システムの切り替えタイミングの見極め方とは?
インストール型給与システム篇

更新日:2024年2月13日

インストール型給与計算システムを使っていると出てくるお悩み

法改正のたびにシステムをアップデートする必要がある

インストール型給与計算システムは、インターネットに接続しない環境でも利用でき、セキュリティ面でも安心といったメリットがあります。ランニングコストが発生しない点も魅力です。
しかし、インストール型には課題が少なくありません。法改正のたびにアップデートしなければならず、手間がかかる点はその1つです。
給与計算は労働基準法など各種法律が関わり、健康保険料などの社会保険料や労働保険料の料率も頻繁に変わります。所得税の税率はこれまで何回も改正されており、今後も改正があると予想されます。人事労務に関わる法律の改正は頻繁に行われており、そのたびにアップデートするのは大変です。情報を追っていても忙しいなかで見落とす可能性があり、間違った計算をしてしまうというリスクもあります。

社内規定に合わせた設定の変更に時間がかかる

インストール型給与計算システムは、既存の社内規定を反映した給与計算ができる点はメリットです。給与計算の際に必要な項目を給与計算システムに設定することで、自動的に反映可能です。
しかし、規定を変更する際にシステムの設定変更を行わなければならず、手間と時間がかかるという課題があります。

社員数が増えて労務担当者を増員したが同時に業務を進められない

インストール型給与計算システムは、インストールした端末でしか使用できません。1つのアカウントにログインして複数人で利用できるクラウド型に対し、インストール型は端末ごとにインストールが必要です。
そのため、社員数が増えて労務担当者を増員した場合、同時に業務を進められないという課題があります。各端末にインストールする必要があるため、その分もメンテナンスやアップデートに手間がかかります。各端末のソフトのバージョンが異なると給与計算結果などが変わる可能性もあり、バージョン情報の管理も必要です。
利用人数が増えて導入する端末が増えれば、その分コストが高くなる点も課題といえるでしょう。

抱えているリスク…

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もしも災害が起こったら?

インストール型給与計算システムは、災害に弱いというデメリットがあります。万が一会社が災害に見舞われた場合、クラウド型であればパソコンが被害に遭っても、データは失われません。他のパソコンでインターネットに接続できる環境さえあれば作業を継続できます。しかし、インストール型の場合、インストールした端末を失えば、システムやデータも消滅します。
その災害が給与計算の繁忙期に起きれば、さらにリスクが高まるでしょう
システムをインストールしているパソコンが使えない事態になった場合、業務ができないことにもなりかねません。社員への給与支給が遅れるなどの支障が出るでしょう。

インストール型給与計算システムから変更するタイミングとは?

インストール型給与計算システムを長く使用していると、さまざまな課題が出てきます。しかし、そうはいっても「システム変更のタイミング」を見極めるのは難しいものではないでしょうか。
社会保険労務士法人HR.A 代表社員 川田茉依氏によると、次のような状況になってきたときは、他のシステムへの変更を考えるタイミングといえるようです。このような状況で給与計算が複雑になると、インストール型では対応が困難に。クラウド型のシステムであれば、勤怠管理システムなどと連携して業務を自動化でき、複雑化した給与計算の効率化が可能です。また、他の社員や税理士との情報共有を迅速に行いたい場合にも変更のタイミングといえるでしょう。

  • 従業員の雇用形態が多様化してきた

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    入退社が増え給与計算が煩雑になってきた

  • 不規則な手当や控除が増えてきた

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インストール型給与計算システムが向いているのは?

インストール型給与計算システムが向いているのは?

「従業員数100名」が判断のひとつに

インストール型給与計算システムが向いているのは、従業員と顔を合わせ、状況を身近で把握できる距離感のある企業です。
100名ほどであればインストール型でも対応可能ですが、それを超える場合は給与計算が複雑になり、社員の負担が増えるでしょう。100名以上の社員数であれば、リスク回避のためにもクラウド型システムへの切り替えを検討することをおすすめします。