外回りや出張、会議、接待などで気付いたら会社の経費を立て替えた領収書が山のようになっていた、というビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。忙しいあまり、ついうっかり “領収書をもらい忘れた!”ということもあるかもしれません。ここでは、多忙なビジネスパーソンにこそ知ってほしい経費精算の基本と、領収書がない場合の対処法、経費精算の効率化について解説します。
目次
経費精算とは
経費精算とは、業務に必要な経費のうち社員が立て替え払いをした金銭について、企業が社員に支払うことをいいます。精算方法はまちまちですが、必要書類と領収書を提出した後に、現金や振込などの方法で経費精算を行うのが一般的です。出張などで多額の立て替え払いが発生するときは、あらかじめ経理担当者から「仮払金」として現金を預かり、領収書や使用用途などを記した書類とともに残額を返金する場合もあります。
まず押さえておくべきキホンは「領収書」
経費精算の基本は領収書が必要
経費精算をするときには、基本的に領収書の添付が必要となっています。レシートでもよいのか、領収書でなくてはならないのか迷うことがあるかもしれませんが、大切なことは経費を支出した証明書として使用できるかどうか、ということです。最近のレシートは日付、店舗の名称、購入した商品、金額など細かい情報が記載されており、これらの内容が書かれたものであれば、レシート、領収書のどちらでも問題なく経費精算ができます。
領収書がない場合の対処法
時には領収書を紛失してしまった!ということもあるかもしれません。領収書がない場合は経費精算できないのでしょうか。企業の経理規定によっては、領収書と引き換えでなければ精算できない、ということもあります。しかし、一般的には領収書がもらえないような経費の支出があった場合には、実際に支出した費用について以下の点を記載した書類を作成すれば、経費精算ができます。
<領収書がない場合に必要な記載項目>
- 支払の発生した年月日
- 支払い先の名称
- 支払いにかかった金額
- 購入した品物の名前
必要となる書類は企業ごとに異なりますが、一般的な書類としては「経費精算書」や「支払証明書」、「出金伝票」などがあります。領収書をもらいそびれた経費や領収書がでない経費は社内文書を使って、職場の管理者の承認を得た上で精算します。いずれの書類も、先にお伝えした「領収書がない場合に必要な記載項目」を漏れなく記入する形式になっています。
(「経費精算書」「支払証明書」「出金伝票」の使用方法についてはこちらもご参考ください。)
“面倒”な経費精算、楽にするヒントとは?
「電子帳簿保存法」対応で経費精算をスムーズに
経費精算に関わる人たちの時間を短縮し、労力を省く方法として注目されているのが、「電子帳簿化」です。電子帳簿化とは、見積書や請求書、領収書、帳簿など、これまで紙で保存していた国税関係帳簿書類について、電子化して保存*することです。
*領収書等をスマートフォンで撮影して電子保存し、証憑(しょうひょう)として認められるためには、領収書の受領後3日以内にタイムスタンプを付与する必要があります。
領収書の電子化で、社員が得られる二つのメリット
電子帳簿保存法への対応によって、社員が得られるメリットは主に二つあります。一つは立替精算した経費について、“領収書の紛失などによる、申請漏れ・ミスが減る”という点。これまで月末にたまった領収書をまとめて処理すると、領収書の紛失や、うっかり申請漏れがあった…ということも一度や二度あったのではないでしょうか?経費精算後すぐにウェブ上に領収書をアップロードすれば、そのようなミスが発生する可能性は大幅に減るでしょう。
もう一つのメリットは、これまでのように“領収書の原本を台紙に貼り付けて提出する手間が不要になった“という点です。領収書の原本は、クリップなどでひとまとめにしてそのままポンと提出するだけ。大量の領収書を提出していた人にとっては、かなり嬉しいポイントなのではないでしょうか。
なお、電子帳簿化を企業が導入するには一定の要件を満たす必要があるため、まずは会社の経理担当者へ相談・問い合わせてみるのが良いでしょう。
最近の経費精算システムでは、電子帳簿保存法にも対応したスムーズな経費精算が可能なものも多くあります。そのようなシステムを使うことで、経費精算を申請する社員、承認する管理者、実際に振り込みをする経理担当者、それぞれの負担を減らすことができます。
まとめ
経費精算を効率化する方法として注目されている「電子帳簿保存法」は、経理事務のIT化を推進する方法の一つとしても注目を集めています。どの企業でも、バックオフィス業務にかかる時間や労力はできるだけ効率化したいと考えているはず。現場にとっても経理部門にとってもメリットがある「電子帳簿保存法」、現場の社員からプッシュしてみてはいかがでしょうか?
業務フローを変更する際、現場社員からの声はそれらを実際に推進する経理部門にとってとても心強いものです。社員からのひと押しが、会社の生産性をアップさせる大きな推進力となるかもしれません。
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