通勤手当申請書とは

労働者の通勤に要する実費、あるいは通勤距離に応じて支給される手当です。必ずしも支給をしなければいけないという法律はないので、企業によって通勤に必要な費用の一部、あるいは全額を負担する場合には入社時や住所が変更になった時点で通勤手当申請書を提出しなければいけません。支給方法は通勤定期券の購入という現物支給という形もあれば、現金で給与の一部として支払われる形があります。

通常、自宅から就業する企業までの距離と時間が合理的な経路及び方法で申請する必要があります。電車(新幹線)、バス、を利用する場合は自宅最寄りから企業最寄りまでの経路となります。自家用車の場合は単純に、自宅から企業までの距離に応じて限度額が国税庁より定められています。これには、通勤手当は非課税であるということで限度額が設けられているのです。10万円以内であれば給与の一部として支給された場合、会計項目が違うので通勤手当は非課税とされます。10万円以上の通勤費用となると新幹線などの交通手段になります。もちろん新幹線も手当に含まれますが、グリーン車両費用は非課税対象外となりますので10万円以内だとしても定期券コピーを合わせて提出するので、不正がないよう注意しなければいけません。

話として良く挙がる例として、申請には公共の交通機関利用で通勤手当を受給して自転車や徒歩などで実際と異なる通勤手段で通勤費用を浮かす場合がありますが、これは不正受給に当たります。また転居した当初に申請していた距離や経路よりも企業までの距離や通勤にかかる費用が安くなったのに、再申請しなかった場合も不正受給になります。不正が発覚した場合、民法による「不正利得の返還義務」で返還させることができます。そして、この返還義務は消滅時効が10年とも定められていますので長期間に渡り不正に受給していた際には10年前にさかのぼり返還させることが可能です。またこの不正受給により、会社の規則(社内規定)で懲戒処分にすることができます。

規則の中に「懲戒」という項目があり、故意または重大な過失によって会社に損害を与えた物は懲戒処分にすることできます。本来、通勤に必要であった費用を浮かせて受給し続ける行為は損害を与えていますので、懲戒対象です。規則の中に事由と種類が明記されていないと、いけないので会社の規則は明記するなど整備が必要です。

また通勤している時に事故等に遭った場合、労災になりますが、申請していた通勤手段とことなり自転車や徒歩で通勤途中に事故に遭った場合に労災と認めらない場合も出てきますので、特に事故やケガのリスクの高い自転車通勤などは注意が必要です。合理的な方法であれば労災も認められますが、不正受給が発覚して返還請求となってしまいます。

通勤手当申請書の書き方

通勤手当申請書は企業によって書式が違いますが、ほとんどの場合書かなければいけない項目が決まっています。

1.従業員情報
まずは申請する従業員の所属部署、社員番号(社員番号がある場合)、従業員名、住所の項目があります。住所は省略することなくアパート名や部屋番号までしっかり記載しましょう。虚偽となってしまったり、認められず再申請に時間を要して給付が遅れてしまうこともあります。

2.合理的かつ経済的な経路表記
通勤方法ですが、自宅から会社までの距離を合理的で経済的な方法で記載することが義務付けられます。ですので、遠方の場合新幹線での通勤もグリーン車両を除けば認められます。そこで注意点がありますが、タクシーや運転手付きの車での通勤方法は合理的とは言えないので、こちらは認められません。詳細に徒歩の距離、時間や公共の交通機関の場合は路線名や駅、または停留所名と所要時間と片道にかかる運賃を記載します。自家用車の場合は、自宅から会社までの距離をしっかり明記します。こちらは国税庁で距離に対しての限度額が定められていますので、そちらを適用することになります。

3.経路図の提示
通勤に通る経路を地図や、略図としてでも添付しなければいけません。どのような経路で通勤するのかきちんと提示しましょう。

4.任意保険の写し
自家用車やバイク、自転車を使った通勤の場合には任意保険証の写しも合わせて提出しましょう。通勤途中の事故は労災に当たりますので、その際に加入している保険を適用し、支払いを行います。これに合わせ、不正受給を防ぐ為にも公共の交通機関利用の場合は定期券の写しなどのコピーも更新時には提出させるなど義務付けましょう。

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