- 作成日 : 2025年9月22日
飲食店のX(Twitter)活用方法は?7つの成功事例と共に解説
飲食店の集客を考えるなら、X(旧Twitter)の活用でお店の魅力をより多くの人に届けられます。リアルタイム性の高さを活かせば、お店の「今」の情報を発信し、新しいお客様の来店やリピーターの育成につなげられます。しかし、他のSNSとどう違うのか、何を投稿すれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、Xの具体的な活用アイデアから、参考にしたい成功事例、さらには失敗しないための注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
飲食店がX(Twitter)活用で集客を成功させるべき理由
飲食店にとってX(Twitter)は、低コストで始められる強力な集客ツールです。情報の拡散力と即時性が高く、お店の「今」を伝えることで、顧客の来店動機を直接的に作り出せる点が他のSNSにはない大きな魅力でしょう。
圧倒的な拡散力とリアルタイム性
X(Twitter)の代表的な特徴は、「リポスト(リツイート)」機能による情報の拡散力です。面白い、あるいは有益だと感じた投稿は、ユーザーの手によって瞬く間に広がる可能性があります。たとえば、「本日限定のメニュー」や「雨の日割引」、「ただ今お席が空きました」といった情報は、リアルタイムで発信することで、その日の集客に直接的な効果が期待できるでしょう。
新規顧客とリピーターの両方に届く
X(Twitter)は、不特定多数のユーザーに情報が届く可能性があるため、まだお店を知らない新規顧客へのアプローチに適しています。同時に、アカウントをフォローしてくれている既存顧客やファンに対して、継続的に情報を届けることで再来店を促し、お店との関係性を深めるリピーター育成にもつながります。
他のSNSとの違いと使い分け
InstagramやLINE、FacebookなどSNSの種類によって、それぞれ得意なことと不得意なことがあります。X(Twitter)の特性を理解し、他のSNSと使い分けることで、マーケティング効果を高められます。
SNSの種類 | 特徴 | 飲食店での活用例 |
---|---|---|
X (Twitter) | リアルタイム性、拡散力が高い。短いテキストでの気軽なコミュニケーション向き。 | 限定メニューの即時告知、お客様との交流、お店の日常や人柄の発信。 |
写真や動画がメイン。ビジュアルで魅力を伝えるのに長けている。 | 美しい料理の写真(シズル感)、おしゃれな内装、お店の世界観を発信。 | |
実名登録が基本で信頼性が高い。イベント告知機能などが充実。 | ターゲット層に合わせた広告配信、地域コミュニティとの連携、イベントページの作成。 | |
LINE公式アカウント | 登録者へ直接メッセージが届く。クローズドなコミュニケーション向き。 | リピーター向けクーポン配布、予約受付、ショップカード機能の活用。 |
これらのツールを組み合わせ、たとえばInstagramで美しい料理の写真を投稿し、「詳しいメニューや本日のおすすめはX(Twitter)で!」と誘導するなど、各SNS間でユーザーを行き来させる仕組みを作ると効果的です。
飲食店のX(Twitter)活用アイデア
飲食店にとってX(Twitter)で何を投稿すれば良いでしょうか。ここでは具体的なアイデアをいくつか紹介します。自店ならではの情報を発信することで、ユーザーの関心を惹きつけ、来店につなげましょう。
「今行きたい」を作るリアルタイム投稿
X(Twitter)の最も得意とするところは、即時性のある情報発信です。ユーザーの「今、お店に行きたい」という気持ちを刺激するような投稿を心がけましょう。
- 限定メニューや日替わりランチの告知: 「本日限定10食」「本日の気まぐれパスタ」など、その日、その時しか味わえないメニューの情報を写真付きで投稿します。
- 空席情報の発信: 「ただ今、お席に余裕があります!」「雨ですが元気に営業中、すぐにご案内できます」といった投稿は、お店を探している人にとって有益な情報になります。
- 食材の入荷情報: 「本日、〇〇港から新鮮な魚が入りました!」「珍しい野菜を仕入れました」など、食材の新鮮さやこだわりをアピールします。
お店の裏側を見せて親近感を高める投稿
お客様が普段見ることのできないお店の裏側を見せることで、お店やスタッフへの親近感が湧き、ファンになってもらいやすくなります。
- 仕込みや調理風景: 新メニューの開発風景や、丁寧な仕込みの様子を写真や短い動画で見せることで、料理への期待感を高めます。
- スタッフの紹介: 「今日のまかない担当は〇〇さんです!」といった形で、スタッフの人柄が伝わる投稿をすると、お店に温かみが生まれます。
- お店のこだわり: なぜこの食材を使っているのか、内装のこの部分にはどんな想いが込められているのか、といったストーリーを発信すると、お店の価値がより深く伝わるでしょう。
フォロワー限定の特別感を出すキャンペーン
フォロワーにとってメリットのあるキャンペーンを実施することで、フォローを促し、来店にもつなげられます。
- フォロワー限定クーポンの配布: 「この画面を見せれば1ドリンクサービス」といった、フォロワーだけが受けられる特典を用意します。
- プレゼントキャンペーン: アカウントのフォローと特定の投稿のリポストを条件に、お食事券などが当たるキャンペーンを実施します。お店の認知度向上に効果的です。
お客様を巻き込むコミュニケーション投稿
一方的な発信だけでなく、お客様を巻き込むような投稿は、エンゲージメント(反応)を高め、アカウントを活性化させます。
- 質問を投げかける: 「次の限定メニュー、AとBどっちがいいですか?」とアンケート機能を使って問いかけたり、「皆さんのおすすめの食べ方を教えてください!」とコメントを募集したりします。
- UGC(お客様の投稿)の紹介: お客様がお店について投稿してくれた内容を、感謝の言葉とともにリポストや引用リポストで紹介します。これはお客様にとって嬉しいだけでなく、共感を呼びやすい情報として活用できます。
飲食店のX(Twitter)活用による成功事例
実際にX(Twitter)をうまく活用して、集客やファン獲得に成功している飲食店の事例を見ていきましょう。さまざまな業態の事例から、自店で応用できる多くのヒントが見つかるはずです。
最新情報を届けるニュースメディア型「モスバーガー」
ハンバーガーチェーンの「モスバーガー」は、新商品の情報をいち早く、そして魅力的に伝えることを得意としています。食欲をそそる写真や動画に加え、開発のこだわりを伝えることで、商品の価値を高めています。また、季節ごとのキャンペーンや異業種とのコラボレーション企画も積極的に告知。X(Twitter)を、単なる宣伝ツールではなく、ブランドの最新情報を届けるニュースメディアとして活用している好例です。
シェフの人柄でファンを作る「中国菜エスサワダ」
高級中華料理店「中国菜エスサワダ」の澤田シェフは、お店の公式情報だけでなく、料理への想いや哲学、プライベートな一面も積極的に発信しています。ユーザーからの質問にも丁寧に答えるなど、誠実なコミュニケーションを通じて、シェフ自身の人柄のファンを増やしています。
お店への憧れや親近感を抱いたファンが、記念日などの特別な機会に訪れるといった好循環を生み出しており、顧客との長期的な関係構築に成功している例といえるでしょう。
多彩なブランド力と企画力で魅せる「俺のシリーズ」
「俺のイタリアン」や「俺のフレンチ」をはじめとし、イタリアン、フレンチ、焼肉、Bakeryなど、多岐にわたるブランドの新メニューや季節限定の情報、お得なキャンペーンなどを一括で発信しています。
クオリティの高い写真や動画で各店の魅力を伝えつつ、フォロー&リポストキャンペーンなどを定期的に開催し、幅広い層のファン獲得と来店促進につなげています。複数の業態を持つ企業が、どのようにアカウントを統一してブランド全体の価値を高めているか、そのお手本となる事例です。
出典:俺の株式会社 公式アカウント @ore_no_series|X
お得な企画とスピード感で来店を促す「焼肉ライク」
「焼肉のファストフード」をコンセプトに、1人焼肉のスタイルを提案する焼肉ライクの公式アカウントです。新商品の告知はもちろん、「ごはん・キムチ・スープおかわり無限」といった、お得で分かりやすいキャンペーン情報をスピーディーに発信しています。
フォロー&リポストで食事券が当たる企画なども頻繁に実施し、ユーザーの来店意欲を直接的に刺激します。シンプルで参加しやすい企画を次々と打ち出すことで、話題性を維持し、集客につなげる手法は大変参考になるでしょう。
生産者の想いを伝えブランド価値を高める「塚田農場」
塚田農場は、自社の養鶏場で育てた地鶏など、産地直送の食材が自慢の居酒屋で、X(Twitter)ではその強みを活かし、生産者のこだわりや想いを伝えるストーリーテリングを軸に情報発信を行っています。生産者の顔が見える投稿や、食材が育つ環境を丁寧に紹介することで、単なるメニュー紹介にとどまらないブランドの価値を訴求。
こうした発信は、お客様に食への安心感と共感を与え、お店への信頼を深めることにつながっています。
キャラクターとファン活動で築くコミュニティ「鳥貴族」
焼鳥チェーン「鳥貴族」の公式アカウントは、「トリッキー」という公式キャラクターが運営する、親しみやすいスタイルが特徴です。特に「#鳥貴族写真部」というハッシュタグを設けてお客様による写真投稿を促し、毎月優秀賞を発表するなど、ファンを巻き込んだ活動を積極的に展開。
また、人気アーティストとのコラボレーション企画や、会長の誕生日を祝う投稿など、イベント性のある発信でファンとの一体感を醸成しています。キャラクターの活用と、ファンが参加したくなる企画を両立させることで、活気あるコミュニティを作り出しています。
季節感とライブ感で「食べたい」を刺激する「丸亀製麺」
店内製麺による”できたて”のおいしさを提供する「丸亀製麺」は、お客様に「行く理由」を常に提供し続けています。毎月1日を「釜揚げうどんの日」として定着させ、お得な企画を継続的に実施。その一方で、話題性のある季節限定メニューを次々と投入し、お客様を飽きさせません。
打ち立ての麺や揚げたての天ぷらなど、シズル感あふれる発信で、お店の最大の強みである”ライブ感”を巧みに伝えています。
飲食店がTwitter活用を始めるための基本ステップ
X(Twitter)をこれから始める、あるいは始めたばかりという方は、まず基本的な設定と運用のポイントをおさえましょう。土台をしっかり作ることで、その後の活用がスムーズになります。
プロフィール設定でお店の顔を作る
プロフィールは、ユーザーがあなたのアカウントを見て、フォローするかどうかを決める重要な部分です。お店の魅力が一目でわかるように設定しましょう。
- アカウント名: お店の名前と地域(例:〇〇食堂@渋谷)を入れると、検索されやすくなります。
- プロフィール文: どんなお店か、営業時間、定休日、看板メニュー、お店のこだわりなどを160文字以内で簡潔に記載します。公式ウェブサイトや予約ページのURLも忘れずに入れましょう。
- アイコン・ヘッダー画像: アイコンにはロゴや看板メニュー、ヘッダーにはお店の内装や外観、スタッフの集合写真など、お店を象徴する写真を使うと認知されやすくなります。
見つけてもらうためのハッシュタグ活用
ハッシュタグ(#)は、あなたのお店の投稿に興味を持つ可能性が高いユーザーへ届けるための重要な機能です。
- 定番ハッシュタグを入れる: 「#店名」「#地名(例:#渋谷グルメ)」「#業態(例:#居酒屋)」は必ず入れましょう。
- メニュー名を入れる: 「#オムライス」「#唐揚げ」など、具体的なメニュー名を入れると、食べたいものを探しているユーザーに見つけてもらいやすくなります。
- ハッシュタグは3つ程度に: たくさん付けすぎると宣伝色が強くなるため、投稿内容に合ったものを厳選して3つ程度に絞るのがおすすめです。
無理なく続けるための最適な更新頻度
更新頻度に決まりはありませんが、アカウントをアクティブに保つためには、1日に1〜3回程度の投稿が目安です。ただし、最も重要なのは「継続すること」です。毎日投稿することが負担になる場合は、2〜3日に1回でも問題ありません。お店の状況に合わせて無理のないペースを見つけることが、長期的な運用成功の秘訣です。
飲食店のX(Twitter)活用で効果を測定・分析する方法
X(Twitter)の運用を始めたら、定期的にその効果を測定し、改善につなげることが大切です。感覚的に運用するのではなく、データをふまえて次の一手を考えることで、より効率的に集客効果を高めていくことができます。
無料で使える「Xアナリティクス」の活用
Xには、公式の無料分析ツール「Xアナリティクス(旧Twitterアナリティクス)」が用意されています。これを使えば、自分のアカウントに関するさまざまなデータを確認できます。
- インプレッション: 投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数
- エンゲージメント数: 投稿に対する「いいね」、返信、リポストなどの反応の合計数
- エンゲージメント率: インプレッション数に対するエンゲージメント数の割合
- プロフィールへのアクセス数: 投稿をきっかけにプロフィールを見てくれた人の数
これらの指標を見ることで、どのような投稿がユーザーの関心を引いているのかがわかります。定期的に数値を確認し、反応の良い投稿の傾向を分析して、次の投稿内容に活かしていくことが改善への近道です。
忘れてはならない炎上リスクと対策
X(Twitter)は強力なツールである一方、使い方を誤るとお店の評判を損なう「炎上」のリスクもあります。事前に注意点を理解し、万が一の際の対応方法を決めておくことが、安心して運用を続けるために不可欠です。不適切な投稿(誹謗中傷、差別的な発言、不確かな情報など)は絶対に避けましょう。もし意図せず投稿が批判を浴びてしまった場合は、状況を正確に把握し、誠意をもって迅速に対応することが求められます。
X(Twitter)活用は飲食店がお客様とつながる成功の一手となる
X(Twitter)は情報発信の機能に加え、お店の個性や想いを伝え、お客様と直接コミュニケーションをとることで、良好な関係を築くためのプラットフォームです。成功事例で見たように、リアルタイム性や拡散力といった特性を理解し、自店の魅力と掛け合わせて発信を続けることで、集客に役立つツールともなりえます。
この記事で紹介した活用アイデアを参考に、まずは自店のペースで情報発信を始めてみてはいかがでしょうか。継続的な運用と改善を通じて、X(Twitter)が、お店にとって地域で選ばれるきっかけの一つになることも期待できるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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