動取り込みにより経費精算業務がスムーズになります」

まとめ

コーポレートカードの利便性は理解していても、導入に不安を感じている企業も少なくないかもしれません。しかし、不適切な経費利用を防止するコントロール機能やリアルタイム管理により、ガバナンス強化や経費精算プロセスのスリム化につながることが分かりました。また、キャッシュレスによって得られるデータと、経費精算システムの連動も画期的。日々の経理業務の効率化が図れることから、多忙を極める経理部門の負荷軽減の一助になることは間違いないようです。

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