東京青果株式会社

月1,300件の紙精算からの脱却、既存システムとの連携の壁と独自フローを紐解く伴走支援

東京青果株式会社 廣様
塩澤様
斎藤様
佐原様
対象システム:マネーフォワード クラウド経費、債務支払
支援内容:マネーフォワード クラウド経費、債務支払の導入支援

国内最大の青果卸として業界を牽引する東京青果株式会社。

同社では従来毎月1,300件ほどの経費精算を紙で行っていました。今回、紙ベースでの運用による負担や非効率を解消するべく、導入支援コンサルティングサービスを利用し、『マネーフォワード クラウド経費』および『マネーフォワード クラウド債務支払』を導入しました。
システム導入の効果として、経費業務の大部分を電子化し、いつでもどこからでも申請や承認を滞りなく進められる体制を構築することができました。

しかし、今回のプロジェクトは一筋縄ではいきませんでした。ベンダーが異なる複数の既存システムとの連携や、同社独自の複雑な業務フローの整理や統合など、システム導入にあたって多くの高いハードルが存在したためです。「コンサルタントの方の力添えがあったおかげで、これらのハードルを乗り越え、納得の行くシステムの稼働開始までたどり着くことができた」と話されています。
システム導入に踏み切った背景や、コンサルティングサービスがもたらした具体的なメリットについて、経理部門の廣様、塩澤様、斎藤様、佐原様にお話を伺いました。

事業内容

ー事業内容についてお教えください。

当社は「市場流通の活性化を通じて広く社会に貢献する」を企業理念に、青果物および加工品の受託販売並びに購入販売を行っています。国内最大級の取扱規模を誇る青果卸売会社として、日本の豊かな食生活を足元から支えています。

月約1,300件の紙精算、出張の多さが生んでいた申請者の帰社負担

ーシステム導入前の運用についてお教えください。

私たちの会社は青果物の卸売という事業の特性上、営業部門は日本全国の産地への出張の機会が非常に多いです。そのため、社内で発生する経費精算の件数は、平均で月に1,300件ほどにものぼっていました。当時はそれらすべての精算業務を紙ベースで運用しており、これが業務担当者にとっての大きな負担となっていました。
紙での精算となると、申請する営業担当者もそれを承認する上司や役職者も、全員がオフィスに出社しなければ手続きを進めることができませんでした。出張が多い営業担当者は営業日に社内にいる時間が限られています。そのため、場合によっては経費申請のために帰社せざるを得ないケースが発生していました。
また、実際に精算処理を行う経理部門の側でも、膨大な紙の書類の処理に、多大な労力を費やしていました。特に、申請された交通費の経路や金額が妥当なものであるかどうかを、一件ずつ手作業でチェックする作業は、負荷の高い業務となっていました。書類に不備があった場合の差し戻しや、上司の出張によって承認リレーが途中で滞ってしまうなど、紙の運用による非効率性は営業部門全体と経理部の業務スピードをも鈍らせていたと感じています。

ベンダーが異なる複数の既存システムと、独自の業務フローの壁

ーシステム導入に際してコンサルティングサービスの利用をされた背景をお教えください。

このような非効率な紙運用から脱却するためにシステム導入の検討を始めましたが、私たちの前には高い壁が立ちはだかっていました。
当社は、各種マスタを一元管理する基幹システムを核として、ETLツールや会計ソフトなどベンダーの異なるシステムを連携させて運用しています。組織変更などでマスタの更新が必要な際は、この基幹システムの設定を変更すれば、連携している各システムにも自動的に反映される仕組みです。
今回、『マネーフォワード クラウド経費』および『マネーフォワード クラウド債務支払』を導入するにあたっても、この既存システムとの連携が絶対条件でした。しかし、市販されているパッケージシステムをそのまま導入しても、すんなりと連携できるわけではありません。基幹システムと新しいシステムを繋ぐETLツールの設定の大規模な変更や、会計ソフトとのマスタ共通化など、関係各社間での綿密なすり合わせが求められる技術的な課題が山積みでした。
また、これらシステムの連携さえ考えれば良いわけではなく、当社の持つ独特な業務フローを新しいシステム体制の中でどのような運用に落とし込んでいくべきかの判断も、困難な課題でした。例えば当社では、一口に請求書支払業務といっても、取引契約を締結しているお取引先様への支払いだけではありません。交際費や接待費が発生する取引の場合でも、従業員が立替精算せず、支払先である飲食店などから直接請求書を発行してもらい精算するといった特殊な運用が発生することもあります。こういった運用をシステムの制約がある中でどのように効率化しつつ実現するかは、頭を悩ませるポイントの一つでした。
ベンダーが異なる複数のシステムを跨いだデータ連携の交通整理や、当社独自の業務フローまで加味した要件定義は、プロジェクトを確実かつスピーディーに推進する上で難易度の高い領域でした。私たちには理想とする運用のゴールイメージはありましたが、それを既存のマルチベンダー環境の中で安全に具現化するためには、専門的な知見が必要不可欠でした。単にシステムを導入するだけでなく、当社の複雑な要件に深く入り込み、最適なロードマップを共に描いてくれるパートナーの支援が必要であると考え、コンサルティングサービスを利用することに決めました。

複雑な独自要件を紐解き、実運用へ落とし込んだ緻密な伴走支援

ーコンサルティングサービスを利用したことによる効果やメリットをお教えください。

結論から申し上げますと、今回のコンサルティングサービスによる支援は、本プロジェクトを成功へ導く上で決定的な役割を果たしたと確信しています。
特に苦労したのが、先ほども挙げたマスタデータの自動連携です。基幹システムからETLツールを経由して、マネーフォワード クラウド側へマスタデータを自動で同期させる想定でした。しかし、いざ検証してみると想定通りの挙動にならず、なかなか計画通りに進められない状況でした。システム開発の専門的な領域ゆえに、一つエラーを直すとまた別の場所で新しいエラーが出るという状況に、途方に暮れてしまう思いでした。しかし、そういった時はコンサルタントの方に適宜打ち合わせに参画いただき、他社のシステムベンダーとも直接コミュニケーションを取りながら、一つひとつ確実に要件整理の方針を示していただきました。現在も完全な自動連携に向けた調整は続いていますが、実運用を止めないための最適な代替案やリカバリー策を迅速に提示していただけるおかげで、大きなトラブルを起こすことなくシステムの稼働を開始することができました。
また、社内の承認ルートの構築においても、コンサルタントの方の豊富なノウハウを共有いただいたおかげで、最適で納得のいくワークフローが実現したと思っています。融通が利く紙の運用では、状況に応じて柔軟に対応することもできました。しかしシステム化するとなると、あらかじめ定義されたルールに従って厳密にルートを組む必要があり、どのように設定すれば良いかの検討もつかない状態でした。当社の場合、「所属する部署の上司に回す」という単純なルートではなく、「この勘定科目を選択した場合は、特定の役職者を経由する」といった、細かい分岐条件を多数持っていました。
コンサルタントの方は、当社の複雑な業務フローを辛抱強くヒアリングし、システムの制約の中でどのように表現すれば現場に混乱を与えずに済むか、徹底的に要件を詰めてくれました。こちらの要望をただシステムに合わせて設定するだけではなく、当社の業務への理解を深めたうえで、ベストな折衷案や設定のノウハウを提供してくれたことが本当にありがたかったです。
これらは、システムのマニュアルを読んだだけでは導き出せない解決策でした。当社の実情に寄り添い、実務レベルで動く現実的な運用を実現できるよう一緒に汗をかき、手を動かしてくれたコンサルタントの伴走があったからこそ、私たちはこの大きな変革を成し遂げることができたのだと感じています。

定量化を超えた投資価値と、本業に集中できる環境への進化

ー今後の展望についてお教えください。

今回のプロジェクトを通じて、大半の経費業務の電子化への着手が完了し、経費業務のペーパーレス化へと大きく舵を切ることに成功しました。
システムが稼働したことによる効果は、すでに具体的な変化として現れています。まず、これまでどうしても発生していた、経費精算を目的としたオフィスへの帰社対応の必要性はなくなりました。また、日々ユーザーとしてシステムを利用している従業員から劇的に楽になったという声が多く上がっています。これはスマートフォンを使って、出張先や移動中の隙間時間に申請や承認ができるようになったことが大きいと考えています。経費申請に関わる一連の手続きが効率化されたことで、少額の交通費などもため込むことなく、タイムリーに申請が行われるようになりました。誰もがストレスなく、迅速に手続きを完了できる環境が整ったことは、会社全体の業務スピードを向上させる上でも大きな進歩だと実感しています。
バックオフィス改革において、すべての効果を数値化して定量的に証明することは難しい側面があります。また、従来の運用でも業務自体は回っていたため、新しい運用へ移行することには大きなパワーを要したのも事実です。そのような中で、現場の目に見えづらい負担の軽減や運用の適正化が進んだことだけでも、コストやエネルギーを投下した価値は十分にありました。中長期的に見て間違いなくインパクトの大きい投資を行うことができたと確信しています。
今回のプロジェクトにおいて、システムと会計業務の知見を合わせ持ったコンサルタントの方が、私たちの現状に寄り添い、真正面から向き合ってくださいました。だからこそ、これまでの業務を止めることなく新しい運用を無事に軌道に乗せることができたのだと思っています。今後は、今回構築したデジタル基盤をベースにして、時代にあわせたさらなる業務の効率化と見直しを加速させることで、現場の人間がより本業に集中できる環境づくりを推進してまいります。

公開日:2026年7月23日 公開当時の情報となります

今回の導入サービス

東京青果株式会社
国内最大の青果卸として、国産青果物の取引を中心に担う卸売業者。東京都大田市場を主要拠点とし、産地と市場・実需者をつなぐ流通の要として、食の安定供給を支えている。せり・相対取引を通じた多様な取引形態と全国規模の集荷ネットワークにより、安定した品揃えと供給力を実現している。