共和メディカル株式会社

アナログ・非効率な業務フローを改善。2名で3~4日かけていた月末締め業務を1名で2時間ほどで完了できるように

共和メディカル株式会社 取締役 総括本部長 西村翼様
  • 課題

    ・業務の属人化を改善し、業務フローを改革したい
    ・アナログで煩雑化し、非効率かつミスが起きやすい状況を改善したい
    ・クラウド上で労務書類を一気通貫で管理したい

  • 活用方法

    クラウド導入にあたり、店舗をはじめとする現場をすべて回り「いかに作業が楽になるか」を説明して社内浸透を成功させた

  • 結果

    ・各書類をワンストップ統合でき、賃金台帳や源泉徴収票、年末調整などの情報をバックオフィスで共有することが可能になった
    ・2人がかりで数日かけて行っていた締め作業を一人でこなせるようになり、最短2時間で完了できるようになった
    ・空いた時間やリソースを「競争優位に結びつける新たな取り組み」に充てられるようになった

業務効率化で余力が生まれ、教育や新たな取り組みをスタート
ジェネリック医薬品のメーカーであり、調剤薬局チェーンや健康食品の製造・販売も展開する共和メディカル様。長く総務・経理を担当していた従業員が退職することを機に「複雑かつ属人化されていた業務フロー」の改革を目指しました。2018年6月にクラウド給与、更に約5カ月後にはクラウド会計も導入しました。
月末の締め作業は、給与計算のベテランだった従業員2名が3〜4日かけて行っていましたが、現在は1名のみで担当し、早ければ2時間で完了できるようになりました。また、クラウド上にバックアップされた各種情報を社内で共有することにより、一部業務の切り出しも可能となり、バックオフィス業務全般も圧倒的に効率化。通常業務に余裕ができたことで、新たな経営戦略に力を注ぐことが可能となり、初の新卒採用も実施。従業員の教育や業務改善、モチベーションアップ施策などにも取り組み、強い組織をつくるための経営改革に向かっています。

複雑化・属人化したアナログ業務フローをクラウド導入で改革!

総務・経理の知識がないままの引き継ぎ。クラウド活用で補うことに

西村様:当社は、ジェネリック医薬品メーカーとしてスタートしました。現在、薬の卸売りや調剤薬局の運営、ヘルシーフードの製造・販売なども手掛け、グループ会社では訪問看護・リハビリ事業を展開しています。地域医療に密着し、健康を通して社会に貢献していくことを目指しています。

現在(2022年2月時点)の従業員数は200名で、グループ全体では約250名となっており、調剤薬局等を12店舗展開しています。私は経営企画の室長としてこの会社に参画しましたが、まさに総務・経理のベテラン従業員が退職するタイミングであり、そうした業務を一手に引き継ぐことになったのです。しかし、総務・経理の分野は全くの素人であったため、クラウドなどのシステム活用で補おうと考えました。しかし、引き継ぎを行う際に、業務フローを見渡してみると、そこには多くの問題・課題が山積していたのです。

システムも書類管理もバラバラで複雑。非効率でミスも発生しやすい

当時は、2名のベテラン従業員が給与計算などの業務を担当していましたが、勤怠管理も給与計算も別々のシステムを利用しており、各種書類はExcelに手入力したものをバラバラに管理している状況でした。
例えば、月末の締め作業だけでも、二人がかりで3〜4日、深夜まで及ぶほど時間が掛かっていました。更に、給与明細の処理は、給与計算システムで計算した後にExcelで作成した明細をプリントアウトし、手作業で封入していたのです。
長年、アナログで続けてきたこれらの業務処理はどんどん複雑化・煩雑化し、かつ、これらのフローは担当者のみしか把握できていなかったため、引き継ぎ自体も難しい状況でした。
その上、書類のファイルは複数存在しており、一気通貫で管理ができず、バックオフィス内で情報共有することもできませんでした。作業効率の面でも大きな問題があることはもちろん、ヒューマンエラーが発生しやすいと感じました。そこで、「この機会に、一気通貫で管理ができるクラウドシステムを導入し、長年の間に複雑かつ属人化された業務フローを改革しよう」と決めたのです。

手厚い導入サポートのおかげで、会計業務の見直し・改善もできた

コスト、手厚いサポート、機能改善の早さでマネーフォワードを選択

まずは給与計算のクラウドサービスから導入しようと考え、数社を検討する中でマネーフォワードがベストだと思いました。その要因は3つありますが、第一に、コストの安さが魅力でした。会計パッケージになっているところは、マネーフォワードと比べると、3倍〜4倍のコストが掛かりました。
第二は、バックオフィス改善のコンサルを手掛けているグループ会社が手厚くサポートしてくれる点です。他社とは違い、専任の公認会計士が担当してくれると聞き、安心できると感じました。
そして、第三は、「システムの機能を改善し、アップデートしていくスピードが非常に早い」という点でした。また、そのほかの領域のクラウドシステムとの連携性はもちろん、メインバンクとしている銀行ともAPI連携できる点も魅力的でした。給与、経費、会計を導入し、すべてを連携させることで一気通貫の管理体制を整えることができると考えたのです。

公認会計士のサポートで会計業務も改善。複雑な勤務形態にも対応

導入の際、想像以上に手厚いサポートを実感し、やはりマネーフォワードにして良かったと思いました。まずはクラウド経費の導入からスタートし、数カ月後にクラウド給与、さらにクラウド会計を導入していきました。その際、業務改善のいい機会だと考え、過去の手当て項目や集計に時間の掛かる項目も見直すことにしたところ、項目整理や勘定科目の設定などの相談にも乗ってくれました。担当者が公認会計士のため、専門的な視点で整理ができ、安心できました。単なるシステム移行をサポートするだけでなく、まさに会計業務の一部を改善することにも大きく役立ってくれたと思います。

また、複雑な勤務形態に合わせた給与の設定についても、しっかりサポートしてくれました。当社の調剤薬局の店舗拠点は11店舗ありますが、それぞれの営業時間や休日は近隣の医療機関に合わせています。そのため、従業員の休日も勤務時間も店舗によって変則的なものとなっています。「週40時間勤務のシフト制」「時短勤務」などに加え、「管理職は日曜の夜間のみ残業手当てを付与する」など、非常に複雑なため、一般的なシステムではとても対応しきれないのです。マネーフォワードでは、そうした細かい部分までヒヤリングしてくれた上、運用方法の提案までしてくれたので非常に助かりました。導入初月は、定期訪問によって文字通り席の横につく形で丁寧に扱い方を教えてくれて、2カ月目以降も電話で常時サポートしてもらえました。

アナログ作業が不要になり、圧倒的に効率化!従業員も問題なく移行できた

月末の締め作業は自分一人で行い、早ければ最短2時間で終了!

システムに慣れて使いこなせるようになるまでは時間が掛かるものなので、クラウド給与による効果を実感したのは3カ月後でした。以前は2人がかりで数日かけて行っていた締め作業を私一人でこなせるようになり、早ければ最短2時間、長く掛かっても1日程度で終了できています。圧倒的に効率化することができました。
銀行振り込みの際、以前はシステムからCSVを書き出してExcelで加工し、銀行で使える形式に変更することが必要で、「桁数が合わない」などのミスも発生しやすくなっていました。けれどクラウド給与の場合は、書き出したCSVをそのまま使えますから、打ち間違いをすることもなければ、逐一、見直しする必要もないのです。また、従業員の給与明細は、各自がシステム上で自由に見ることができるので、プリントアウトや封筒に手詰めするなどのアナログな作業も不要となりました。
さらに、システム化によって、Excelで管理されていた各書類をワンストップ統合でき、賃金台帳や源泉徴収票、年末調整などの情報をバックオフィスで共有することが可能になりました。各自の業務に必要な情報を切り出して使えるため、全体の効率化につながっています。また、クラウド給与とクラウド会計の内容を比較する際にも、それぞれのシステムを立ち上げる必要がなく、タブ化して行き来できる点も便利だと感じます。また、コロナ禍においても、バックオフィスの業務をすぐにリモートへと移行でき、非常に助かりました。

導入の際には、現場を回って説明。スムーズに移行できた

クラウド給与を導入する際には、店舗をはじめとする現場をすべて回り、「いかに作業が楽になるか」を説明していきました。残業の計算方法が以前の給与計算システムとは違うため、丁寧に説明することが必要だと考えたのです。
現場から反発があることは想定できたので、「変更点はあるけれど、いつでもどこでも給与明細を見ることができる」などのメリットを伝えると同時に、これまでバックオフィスが給与計算の作業にどれだけ苦労していたのかも伝えたことで、理解を得ることができました。システム自体も使いやすい仕様ですし、入力内容などは変わらないので、必要な説明をしっかりと行うことが必要だと考えました。おかげで、混乱もなくスムーズに移行できました。

また、「組織全体でシステムを共有できること」によって、各拠点から報告を受ける方法も効率化できました。以前は、調剤薬局の各店舗から月末の売り上げ報告や決算などはExcelで入力した報告書をもらい、こちらで会計システムに入力していました。「システムに報告書の内容をそのまま入力できれば」と思いましたが、以前使用していたシステムは管理者の権限設定の関係で難しい状態でした。しかし、クラウド会計では、勘定科目を設定したフォームの作成が可能なため、そこに入力するのみの情報共有フォーマットをつくることもできたのです。これをCSVで取り込めば、クラウド給与やクラウド会計とも簡単に連携できます。現場の報告の手順そのものは変わらず、作業の手間も変わらないため、特に反発もなかったですね。

業務効率化によって、教育や各種施策にも取り組めるようになった

効率化で業務に余裕ができ、新卒採用や組織力を高める施策も実現

一気通貫で管理ができるクラウドシステムを導入し、業務に余裕ができたおかげで、空いた時間やリソースを「競争優位に結びつける新たな取り組み」に活かせるようになりました
総務・経理・人事・広報は統括本部内で手掛けていますが、教育研修などにも力を注げるようになりましたね。昨年の春には初の新卒採用を実施しましたが、これは新人育成の教育体制などをつくることができたからです。また、店舗に向けた教育としては、従業員向けポータルサイトをつくり、成功事例や研修内容などを各自がアップすることでナレッジシェアができるようにしました。このほかにも、3S(整理・整頓・清掃)の業務改善を行う活動を推進し、5分間清掃の企画なども実現しています。また、従業員のモチベーションを高めるツールの導入や、営業支援ツールの活用推進など、様々な面から“強い組織づくり”に取り組んでいます

業務改善にフォーカスした大胆な改革で、従業員の意識も変化した

新たなシステムを導入する際、現在の業務に置き換えようとするケースは多いですが、各所を見直せば、業務改善に落とし込んでいくことができます。旧システムや業務フローを引きずることなく、改善にフォーカスを当て、新たに導入するシステムの仕組みに合わせて改革をすることによって、大胆な改革が可能になりますし、導入スピードも早めることができます。また、コストを掛けずに済む点もクラウドのメリットだと感じます。当社では、クラウド導入によって、業務効率アップだけでなく、組織としての力を高めていく施策に注力ができるようになりました。ただ業務を効率化するだけでなく、「それによって、プラスαで何をするのか」が重要だと感じます。

また、ツールの活用によって、従業員の意識も変化したように感じます。クラウド経費で経費を精算したり、給与明細を自ら見に行ったりすることで、「自分のことは自分で申請する」という意識付けができたのだと思います。現場で活躍している従業員は、事務的な作業を苦手とするケースも多いですが、各自の自主性を高めることができたので、今後は年末調整などの機能も使っていきたいです。

共和メディカル株式会社
「地域医療に密着し、健康を通して社会に奉仕」することを企業理念に掲げ、ジェネリック医療用医薬品専門の卸売、調剤薬局の運営、ヘルシーフードの製造・販売などを手掛ける。グループ会社では訪問看護・リハビリ事業も展開し、地域包括ケアシステムの一端を担う。