電子帳簿保存法②~法律的経緯と背景~

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電子帳簿保存法」という言葉がバズワードのように言われていますが、実際には最近できた法律ではありません。では、なぜ今まで聞く機会が少なかったのでしょうか?
また、そもそもこの法律ができたきっかけは何なのでしょうか?
時系列で追って明らかにしてみます。

電子帳簿保存法のこれまでの経緯と背景

経緯

「電子帳簿保存法の成立」

実は「電子帳簿保存法」は15年以上前からあります。
この法律は1998年(平成10年度)税制改正の一環として創設されました。背景としては、
時代の流れにより、税務/会計処理の分野においてもIT技術活用の要望が各産業から寄せられていました。そこで、国税関係帳簿書類の保存という行為が申告納税制度の基礎をなすことに鑑み電磁的記録の保存が認められました。
すなわち、国税庁が納税者等の負担を軽減するためという背景があります。
ただし、「電子帳簿保存法」はあまり広く浸透しませんでした。

「e-文書法の成立」

電子帳簿保存法があまり広く普及しなかった理由としては、電子保存の対象が最初からコンピュータで作成した文書のみということが挙げられます。
つまり元が紙文書なら、引き続き保存する必要があったということです。
そこで、電子化文書(紙文書をイメージスキャナなどで電子化した文書)の保存を容認するため2005年4月1日「e-文書法」が施行されました。
ただ、間違いが起こりやすいのですが、この「電子帳簿保存法」と「e-文書法」は同じ法律ではありません。

「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の違い

電子帳簿保存法とe-文書法の違い
電子帳簿保存法」と「e-文書法」は対象としている文書の範囲が違います。
具体的に言うと「電子帳簿保存法」は国税関係書類(スキャナ保存)を対象としているのに対し
e-文書法」は法律で保存義務がある全ての書類が対象です。
また、「e-文書法」は基本的な要件が規定されていますが、法律ごとの具体的な要件までは規定されていません。

今までスキャナ保存が普及していない理由

2005年の「e-文書法」の影響を受け、「電子帳簿保存法」が改正され、スキャンによる電子保存が認められる運びとなりました。
しかし制度が変わってもスキャナ保存が広く普及したとは言いがたい状況です。
2014年時点のスキャナ保存承認件数は152件(平成27年11月国税庁公表)という低調な数字。
これには、このスキャナ保存が容認された後でもいくつか問題があったからです。主に平成27・28年改正前の問題点は三つあります。

一つ目は3万円という金額基準
二つ目は紙媒体の文書を読み取る装置の問題
三つ目はデータ改ざん防止に伴い電子署名が必要

金額基準とは

金額基準とはスキャナ保存できる対象が三万円未満のみであったということです。
例えば東京・大阪往復の旅費の領収書はスキャナ保存できるものの、
東京・福岡往復の旅費の領収書はスキャナ保存できないということが起こりえます。
それだと業務の流れがかえって複雑になるとの指摘がありました。

紙媒体の文書を読み取る装置の問題

二つ目の問題点としては、スキャナは原稿台と一体となったものに限ると定められていたことです。
したがって、デジタルカメラやハンドスキャナそしてスマホはその装置の対象とはなりませんでした。

電子署名が必要

スキャナ保存導入にあたってはスキャニング(読み取り)を行った人の電子署名とその時点でのタイムスタンプが必要となります。
電子署名は電子の印鑑に相当するものであり、電子証明書を使って、文書作成者の身元の証明と内容の正しさの両方を証明するものです。
この電子署名は信頼性が高い反面、導入コストがかかり手続きが面倒です。
そして、2005年の法改正時点ではほとんど普及していなかったためこのようなIT技術を保存要因に加えたことがスキャナ保存が進んでいない理由の一つです。

平成28年現在の法制度

ここまで読むと「電子帳簿保存法」に対応する必要のなさを感じるかもしれません。
しかし、これらはあくまで平成27年・28年改正前の問題点です。
今まで挙げてきた問題点はだいぶ要件が緩和されています
まず平成27年改正で3万円の金額基準は撤廃され、電子署名もタイムスタンプのみが必要とされ不要となりました。
また、平成28年改正で前の回で説明したようにスキャナの要件も緩和されました。
他に対応要件はいくつかありますが、結論として導入してもよい要件が整ってきたことは間違いないでしょう。

まとめ

電子帳簿保存法」は国税関係書類を対象としているのに対し
e-文書法」は法律で保存義務がある全ての書類が対象です。
今までスキャナ保存が進まなかった理由は

・三万円の金額基準
読み取る装置の問題
電子署名が必要

ただし平成27年/平成28年改正により上記の問題点は大方解消されました。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

Bizpedia編集部

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