
マネーフォワードで管理部門を標準化!内部統制強化と工数削減を実現し、事業拡大を支えられる管理部門に
課題
・200枚以上の書類の起票や計上、振込作業をアナログに対応。事業拡大によって業務量が増加し、マンパワーでの対応に限界が来ていた。
・グループ内の各社で様々なバックオフィスシステムを使用しており、管理体制も異なっていたため業務フローが複雑化していた。
・J-SOX(内部統制報告制度)へのスムーズな対応が求められた。結果
・起票から会計計上までシームレスに連携することで、業務負荷を大幅に削減し残業時間も半減。現場部門、管理部門双方が内容を把握しやすくなり確認工数も削減。
・マネーフォワードクラウドの活用で、子会社ごとに異なる管理体制の標準化を実現。
・クラウド化でスピーディーなJ-SOX対応と内部統制強化を可能に。
今回は、マネーフォワードクラウドを活用して、体制が異なる子会社を統制し、経理財務部門の業務効率化と"バックアップ可能な体制づくり”を実現したエピソードについて、取締役執行役員の市川様にお話を伺いました。
M&A後、子会社の管理部体制がバラバラで統制が必要に。マンパワーに頼らず標準化も図りたかった
――会社概要と事業内容について教えてください。

市川様:株式会社ラストワンマイルは、東京、福岡、北海道、名古屋を中心に、主に不動産業界向けに顧客の工数削減や収益向上につながるサービスを複数運営している会社です。多くの不動産会社は、入居者向けの電気やガス、インターネットなどライフラインなどの付帯サービスを販売しています。すべてを不動産会社で対応するのは負担が大きいため、私たちが代わりに業務を引き受け、BPOのような形で支援を行っています。
現在、展開している5つの事業は、不動産を中心にそれぞれのシナジーを生み出しているのが特徴です。例えば、近年M&Aした株式会社HOTEL STUDIOは、不動産オーナー様が保有するアパートをホテルとして再生し、運営受託を行っています。他にも、入居者向けのコールセンターや、入居者が無料でインターネットを利用できる集合住宅向けのインターネットサービスの手配など、不動産会社様の工数削減や収益最大化のパートナーとして多角的に取り組んできました。
――市川様の担当業務について、経理・財務などの管理業務に関わる部分を中心に教えてください。
市川様:私は財務経理部門の統括に加えて、M&A時のデューデリジェンスの実施、M&A後のPMI(統合作業)の実施、経営企画関係業務、IR業務などを管掌しています。
2016年に中途入社した当時はまだ管理部門が1名体制で、上場準備を始めたばかりのタイミングでした。その後、複数の事業を子会社化しながら上場を目指し、管理部門を拡大。現在、財務経理部、人事、総務、法務などのチームも含めると15名程の規模となりました。
――グループ会社様の経理・財務体制や特徴について教えてください。
市川様:もともと、子会社の経理・財務体制は非常にばらつきがあり、連携の難しさが課題でした。M&Aを行った会社によって状況がまちまちで、経理担当がいる会社もあれば、そもそも管理部門が存在しない会社もあり、異なるレベルの管理部門をどのように統制していくべきか非常に悩みました。
すべての会社に一人ずつ、新たな経理・財務担当を配置するとコストも膨らむため非現実的です。そこで、システムを活用して標準化を図ることが必要だと考えました。
――マネーフォワード導入前の管理部門の課題について教えてください。
市川様:子会社を含めて、全管理部門の業務体制を統制する必要がありました。また、マンパワーに依存し、工数過多になっている業務体制そのものの改善も課題でした。
例えば、以前は経理が起票、財務チームが出納を担当していましたが、アナログな方法で行っていたため業務効率が悪かったのです。メールや郵送、システムなどさまざまな方法で受け取った証憑を共有フォルダにかき集めて、担当者が1枚ずつ書類の内容を確認し、手作業でシステムに入力を行っていました。
加えて、当社は複数の事業を展開しているため、売上の計上基準や証憑も多様で管理に手間がかかる点も悩みでした。格納された証憑をもとに、1つずつ処理方法を検討していたため、内容が不明瞭なものは経理担当から担当部門にヒアリングする手間が発生していました。
さらに、支払の数も多く、担当者がまとめて確認することが難しくなり、毎月月末の振込を7回ほどに振込を分けざるを得ない状況だったのです。その結果、財務経理部の残業時間が社内トップとなり、常にオーバーワークの状態にありました。このままでは財務経理部の社員が疲弊してしまい、事業拡大にも支障をきたすと思いました。
――本格的にシステム検討をはじめたきっかけは何でしたか?
市川様:2023年に電子帳簿保存法やインボイス制度などの法対応が求められ、さらにJ-SOX(内部統制報告制度)の監査対応が始まることもあり、検討し始めるきっかけとなりました。今まで業務を紙で対応していて、押印の手間もあったため、全社に展開する前にオペレーションを変更する必要も感じていました。
また、上場を目指すにあたって業務の属人化を解消することは必須となります。上場した会社で管理部門が回らなくなることは致命的ですから、メンバーが欠員したときのバックアップ体制を構築することが最優先でした。しかし、バックアップ体制をマンパワーに頼るのは最適解とは言い難く、システムを活用して業務工数を削減することが重要だと考えていました。
システムについては、以前から情報収集をしており、過去にはスクラッチ開発を試みたこともあります。ただ、自社独自のシステムを1から立ち上げるには桁違いのコストがかかるため、システム導入まで辿り着くことができなかったのです。
今回こそは改めてシステムを選定し、導入と業務改革までやり切りたいと考えました。
――他社サービスとどのように比較検討されましたか?
市川様:はじめは既存システムを継続利用することも考えましたが、せっかく導入するなら支払管理や請求書作成、経費精算等のワークフローから会計システムへの計上までをシームレスに連携できるシステムにしたいと考えました。
複数社の比較検討を行い、極端にコストがかかるものと連携性が弱くオペレーションの改善が見込めないものを除外していくと、最後に残ったのはマネーフォワードでした。
――マネーフォワードクラウドの導入の決め手を教えてください。
市川様:当社が求めていたとおり、支払管理や請求書作成、経費精算等のワークフローから会計システムへの計上までをシームレスに連携できる機能を備えた上で、費用が他社サービスよりも抑えられたことが決め手となりました。
マネーフォワードさえあれば、複数子会社の内部統制、電子帳簿保存法や各法対応、管理部の業務効率化などを実現できると思いました。また、マネーフォワードはクラウド型のERPなので、会計周辺サービスが非常に充実しているにも関わらず、スクラッチ開発や他社サービスよりもぐっと予算を圧縮できます。
これらのプロダクトの充実度と価格面のバランスが、アドバンテージだと考えました。
さらに、提案を初めて聞いた頃から導入決定までの短い期間に、次々と新しいプロダクトを開発し、アップデートされていることに驚きましたね。過去に、私たちも機能要望を出したことがありますが、非常にスピーディーにアップデートされており、この開発スピードの早さも導入を後押ししたポイントでした。
不測の事態でもバックアップが可能な管理体制を実現できた
――マネーフォワードの導入後、経理業務にどのような変化がありましたか?

市川様:マネーフォワードの導入後も、経理チームが起票して財務チームが出納する役割は変わりませんが、起票の工数が大幅削減できたことが大きな変化です。
以前は月200枚以上の請求書をメールまたは郵送などで受け取り、Excelで支払管理をして会計ソフトに手入力を行っていましたが、それらの作業はすべて削減できました。極端な表現ですが、経理の仕事がなくなりましたね。その結果、財務経理部メンバーの残業時間は半減し、メンバーからも「想像以上に暇です」と冗談を言われるくらいです。
マネーフォワードで工数削減ができたおかげで、メンバーは子会社連結の業務に注力できるようになりました。また、内部統制の文書化の基礎となる各事業部への業務プロセスのヒアリング業務にも力を入れることができ、会社として注力すべき業務に集中できる体制が整いました。
――請求書の支払や会計業務はどのように効率化できましたか?
市川様:請求書の支払は、現場の担当者から上がってきたデータを確認して、ワンクリックで業務が完結します。財務担当を2名配置する必要もなくなり、計上作業もほぼワンクリックで済むくらいに業務を圧縮できました。
また、マネーフォワードを活用してさまざまな情報を整理することができ、データの紐づけにより効率化を図れたのも良かったです。例えば、以前は1つの取引先に複数の支払先があっても、支払情報が取引先単位で合算されてしまうことがネックでした。支払情報を確認し、合算されている場合は別々に分ける必要がありました。しかし、マネーフォワードなら取引先と支払先を分けて管理ができ、支払データを支払先ごとにボタン1つで作成できます。
他にも、勘定科目の紐づけが容易でデータ整理が進んだため、「この売上はどの事業のものですか?」などと担当者に確認する工数を削減できました。マンパワーに頼らず、スピーディーに情報を整理、紐づけ、処理できる体制が構築でき、属人化も脱却できたと思います。
――財務経理部の社員様に定性的な変化はありましたか?
市川様:定性的な変化としては、常に仕事に追われる感覚がなくなり、気持ちに余裕ができたことです。大量のタスクに追われながらミスなく支払業務を行うプレッシャーから解放され、余裕のあるスケジュールで取り組めるようになりましたね。
管理者の立場で見ても、メンバーがオペレーションミスを起こさないかどうか、急な欠員で業務がひっ迫しないか等の不安を削減できました。気持ちに余裕が生まれたおかげで、やりたかった業務に集中でき、安心感が得られました。
加えて現場部門においても、証憑の内容を確認してから申請する意識が根づき、会計処理の手戻りが削減できました。このように全社的に定量・定性的な効果が見られ、本当に良かったと思っています。
――マネーフォワードクラウドを活用しながら、今後どのような管理体制を作っていきたいか教えていただけますか?
市川様:今後も業務の標準化を推し進めながら、バックアップ体制の効いたチーム作りをしていきたいです。突然の病気や怪我で欠員が出ることは避けられませんが、万が一のときも慌てずに業務を分担し、バックアップが可能なチーム作りを続けていきます。
管理部門は、過剰に人員を増やすことが許されず、限られたリソースの中でミスなく定型業務を滞りなく進める責務があります。今後も効率的な仕組みを作り、バランスのとれたチームを目指したいですね。
また、今まさに取り組み中のJ-SOX(内部統制報告制度)に関しても、監査に耐え得る強い組織を作ることが目標となっています。子会社の標準化と効率化も並行して手掛け、企業成長を支えられる管理部門にレベルアップしていきたいと思います。
――最後に、ご導入を検討している企業様にコメントをいただけますか?
市川様:マネーフォワードを活用すれば、電子帳簿保存法や内部統制への対応、ペーパーレスの促進等が実現でき、業務工数を大幅に削減できると思います。圧倒的に管理工数を減らすことができて、コストパフォーマンスも高いため、ぜひ検討してみてください。
マネーフォワードを使いこなせば、管理部門はオペレーションデザインへの注力が可能になります。私たちも引き続きマネーフォワードを活用して、複数子会社のPMIや管理部門の強化に取り組んでいきたいと思います。
公開日:2025年3月3日 公開当時の情報となります

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