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フリーランスは、どこまで無料で仕事をしても良いか

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Photo By fsecart

「フリーランス」は立場が弱いことも多く、「ちょっとした頼まれごと」を無料で引受けざるを得ない時も度々あります。
しかし一方で、「無料で仕事を頼まれてくれる便利な人」になってしまい、「次は仕事出すから」という甘い言葉に涙をのんだ方も少なくありません。

ネット上には「無料で仕事を依頼された時の断り文句集」といったものまで掲載されています。

営業的には「有料で」となかなかいえない、でもこれではタダ働き体質から脱却できない…。一体どこで線引きを行うべきなのでしょうか。

そこで、今回は曖昧になりがちな「無料でも引き受けるケース」と「無料で引き受けてはいけないケース」の境界について書いてみたいと思います。

なお、本稿はベテランのフリーランスの方々にご協力いただき、意見を伺った上での意見ですが、個別の案件に関してはケースバイケースでご判断ください。

無料でも仕事を引き受けるケース

無料でできる提案活動

提案活動と言っても、それほど手間のかかることではない。カンタンな手伝いや、悩み事の相談に乗ってあげることが、フリーランスにとっての提案活動であり、それが仕事につながることは珍しくない。積極的に人に「親切」にすること。

使いまわせるか

若干手間のかかることであっても、色々なシーンで使いまわせるような成果物は作ってしまうと後が楽だ。例えばセミナーの講演や、ちょっとしたマニュアルなど、自分の後の仕事で活かせるのであれば、「良い機会」と割りきって無料で引き受けてしまう。

経験を取るべきケース

「貴重な経験」というものが世の中にはある。自分の未経験の分野であったり、使える人脈を得られたりするといったケースだ。

次からは「経験があります」といってお金が取れるような仕事につながるのであれば、最初の1回は経験を取るのも悪くはない。

営業工数内で収まる時

打ち合わせの資料をまとめたり、スケジュールを書いてあげたりと「誰かがやらなければいけないけど、あまり誰もやりたがらない仕事」というものが存在する。

もちろん「私の仕事ではない」と割りきってもいいのだが、その後の仕事を進める上でこのような状況が障害になるのであれば、さっさと自分で引き受けて、案件を前に進めるのもわるくはない。

あるフリーランスは、全体工数の1割から2割は「営業費用」として割り切っているという。最初から工数がある程度見込めるのであれば、「営業費用」と割りきってしまうのも手だ。

名前が売れるケース

有名な媒体に記事が寄稿できたり、自分の作品が発表できる場が提供されていたりなど、名前が売れる場に参加するように要請されるケースがある。

断ってもいいのだが、フリーランスにとって知名度は生命線でもある。「マーケティング活動」と定義してしまえば、全体の活動の2割から3割はこのような活動に宛てても利益は十分出るはずだ。ただし、費用対効果の測定と、工数計算はきちんと行うこと。

無料で仕事を引き受けてはいけないケース

提案=成果物

特にデザインなどに多いケースである。ロゴやwebのデザインは、提案書を書いてしまうことが、イコール成果物となってしまうケースもある。

サイトの構成を提案するだけでも相手にとっては結構貴重な情報を無料でもらえることになり、「仕事出しますよ」と言っておいてあとでもっと安いところにやらせる、という信義にもとる活動をする会社も少なからずある。

相手によってはデザインのサンプルを見せるならば、今までの実績や、他社のサイトなどの参考情報を出すに留めるのが、原則だ。

前科あり

前科のある相手には、同じことをするのは愚の骨頂である。また、あなただけではなく他のフリーランスの方にも迷惑がかかる。

あるフリーランスの方は、「失敗データベース」を仲間内で共有し、「地雷クライアント」を見分けているそうだ。美味しい話には罠があることも少なくない。ベテランの方に会社の評判などを最低限聞いておくのもひとつのやり方だ。フリーランスと言えど、与信管理はしっかりやろう。

無料でやるとモチベーションが上がらないケース

多くの顧客は、無料だろうと有料だろうと一定のクオリティを求めてくる。フリーランス同士の取引とは異なり、相手は「予算」で動いているので、お金の支払は自分の懐が痛むわけではないのだ。

したがって、「無料」はあなたが考えているほど相手にとってはメリットではなく、「有料」は、あなたが考えているほど相手にとって困る話ではない。

むしろ仕事を引き受けた側が「無料」と意識してしまうことで手を抜いてしまい、信用を失うケースも多いのである。

最初の取引時

最初の取引は、「アンカー」と言われ、その価格、そのクオリティがその後の取引の基準となる。最初に顧客との力関係ができてしまうと、それ以降覆すのは非常に難しい。取引は最初に高め、その後顧客が上得意になってからサービス、というのが基本路線だ。

まとめ

フリーランスは「個人」という意識が相手にある影響か、気楽に無料で仕事を依頼してくるクライアントも多い。しかし、フリーランスは個人ではなく、れっきとした事業である。「会社としての対価」をきちんと求めることが、逆に双方に良い緊張感を生み、お互いに仕事がやりやすくなることも多い。

きちんとお金の話をし、お金をもらうこと。そうすれば顧客はあなたを一流と見てくれるようになる。

執筆者
Books&Apps

安達裕哉(あだち ゆうや)

1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。現在はコンサルティング行う傍ら、学習塾の経営を行い、人材育成に注力している。
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