業務を学ぶ

はじめての勤怠管理業務

経理のスケジュールを元に、経理業務について解説しています。

勤怠管理業務とは?

勤怠管理とは、会社で決めたルールに即して労働しているかを管理する一連の業務です。
具体的には、従業員が何日出社して、何時間くらい残業し、どのくらい休みを取っているかなどを把握し、会社で決めたルールを遵守しているかを管理します。
勤怠管理は、従業員の労働時間を適切に把握し、長時間労働を防止するために実施します。
また、残業時間や休日出勤などに応じて、毎月の給与額は変わってくるため、正しく勤怠管理を行い、正確に労働時間を把握することが重要です。

勤怠管理業務の流れ

1.従業員が日々勤怠入力を行う

正確な勤怠状況の把握のため、従業員に日々の勤怠入力を行ってもらいます。
入力する項目としては、出勤時刻、退勤時刻、休憩開始時刻、休憩終了時刻等があります。
勤怠入力は、出勤簿やタイムカード、Excelなどの表計算ソフトや勤怠管理ソフトなど様々な方法が存在します。

<勤怠管理で管理する項目>
・始業・終業時刻
・労働日数
・労働時間数
・休日労働時間数
・時間外労働時間数
・深夜労働時間数
・有給休暇日数・残日数

※休憩時間について
休憩時間に関する規定を定めた労働基準法第34条には「労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分」「8時間を超える場合においては少くとも1時間」の休憩時間を与えなければならないと定められています。

2.従業員が1か月分の勤怠情報を上長に提出する

従業員は、1か月の勤怠入力が完了したら、勤怠情報を上長に提出します。
上長は、各従業員の申告内容が正しいかのチェックや、各従業員の労働時間を把握するためにチェックを行います。

3.勤怠情報を勤怠管理担当者に提出する

上長によるチェックが完了した勤怠情報は、勤怠管理担当者に提出されます。
勤怠管理担当者は、例えば、有給休暇と申告があるが、有給休暇の申請がきていないなど、 提出内容に不備がないかを確認します。

4.担当者が勤怠情報を集計する

対象月の勤怠情報が確定したあとは、給与計算に必要な労働時間を項目別に集計します。
総労働時間のほか、手当がつく時間外労働、休日出勤、深夜労働の取り扱いは間違いのないよう慎重に行わなければなりません。
労働時間の集計を間違えると、給与計算が正しく行えません。 勤怠集計が完了したら、給与計算担当者に計算結果を引き渡します。

勤怠管理業務に関わる基礎知識

勤怠管理業務に携わるうえで知っておくとよい基礎知識をピックアップしました。

就業規則とは

就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関することや、職場内の規律などについて定めた職場における規則集です。
就業規則に必ず盛り込まなければならない”絶対的必要記載事項”は以下の通りです。
1)始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
2)賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
3)退職に関する事項

就業規則を作成!絶対的必要記載事項は?使える雛形・テンプレート

有給休暇とは

有給休暇とは、法律で定められた労働者の権利です。
従業員は賃金の支払いを受けられる休暇として、原則としていつでも自由に取得することができます。
有給休暇は、業種や業態、正社員やパートタイムなどの雇用形態に関わらず、「6カ月以上の継続勤務」「全労働日の8割以上の出勤」という要件を満たした従業員に対して与えられます。
有給休暇の適切な管理のためには、従業員ごとの付与日数をきちんと把握することが重要です。
有給休暇の繰り越し期限やタイミングの扱い、週20時間未満などの短い勤務時間で働くパートやアルバイトの有給休暇などに注意しましょう。

有給休暇の規定を解説!付与日数など

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、労働者が各日の労働時間や始業・終業時刻を自らの意思で決めることができる制度です。
一定期間(清算期間)における総労働時間をあらかじめ定めておき、労働者はその範囲内で各日の始業・終業の時刻を自らの意思で決めることができます。
フレックスタイム制においては、コアタイム・フレキシブルタイムの2つの時間帯を定めることができます。
(コアタイムは必ず設けなければならないものではありません。)

(1)フレキシブルタイム:労働者がその時間帯であればいつ出社、退社してもよい時間帯。
(2)コアタイム:対象労働者が必ず勤務していなければならない時間帯。

フレックスタイム制とは?メリット・デメリットと実務の注意点

裁量労働制とは

裁量労働制とは、特定の業務について、「実労働時間にかかわらず、一定時間労働したものとみなす」制度です。
裁量労働制の適用対象は専門業務型・企画業務型に限定され、対象労働者にも厳格な要件があります。それぞれの適用要件と対象とされる業務の種類は次のとおりです。

(1)専門業務型裁量労働制:19業務に限定されます。(以下、主だったものを記載。) 新商品・新技術の開発、人文科学・自然科学に関する研究業務、情報処理システムの分析・設計・企画、システムコンサルタント、新聞・出版・放送の取材・編集等、衣服・室内装飾・工業製品・広告等のデザイナー、インテリアコーディネーター、ゲームソフトの創作、金融商品の開発、大学の研究職、公認会計士、弁護士、建築士、不動産鑑定士、弁理士、税理士、中小企業診断士。

(2)企画業務型裁量労働制:本店本社他の中枢事業場において、事業運営の企画・立案・調査・分析を行う業務。かつ、業務の性質上、適切な運営のためには遂行方法を大幅に労働者に委ねる必要があるもの。

裁量労働制とは?限定される適用対象とは?




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