株式会社東光高岳

定年退職に先手。脱関数&処理の背景情報も含めた一元管理で、ノウハウ継承とレビューを円滑に

株式会社東光高岳 佐山様
  • 課題

    ・前任者が作成した表計算ソフトに依存しており、特定の担当者しか扱えない属人化が起きていた
    ・フォーマット作成者の定年退職が迫っており、将来的な業務継続とノウハウ継承にリスクを抱えていた
    ・ファイル構造が複雑で、科目の追加による関数ズレの修正や、エラー発生時の原因特定が困難だった

  • 結果

    ・属人化していた表計算ソフトから脱却し、誰でも対応できる業務の標準化とノウハウ継承の土台が整った
    ・相殺差額の発生箇所が一覧化され、エラー原因の特定と確認作業の手間が削減された
    ・修正仕訳の経緯や根拠資料をシステム上で一元管理できるようになり、レビューや引き継ぎ業務がスムーズになった

定年退職に備えたリスクヘッジ、表計算ソフト依存の運用から脱却した経緯
電力ネットワークを支えるインフラ機器やシステムを幅広く提供し、現在、国内外に7社の連結子会社を抱える株式会社東光高岳。
同社では従来、前任者が独自に構築した表計算ソフトを用いて連結決算業務を行っていました。従来の運用でも単体決算の翌営業日には連結決算数値が大方固まっていたほど、決算業務はスムーズに回っていたようです。しかし、フォーマット作成者の定年退職を控える中、属人化による将来的なリスクを見据えてシステム移行を決断されます。長年使い慣れた運用からの移行を決意された経緯や導入されたメリットについて、経理のグループマネージャーを務める佐山様に伺いました。

前任者作成の表計算ソフトで運用、スピード感の裏にあった属人化の懸念

ー連結会計システム導入前は、どのように連結決算業務をされていましたか。

以前は、私の上席にあたる前任者が作成した表計算ソフトのフォーマットを利用して、連結決算の業務を行っていました。私を含めた2名の実務担当者で運用しており、各グループ会社からのパッケージ収集から連結精算表の作成までを実施していました。

当時の作業のスピード感としては、単体決算が締まる月初5営業日までに各社からデータをもらい、6営業日には連結決算数値が大方固まるというスケジュールでした。そして7営業日目には短信などを作成するという流れです。単体決算の翌営業日には数字がまとまるようなスピード感で運用できており、当時は業務そのものに対して目立って大きな課題を感じていたわけではありませんでした。

しかしながら、表計算ソフトでの運用には特有のメンテナンスコストがかかるという見過ごせない課題がありました。長年運用してきた独自の仕組みであったため、ファイル構造が複雑化していたのです。リンク切れなどのエラーが起きた際の対応も含め、特定の担当者に大きく依存している状態でした。

その中でも一番の懸念事項だったのが、フォーマットの作成者である上席の定年退職です。定年退職というタイムリミットを考えると、今の運用を続けていてはいずれ業務に支障をきたすことが予測できました。現在は作成者本人が社内にいるため、不明点があればいつでも聞ける環境にあります。しかし、退職されてしまえばその環境は失われてしまいます。

具体的な苦労として、キャッシュフローの科目がどこに紐づいているかがわからなくなってしまうことはよくありました。財務諸表については科目があまり変わらないため問題ないのですが、キャッシュフローにおいて今まで発生してこなかったイレギュラーな科目が出てくると対応に迷います。最終的に数値を反映したいイメージはあっても、表計算ソフト内の複雑な関数の結びつきにより、どこに数値を入力すれば正しく反映され整合性が取れるのかが分からず苦労することが多かったです。新しい事象が発生するたびに作成者に確認しなければならず、担当者以外では原因の特定や修正が難しい状況にありました。

 

定年退職を見据え、ノウハウ継承と業務品質の維持を目的にシステム導入

ーどのような検討を経て『マネーフォワード クラウド連結会計』の導入を決められましたか。

上席の定年退職という明確なタイムリミットが迫る中で、何とかしてこの属人化の問題を解消しなければならないと強く感じていました。表計算ソフトを利用した属人化された運用のままでは、連結決算業務のノウハウを継承することが困難です。特定の担当者への依存を減らし、誰が担当しても一定の水準で業務を遂行できる標準化を実現することが、組織としての重要なミッションでした。業務継続の視点からもシステム化は必須であると考え、新たな環境への移行を検討し始めました。

そのような背景がある中で、『マネーフォワード クラウド連結会計』のご説明を伺う機会がありました。お話を伺って実感したのは、このシステムがまさに私たちが直面している属人化の排除やノウハウの継承、そして業務負荷の軽減につながる解決策であるということです。システム上でエラーの箇所が可視化される仕組みなどが備わっており、作成者でなくてもマニュアルなどを見ればどこを修正すればよいかすぐに理解できます。単なる作業の効率化というよりは、業務品質の維持やノウハウ継承といった観点でのメリットが大きいと感じました。

長く使ってきた表計算ソフトの運用を変えることへの抵抗感は不思議とありませんでした。むしろ、作成者が退職した後に複雑な表計算ソフトを自分たちだけで使いこなせるのかという不安の方が大きかったです。表計算ソフトは一人で作業するには柔軟で便利かもしれませんが、引き継ぎや複数人での作業には限界があります。そのため、属人化を解消できるシステム環境への移行は、私たちにとって前向きな決断でした。

 

スムーズな導入と充実したサポート、関数のメンテナンスからの解放

ーはじめての連結会計システム導入だったということですが、システム導入はスムーズに進みましたか?

システムの導入にあたっては、疑問や課題を感じることもなくスムーズに進めることができました。導入期間はおよそ4ヶ月でしたが、提示していただいたマイルストーンに沿って予定通りに設定を終えることができました。ウェブ会議などを活用しながら丁寧に説明していただき、操作方法の習得や初期設定も滞りなく進みました。導入時だけでなく、運用フェーズに入った今でも、疑問点があれば迅速かつ的確にサポートしていただける体制があり、心強く感じています。

表計算ソフトでの運用時に大きな課題となっていた科目の紐づきについても、システム上で設定が完了しているため安心感があります。表計算ソフトでは、新しい科目が追加されるなど一行ずれるだけで飛ぶ場所が変わってしまい、関数のズレを直す作業が発生していました。しかしシステムであれば、一度設定さえしてしまえば決算のたびにゼロから設定し直す必要はありません。関数がずれて紐づきがおかしくなるリスクも減り、設定内容をスムーズに確認できる点も嬉しいポイントです。

 

数値の背景にある定性情報も一元管理、レビューや引き継ぎがスムーズに

ー『マネーフォワード クラウド連結会計』を利用されるメリットをお教えください。

実際に利用してみて大きなメリットを感じたのは、エラーの原因特定がしやすいことと、過去の経緯を辿りやすいことです。

エラーの特定について、表計算ソフトで運用していた頃は、エラーが出て数字が合っていないことは分かっても、どこでどのようにズレているのかを突き止めるのが困難でした。エラーが発生するたびに、あちこちのデータやファイルを開いて原因特定に苦労していました。その点、マネーフォワード クラウド連結会計では、どの会社間でどの科目にいくらの相殺差額がでているかが自動で一覧化されます。一目で差額が発生している箇所を特定でき、わざわざ複数のデータを確認しにいく必要がなくなりました。

過去の経緯を辿りやすい点については、今回システムを導入した最大の目的である「属人化の解消」に大きく貢献しています。システム上では、入力する修正仕訳に対して直接メモを残したり、根拠となる資料を添付したりすることができます。最終的な数値の結果だけでなく、なぜその修正を行ったのかという経緯や根拠をすべて一元的に管理することが可能です。表計算ソフトでは過去の修正履歴を詳細に残すことは難しく、前のデータをさかのぼるのも一苦労でした。しかしシステムであれば過去のデータや設定内容がしっかりと残っているため、確認が容易です。

私自身は現在、実務担当から外れて決算業務のレビューやメンバーの育成を行う立場になりました。そのため、過去の履歴やメモをシステム上で確認できることは、実務担当者とのコミュニケーションを円滑にする上でも役立っています。画面を見ながら過去の経緯を確認できるため、教える側としても教えられる側としても便利です。システムを使い始めた段階なので必要な頻度はまだ少ないですが、今後データが蓄積されていけば自社にとって大きな財産になると確信しています。

公開日:2026年10月22日 公開当時の情報となります

株式会社東光高岳
日本の電力ネットワークを100年にわたり支え続ける、電力インフラ分野のリーディングカンパニー。変圧器や開閉器、スマートメーターなどの機器供給をはじめ、太陽光発電やEVに対応した高度なエネルギーソリューション事業を展開し、電力の安定供給と効率利用を実現。確かな技術と共創力で、カーボンニュートラルや防災レジリエンス強化といった社会課題の解決に挑み、サステナブルな未来のエネルギーネットワークを創出している。