経理の仕事は評価されにくい? 経理担当者のお悩み相談&交流会を実施

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会社の収支を管理する経理部門は、緻密かつ正確な仕事を求められるもの。とはいえ、売り上げをつくる営業メンバーはもとより、経営者が経理という仕事の意義をしっかり理解し、評価をしてくれているかというと疑問……そんなモヤモヤを抱えている経理担当者も多いかもしれません。

そこで今回、マネーフォワードの主催により、「フリーランスの経理」として活躍、多数の書籍も刊行している前田康二郎さんと、企業に所属している経理担当者の交流会を実施。仕事のお悩みアレコレや、経理という仕事に求められることなどについて語っていただきました。その一部をハイライトでお届けします。

経費精算システムを導入、その後の運用をスムーズにするためには?

今回の交流会には、WEBコンテンツ制作会社のA社、アフィリエイト事業を展開するB社、パーソナルトレーニング事業を手掛けるC社、3社の経理担当者が参加。経理の“あるあるな悩み”ということで盛り上がりをみせたのが、「現場の生産性アップのために経費精算システムを導入したけれど、社内での運用に手間がかかってしまう」というテーマについて。

「マネーフォワード クラウド経費を導入しているのですが、『精算時はどこに気をつけなきゃいけないのか、ポイントが分からない』と社員から質問を受けることが多いです。月次の処理で慌ただしいときは本当に大変です」という経理担当者のコメントに、他の参加者も共感の様子。

そのお悩みに対して、「社員教育は最初に時間をかけましょう」と前田さん。「テクニックとしておすすめしたいのは、新卒や中途入社の人たちが手続きをする際に、経費精算の操作方法を教育することです」とのこと。

「とりわけ新入社員は知識もゼロベースなので、最初に定型を教えるとあとが楽です。社内にそうした人が増えれば、これまでのやり方に慣れていた社員にも自然と浸透していきます。また、『何月何日に経費システムが全部切り替わります』と伝えて、一斉にルールを敷きなおすこともおすすめです。導入初期には、人事や総務などバックヤードのメンバーにも使い方を学んでもらい、問い合わせへの対応を協力してもらうのもありだと思います」(前田さん)

ちなみに、B社はマネーフォワード クラウド経費の導入に際して、社員向けにマニュアルをしっかり作り、問い合わせにはそのマニュアルのページ数を伝えているとのこと。しかし、問い合わせがなかなか減らず苦心しているそう。

「普段、経費精算のことを『立替経費精算』と呼んでいるからか、本来は経費項目を選んで申請をしてほしいところを、何でも『立替金』を選択する社員があとを絶たず、困ることがあります。経理の知識や、何のために経費精算をするか理解している社員は少ないため、そういった教育もしなければいけないのかなと、課題に感じています」(参加者)

その解決策の参考にと、同席していたマネーフォワードの担当者から次のような事例が共有されました。

「100名規模の日本法人にお勤めの経理の方の話ですが、手製のクイックマニュアルを作成されて、なおかつ複数ある拠点を2カ月間でまわり、9回説明会を開催されたそうです。また、メルマガを週2回、全社に配信して、徹底的に周知したとのこと。最初の2カ月間はいろいろな質問が来たそうですが、そこを乗り切ったら、ほとんど来なくなったそうです」

また、前田先生からは次のようなアドアイスも。

「ミニテストの導入もおすすめです。社員への周知はもとより、経理部に経理経験のない人を配属するケースも最近増えてきているので、システムの理解度を測るテストを作っておくのは何かと有効だと思います。たとえば、『部署の打ち上げでお茶代を立て替えた場合、何費になるでしょうか?』という、現場で起こりがちな事例を問題に出してみるといいかもしれません。経費精算にまつわる社員の理解度不足といっても、その原因は『システムが悪いのか』『自分たちの説明が悪いのか』『本人がきちんと聞いていないのか』、3パターンあります。経理担当者は、少なくとも社員が理解しやすいように説明できるコミュニケーションスキルを備えておく必要があると思います」(前田さん)

前田康二郎さん×経理担当者ワークショップ

誰かに見られていなくてもきちんと仕事をするのが経理

交流会の後半では、経理という仕事に対する評価について、話題が展開していきました。

「例えば“カリスマ美容師”や、“カリスマ営業マン”と呼ばれて注目される人がいます。バックオフィス部門でも、採用を担当する人事などはメディア露出が多い方や本を出される方もいますし、“キラキラ人事”などと評されることがありますが、経理においてはそのように評価や注目が集まることはめったにないんですよね」(前田さん)

マネーフォワード担当者も、もっと経理という仕事にスポットが当たれば、と日頃思っていると話します。

「実は経理担当の人たちは当たり前のようにすごい仕事をこなしていたりするにも関わらず、ですよね。有名なCFO(最高財務責任者)はいるけれど、経理として注目される人がいないのは少し疑問に思いますね」(マネーフォワード担当者)

「IFRS(国際会計基準)導入や新たな会計基準への準拠など、やるべきことはたくさんあるけれど、経理はそれをできて当たり前、となるので、そこを評価してもらうのは難しい。そういった業務をミスなく遂行できる人、という点を評価してもらえたら良いのですけどね(笑)」(参加者)

「経理の方は、仕事で目立ちたいとか、そういった欲が強い人は珍しいですよね。逆に言うと、誰も見ていなくてもきちんと仕事をする人たちなのかなと感じます。

また、経理の仕事にはテクニカルな知識や資格も大事ですが、何より求められるのは、“人格”ではないかと思います。うそをつかず信頼でき、会社のお金を正しく管理し守ってくれる人である必要がありますよね」(前田さん)

成果が見えにくい経理の仕事の成果をどう評価してもらうか

「管理部門の仕事は売り上げに直結するわけではないので、評価へつながりにくいと感じます。マネーフォワード クラウド経費の導入に際しては“いろいろなサービスを比較検討し、結果として年間500万円の経費を削減した”と伝えたものの、評価されませんでした。あとは何を頑張ったら認めてもらえるのかなと」(参加者)

そのモヤモヤに対して、フリーランスである前田さんも共感を示します。

「経理はベースの仕事が変わらないので、『去年よりも今年の仕訳はハイレベルだから給与をアップしてください』と言えないですよね。私もフリーになってから初めてその事実に気がついたんです。クオリティが変わっていくことで評価される職種ではないので、的確に評価してもらうのは難しいなと思います」(前田さん)

間違えないことが当たり前の経理の仕事とあって、何を評価対象にするか、目標設定の難しさがあると指摘。

「社長はよく目に見える結果を出してほしいと言いますが、管理部門に関しては目に見えて頻繁に変化するという性質の部門ではないので、どこの会社でも管理部門の目標設定には課題を抱えているのかもしれません。だから目に見える制度改革や、システムの導入など、日常の業務とは異なるプロジェクトは評価対象になりやすいのですが、その一方で日常業務は何も評価対象にならない、というのも違和感があります」(前田さん)

経理社員も一方的な受け身にならず、日常業務の中からも、工夫をして評価されるような目標を自分達で考えて会社に提示していくことが必要だ、そのポイントは「現場の計数感覚の育成」にある、と前田さん。

「社長は現場には興味があります。だから自分たち経理ではなく、現場の数字に関する課題を抽出し、改善の目標を立て、評価者にぶつけることも手だと思います。たとえば現場の計数的な申請ミスを10件から2件以内に減らす、など、数字で表記できる課題を見つけ、それを改善する目標を立てれば社長の希望する『見える化』にも適合しています。『経理はちゃんと決められたことをやってくれればそれでいいよ』という社長も多いです。でも、それで満足するのではなく、現場部門への計数感覚の育成や、経費の分析など付加価値的な経理の仕事が経営そのものにもプラスになることを提案してみると、評価も好転するかもしれません」(前田さん)

経費システムの導入により、経理の仕事が効率化されている実感はお持ちではあるものの、現場の担当者の悩みや不安は絶えないようでした。赤裸々なトークも交えながらではありましたが、終始アットホームな雰囲気のなか、活発な意見交換が実現した交流会となりました。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:末吉 陽子 (すえよし ようこ)

1985年生まれ。日本大学藝術学部卒業後、広告制作会社に就職。営業・制作ディレクターを経て、2012年にフリーランスの編集者・ライターとして独立。インタビューをメインにビジネスからカルチャーまで幅広いジャンルの媒体に寄稿している。



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