出版業界の経費精算システムの選び方・比較すべき項目
更新日:2024年2月13日
出版業界における経費精算業務のよくある課題
①Excelに入力→紙へ印刷→提出のフローに手間と時間がかかる

出版業界では、ライターとの打ち合わせやマーケティング活動、印刷費用など、事業活動に関連してさまざまな経費が発生します。これらの経費について精算手続きを行う場合、Excelに入力し、紙に印刷したうえで領収書を添付して提出するよう、社内でルール化している企業も多いです。
このようなアナログな経費精算業務により、一連の業務フローに手間と時間がかかり、労働効率の低下を招く場合も少なくありません。
②出張が多く経費精算の締切りに間に合わないことも

出版業界では、ライターや編集チームなどとの打ち合わせやイベント開催など、外出や出張の機会が増える傾向にあります。担当者が複数の案件を抱えるケースも多く、出張などのスケジュールが立て込むことで、経費精算手続きの時間が確保できず、未精算の領収書を溜め込んでしまう場合も多々あります。
なかには社内での経費精算の期限に間に合わないケースもあり、経理業務の遅延や残業時間増加の原因にもなるでしょう。
③税制改正に合わせてシステムやプロセス変更が必要になることも

出版業界に限らず、近年ではインボイス制度や電子帳簿保存法などの大規模な改正が相次ぎ、国内の事業者は対応に追われています。経費精算業務に関しても、既存のシステムでは対応が不十分なケースや、社内での業務プロセスについて見直しが必要な事例も多いです。
最新の法令に則った運用を行わなかった場合には、税額計算の誤りや罰則規定が適用されるリスクもあるため、慎重かつ丁寧な対応が求められます。
出版業界の企業様が経費精算システムを比較する際のポイント
①伝票の電子化、自動データ化によって入力の手間を削減できるか
経費精算システムを選ぶ際には、伝票の電子化や自動データ入力などの機能があるかどうかを確認することが重要です。電子マネーやクレジットカード、ICカードとの連携が可能なシステムを活用することで、入力作業の工数やミスの発生リスクを軽減でき、申請手続きや承認作業を効率化できます。また一連の業務をオンラインで完結できれば、紙ベースによる手間やコストの削減にも役立つでしょう。
②出張先からスマホを利用した経費精算のWeb申請や承認が可能か
出張の多い出版業界においては、マルチデバイス対応の経費精算システムを導入することをおすすめします。スマートフォンやタブレット端末などから利用できるシステムを導入することで、出張先でもスキマ時間を活用して経費申請や承認手続きが可能となり、経費精算業務の効率化を実現できます。また手軽に利用可能なシステムの活用により、経費精算業務の遅延を解消でき、リアルタイムでの利益状況も把握しやすくなるでしょう。
③法令改正や税制改正に準じた機能のアップデートが可能か
インボイス制度や電子帳簿保存法など、毎年行われる税制改正や制度の見直しによって、社内システムや業務フローの変更を求められる場面もあります。システムを導入した場合でも、今後税制改正などが行われた際には、改正内容に準拠するためにその都度アップデートが必要となる可能性が高いです。したがって経費精算システムを導入する場合には、導入後の機能アップデートの可否についてもあらかじめ確認しましょう。
出版業界の企業様に参考となる経費精算業務の改善事例
株式会社文響社様の事例
以前は経費精算に、外部のシステムではなく自社でGoogle Appsを使って申請を行う方法をとっていました。紙の領収証を添付して申請をする必要があり、紙は紛失しやすいというデメリットがありますから、現場からは管理が面倒という声が上がっていました。経理側としても、提出された紙の領収証を会社で1件ずつチェックする必要がありました。
株式会社Amazia様の事例
弊社では経費精算を紙ベースで行っていました。入力の工数以外にも課題があり(人的ミス・承認プロセス・二重入力)、1.5人日がかりでようやく締め作業が完了するという現状でした。これをなんとかしたいと解決策を探していたところ、マネーフォワード クラウド経費に出会いました。
出版業界の企業様に役立つ経費精算業務の効率化に関する参考資料
出版業界がバックオフィス業務のDXを進めるべき理由
日本の出版業界は、デジタルメディアの台頭と消費者ニーズの変化により、大きな転換期を迎えています。特に近年における電子書籍の普及により、紙媒体主体のビジネスモデルに関しては見直しの必要性が高まっており、出版社はデジタルコンテンツへの移行や、新しい流通チャネルの開発など、市場環境の変化への適応が欠かせません。
公益社団法人全国出版協会の出版科学研究所によると、出版物の推定販売金額はピークであった1996年の約2兆6,564億円に対し、2022年では1兆6,305億円まで減少しています。
参考:日本の出版販売額 | 公益財団法人全国出版協会 出版科学研究所
雑誌市場は約3分の1以下に減少する一方で、電子出版は右肩上がりに増加しており、消費者ニーズの変化が顕著に表れているといえるでしょう。
このような市場環境の変化が大きい出版業界では、魅力的なコンテンツの作成やニーズを踏まえた社内リソースの的確な配分など、柔軟かつスピーディーな経営判断が欠かせません。そのような状況において、経理業務を含むバックオフィス業務の効率化に取り組むことで、組織としての労働生産性を向上させるだけでなく、自社の利益状況をリアルタイムで把握でき、迅速な意思決定に役立てることも可能です。