
確定申告期間が過ぎ、皆さま一息ついている頃かと思います。そして、今年の確定申告の反省から、「次こそは計画的に頑張ろう」などとやる気に満ちあふれている時期でもあるかと思います。
それは私のような税理士も同じです。税理士が反省している姿は信用にも関わるので、あまりお見せしてはいけない気もしますが、自戒も込めて今年の反省と改善点を書き連ねたいと思います。(執筆者:税理士 高橋創)
目次
改善点1:お客さんに今年も発注してくれるか聞くこと
SNSなどで他の税理士さんの動向を探ってみると、多くの先生が年末から1月にかけて「確定申告のお客さんに資料を送ってもらうよう依頼した」と投稿しています。普通に考えると早めの資料送付依頼は大事なことですし、それによって確定申告業務が円滑に進むのは間違いないのですが、私にはなかなかそれができません。
いや、むしろ早めの呼びかけができている先生に聞きたい。「去年まで依頼があったお客さんが、今年も自分のところに頼んでくれるとなぜ思えるのか?」と。
確定申告は年に一度のお仕事ですので、うちの事務所では「依頼があって初めてお仕事になる」という感覚です。ですからファーストアクションは必ずお客さんから。こちらは声をかけられるのをひたすら待っている状態です。
だって「ぼちぼち確定申告なので資料をください」と連絡して、「あ、今年は他の税理士さんにお願いしました」と言われようものならちょっとヘコむじゃないですか。税理士を始めてだいぶ経ちますが、そのあたりのメンタルは全然鍛えられていません。とはいえ、来年こそは頑張ってみたいので、誰か私に自信と強い心をください。
改善点2:期限ギリギリの滑り込みはアウトにすること
スタートが立ち遅れるのは性格上仕方ないとして、もう一つ、「どのタイミングまで仕事を受けるか」という問題もあります。お客さんは期限ギリギリに資料を提出しても我々税理士がどうにかすると思っているかもしれませんが、資料を受け取って即日完成・納品というわけにはいきません。
とはいえ「この日までに送ってくれなければやりませんよ!」と強く出られない気弱さと、無理をしてでも間に合わせてあげたいと思う優しさを兼ね備えた私は限界まで資料を待ってしまいます。
今年は3月14日にドサッと資料を送ってきたお客さんの申告書を、15日の夕方に仕上げたのが最終作業となりました。ちょうど「平均課税」という特例を使って数十万円税金を減らす申告でしたのでグランドフィナーレにはふさわしかったのですが、実際のところそういうドラマチックな展開はいりません。
次回は期限を区切ってあまりギリギリまでは待たないシステムにする方が良いのかもしれませんね。ここは本当に悩むところです。
改善点3:遊びとお酒はほどほどにすること
確定申告シーズン真っ只中の2月24日、大阪まで乃木坂46のライブを観に行きました。しかも事務所スタッフとともに。「繁忙期なのに」という背徳感が楽しみを増幅させはしましたが、戻った後の反省もまた大きいものでした。
所得税の申告期限が迫った3月11日にも「ちょっと打ち合わせ」と称してハロープロジェクトのコンサートのパブリックビューイングに行きました。とても良いコンサートでした。泣きました。しかしその深夜、別の意味でも泣きたくなりました。やはりそういったことは控えるべきなのかもしれません。
多少の気分転換は必要ではありますが、旅、深酒の2点は繁忙期には控えたいところです。
改善点4:常に刀を研いでおくこと
確定申告の最大の醍醐味は、普段は会うことのない色々な業種の方と出会えること。そこはもう単純に楽しいですね。好奇心を満たしつつ、皆さんのお役に立てるという感覚が。
しかし、そこを心底楽しむためには様々な仕事に関する予備知識を持っておくことと、必要なときにしっかり使えるだけの税法の知識を持っておくことの両方が必要になります。これはもう確定申告時期だけでなく年間通して頑張らないといけないですね。
有事に備えて常に刀を研いでおくような職人肌。なかなかかっこいいビジョンなので5年計画くらいでたどり着きたいものです。
改善点は「お客さんにお願いしたいこと」の裏返し
主だった改善目標はこんなところでしょうか。これは私が頑張らないといけないことであると同時に、お客さんにお願いしたいことの裏返しでもあります。
「早めに発注してね」とか「資料、あまりギリギリにならないようにね」とか「あんまり飲みに誘わないでね」とか……。なかなか一人では頑張れない性格でもありますので、そういったアシストを受けながら進化していきたいところです(他力本願)。
なにはともあれ次の確定申告もあっという間にやってきます。記憶が新しく、やる気のある今から準備が進められると良いですよね。お互い、頑張りましょう!
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