もうボランティアは終わり。サンタが本気で金稼ぎを始めたら…。

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クリスマスシーズンですね。クリスマスといえばサンタクロース。自腹でプレゼントを買って世界中の子供に配る。壮大なボランティアです。

しかし、善意だけではやっていけないこの世知辛いご時世。今後も安定的に子供に夢を与え続けるためには、サンタクロースもそろそろ収益化に舵を切っても良いのではないでしょうか。(執筆者:税理士 高橋創)

サンタなら広告収入で“億”を稼げる


収益化というとちょっといやらしいですが、サンタクロースの起源と言われる聖人ニコラオスさんは、実は商人の守護聖人でもあります。ならば商業主義に走ったとしても問題ないはず。

収益化にあたってまず必要なのは収入源の確保。とはいえ顧客である子供たちからお金を取るわけにはいきませんので、ここはやはり企業からの広告収入を確保することを考えたいところ。イメージは抜群に良いですからスポンサードしたい企業も多そうです。

まずはトナカイに引かせているソリに広告を入れましょう。F1カーみたいな感じで。あとは服や帽子にもいけますね。Jリーグの所属チームのユニフォームの胸に広告を出すのも数億円という話ですので、世界的な知名度のあるサンタクロースであればもっといけるはず。稼働期間が短いのはネックですが、それでも、まぁそこそこいけるでしょう。

他にもプレゼントへ折り込みチラシを入れてもいいですし、肖像権を主張してグッズ制作会社から使用料を徴収することも考えられます。企画によってはCMや映画への出演なども考えられることを思えば可能性はだいぶ広がりますね! まあそんな銭ゲバなサンタクロース、ちょっと嫌ですけど。
 

サンタはなにを経費計上できる?

さて、収益化に舵を切ったサンタクロースについて、税理士である私の一番の関心事はもちろん税金。「脱税していた!」などと報道されては大変ですし、かといってある程度の節税はしてあげたいところです。

広告収入なり肖像権の使用料はもちろん収入金額となり、これが課税のベースとされます。適正な計算のためにはまずここはごまかしちゃダメ。その上で節税を考えるのであれば、経費をもれなく計上するのが最善策です。ではサンタクロースの経費にはどんなものがあるのか。

プレゼントの購入代金は経費


まずはプレゼントの購入代金。これは商品仕入高として経費になります。これらの商品は長い距離をソリに積んで空を飛ぶという危ない運び方をしますので、ちゃんと保険もかけておきたいところ。

プレゼントの市場調査も経費


あとは「誰が何をほしがっている」というニーズの分析も独力では大変ですから、そういったデータを持っている方に情報提供してもらっても良さそうです。これももちろん経費です。

煙突を通るたびに汚れる衣装も経費


あとは衣装や身だしなみにかかるお金ですね。夢のある商売でなければなりませんから、このあたりも衣装代や美容代(?)として経費にして問題ないかと思います。煙突を通るたびにだいぶ汚れてしまいますから、特に衣装は相当量必要です。

ソリとトナカイは「減価償却資産」


世界を飛び回る仕事に欠かせないのが移動手段。ソリとトナカイですね。こちらはともに単価は30万円を超えるでしょうし、数年単位で使うもののはず。であれば税金の世界では「減価償却資産」となり、国が定めた期間で経費化することになります。

まずはソリ。こちらは国のルール上「運送事業用」の「非けん引車」に該当しますので、4年間で償却がされます。稼働は年に1度とはいえかなり過酷な仕事ですから、4年に1度くらい新調するというのはしっくりきますね。

問題はトナカイです。8頭の精鋭を税金の計算上どうやって取り扱うのかは非常に悩ましいところ。国がルールを定めている動物は「牛、馬、豚、綿羊、山羊」だけで、トナカイはいません。せめて鹿がいればいいんですけどね。フォルム似てるし。でもまあもし私が税理士として判断せねばいけない状況になったら、馬にならって8年で計算する気はします。

トナカイに関してはえさ代(もちろん経費)などもだいぶかかるのと思いますので、サンタクロースの懐を一番圧迫するのはトナカイなのかもしれませんね。人件費が最大の経費である税理士事務所経営者としては、なんだか親近感を感じます。

営利目的でないならNPO法人も良いかも


と、ここまではサンタクロースが個人事業の場合をイメージして書いてきましたが、サンタクロース事業(?)の場合、利益を出すことが目的なわけでもありませんのでNPO法人や公益法人として活動するのも良いかもしれません。そのあたりの方針は夏場あたりにゆっくり検討していただきたいものです。

さて、昨年のクリスマス、私はインフルエンザのため自宅に軟禁されておりました。今年もクリスマスを直前にして風邪を引いております。ケーキ。プレゼント。クリスマスツリー。私は今年もまた縁がなさそうですが、皆さまはぜひ楽しいクリスマスをお過ごしください!

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執筆:高橋 創(たかはし はじめ)

税理士/高橋創税理士事務所
1974生まれ。東京都立大学卒業後、学校法人大原学園の所得税法講師として5年間勤務。その後、会計事務所勤務を経て、高橋創税理士事務所を新宿二丁目に開設。新宿ゴールデン街の酒場「無銘喫茶」のオーナーでもある。



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