複名手形

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複名手形とは、支払責任者(振出人・裏書人・引受人・保証人)が複数名の手形のことである。複名手形の支払は、支払責任者が1人の単名手形に比べて複数名の手形債務者の信用に依存するため信用度が高いと考えられている。為替手形形式の商業手形(振出人と引受人の両方が支払責任を負うもの)や、裏書譲渡された手形などがこれにあたる。通常の商取引に基づく商業手形のほとんどは複名手形に該当する。

手形の裏書について

複名手形の具体例として、裏書譲渡された手形について説明する。
手形の裏書は、実質的には手形債権の譲渡と同様の効果がある。具体的には、裏書きには次のような効力がある。
1、権利移転効力
裏書により、裏書人(手形に裏書を行い、手形を譲り渡す者)が有している当該手形の権利が被裏書人(裏書した手形を受け取る者)に移転する。
2、担保的効力
裏書人は、手形が不渡りになった場合、被裏書人に対して支払義務を負う。つまりこの場合、裏書が手形の決済に対する担保となる。
3、資格授与的効力
手形の所持人は、裏書が連続していることを証明できれば、適法に手形を所持しているとみなされる。

なお、手形は振出人→A→B→C・・・と、裏書譲渡によって所持者が転々とする場合がある。この際、最初の裏書から最終の所持者までが連続しておらず、被裏書人ではない者によって裏書が行われた場合「裏書きの不連続」となり手形の最終所持者は支払を受けられない可能性がある。

手形の引受について

為替手形は原則として複名手形になる。なぜなら、為替手形における支払人(金融機関など)は振出人から指名されただけでは支払義務を負わない。振出人の支払委託を受け、当該為替手形に引受署名をすることで支払義務が生じ、引受人となる。このため、複名手形でなければ手形そのものに有効性が生じない。

なお、約束手形における複名手形では振出人が手形の一次的支払義務者となるが、為替手形における振出人は、引受人が手形の支払を行わない場合に支払義務を負う。



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