- 作成日 : 2025年11月13日
Copilot for Microsoft 365を導入するには?料金やできること、セキュリティまで徹底解説
Copilot for Microsoft 365は、WordやExcel、Teamsといった日々の業務で使うアプリケーションと連携する、法人向けの有料AIアシスタントです。組織内のデータを安全に活用し、資料作成や情報整理にかかる時間を劇的に短縮することができます。
この記事では、「Copilot for Microsoft 365で何ができるのか」「導入に必要な料金や条件は?」「会社のデータをAIの学習に使われたりしない?」といった、導入を検討する上で気になる疑問に、2025年9月現在の最新情報をもとに分かりやすくお答えします。具体的な活用事例や、導入を判断する際のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもCopilot for Microsoft 365とは何か?
Copilot for Microsoft 365とは、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsといったMicrosoft 365の各アプリケーションに組み込まれ、ユーザーの作業を支援するAI機能です。「〇〇に関するプレゼン資料を作成して」「この会議の要点をまとめて」といった自然な言葉での指示(プロンプト)に基づき、組織内の情報を活用して成果物を作成します。
「Microsoft 365 Copilot」との名称の違いは?
基本的に同じものを指しています。 発表当初は「Microsoft 365 Copilot」という名称でしたが、後にMicrosoftのAIブランド「Copilot」の下に整理され、「Copilot for Microsoft 365」が正式な製品名となりました。情報収集の際に古い名称を見かけることがありますが、機能に違いはありません。
無料版のCopilot(旧Bing Chat)との違い
WindowsやWeb検索で使える無料版の「Copilot」と、有料の「Copilot for Microsoft 365」は全く別のサービスです。最大の違いは、組織内のデータにアクセスできるかどうか、という点です。
| 比較項目 | 無料版 Copilot | Copilot for Microsoft 365 |
|---|---|---|
| 情報源 | Web上の公開情報 | Web情報 + 組織内のデータ(メール、ファイル、チャット等) |
| 主な用途 | 一般的な情報検索、文章作成 | 業務に特化した資料作成、データ分析、会議の要約 |
| 料金 | 無料 | 有料(Microsoft 365ライセンスへのアドオン) |
| セキュリティ | 入力データが学習に使われる可能性あり | 組織のデータはモデルのトレーニングには使用されない |
無料版が「インターネットに詳しい外部のアシスタント」だとすれば、Copilot for Microsoft 365は「自社の状況をすべて理解している、信頼できる社内のアシスタント」といえます。
Copilot for Microsoft 365で何ができるか?
Copilot for Microsoft 365の真価は、日々の業務で使う各アプリケーションの能力をAIで拡張できる点にあります。
各アプリでの具体的な活用事例
- Teams:会議中にリアルタイムで議事録を作成し、終了後には決定事項や担当者(ToDo)リストを自動で要約します。聞き逃した内容を後から質問することもできます。
- Word:「〇〇の議事録を基に報告書の下書きを作成して」といった指示で、数ページの報告書を数分で作成します。文章の要約や校正も可能です。
- PowerPoint:Wordで作成した報告書を基に、「この内容でプレゼンテーションを10枚のスライドで作成して」と指示するだけで、適切な画像も含んだスライドが自動生成されます。
- Excel:売上データなどを示し、「地域別の売上推移をグラフ化して、傾向を分析して」と話しかけるだけで、データ分析や可視化が完了します。
- Outlook:長いメールのスレッドを要約して重要な点を把握したり、「〇〇さんへ、来週の会議日程を調整する丁寧なメールを作成して」といった指示で返信文を作成したりできます。
導入の料金と方法は?(スタートガイド)
Copilot for Microsoft 365は、法人向けの有料ライセンスであり、利用にはいくつかの前提条件があります。
ライセンス料金と前提条件
- 料金:1ユーザーあたり年額契約で月額30ドル(USドル/日本円では約4,500円)が目安です。
- 前提条件:
Copilotのライセンスを購入する前に、基盤となるMicrosoft 365の対象ライセンス(Microsoft 365 Business Basic/Business Standard/Business Premium、または Office 365 E3/E5 など)を契約している必要があります。なお、Business Basic+Copilotを組み合わせたパッケージでは月額36ドル、Business Standard+Copilot では 月額42.50ドル、Business Premium+Copilot では月額52ドル(いずれも年額契約・USドル)といったプランも公式に案内されています。 - 購入単位:
以前から「300ライセンス以上から」といった情報が流通していますが、公式サイトでは明確な最低購入数を提示されているわけではなく、現在は1ライセンスから購入可能であるという実績も複数伝えられています。中小企業でも導入しやすくなっていますが、念のため導入時には販売代理店に確認してみましょう。
導入までの基本的なステップ
- 前提ライセンスの確認:自社で契約しているMicrosoft 365プランが対象かを確認します。
- ライセンスの購入:Microsoft 365の管理センターまたは販売代理店を通じて、Copilot for Microsoft 365のライセンスを必要なユーザー数分購入します。
- ライセンスの割り当て:購入したライセンスを、管理センターから利用させたいユーザーに割り当てます。
- 利用開始:ライセンスを割り当てられたユーザーは、WordやExcelなどを起動するとCopilotの機能が利用できる状態になります。
会社のデータはAIの学習に使われる?
Copilot for Microsoft 365の導入を検討する上で、最も重要な懸念事項がセキュリティです。特に、自社の機密情報がAIの学習に使われてしまうのではないか、という点に関心が集まります。
組織のデータが外部の学習に使われることはあるか
結論として、基本的にその心配はありません。 Microsoftは、Copilot for Microsoft 365において、ユーザーが入力したプロンプトや、AIが参照した組織内のデータ(メール、ドキュメントなど)が、外部のAIモデルの学習(トレーニング)に使われることはないと公式に明言しています。
Microsoftが保証するセキュリティの仕組み
Copilot for Microsoft 365は、各企業のMicrosoft 365環境(テナント)内で閉じた形で動作します。AIが組織内のデータにアクセスする際は、SharePointなどのアクセス権設定がそのまま適用されるため、ユーザーが元々閲覧権限を持たないファイルの情報がAIによって漏洩することもありません。さらに、データはすべて暗号化され、企業のプライバシーポリシーとコンプライアンスに基づいて処理されます。
Copilot for Microsoft 365は本当に「いらない」のか?
高機能な一方で、コストがかかることから「本当に必要なのか?」という声も聞かれます。導入を判断する上でのポイントを整理します。
「いらない」と言われる理由
- コスト:1ユーザーあたり月額30ドルという価格は、決して安価ではありません。投資に見合う効果が得られるか、慎重な判断が必要です。
- 費用対効果の不明確さ:導入しても、従業員が使いこなせなければ費用対効果は見込めません。
- 情報管理への懸念:AIが参照するデータが整理されていないと、古い情報や誤った情報をもとに成果物が作られてしまう可能性があります。
導入を検討すべき企業の特徴
以下のような課題を抱えている企業では、Copilot for Microsoft 365が大きな効果を発揮する可能性があります。
- 資料作成に多くの時間を費やしている
- 会議の議事録作成や情報共有に手間がかかっている
- 大量のメール処理に追われている
- データはあるが、分析して活用できていない
まずは一部の部署でスモールスタートし、具体的な業務でどれだけの時間削減効果があるかを測定した上で、全社展開を検討するのが現実的なアプローチといえるでしょう。
Copilot for Microsoft 365で、業務の生産性を革新する
本記事では、Copilot for Microsoft 365について、その機能から料金、導入方法、そして重要なセキュリティまでを解説しました。
このツールは、単なるAIチャットではなく、日々の業務で使うアプリケーションの能力を底上げし、組織全体の生産性を革新する可能性を秘めた「仕事の副操縦士」です。もちろんコストはかかりますが、資料作成や情報整理といった定型業務にかかる時間を大幅に削減し、従業員がより創造的な仕事に集中できる環境を作るための戦略的投資と捉えることができます。
自社の課題と照らし合わせながら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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