四国がITの最先端!?いま注目の四国ベンチャー企業まとめ

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IT企業といえば、六本木や新宿の高層ビルでPCをズラリと並べて殺伐とした雰囲気の中で仕事をしている、そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は今、徳島県をはじめとする四国地方に本社を移転、あるいは新たにサテライトオフィスを開設するIT関連企業が増えてきています。

なぜこういった企業が四国に集まっているのでしょうか?ここでは四国を選んだことによるメリットを探っていきましょう。

なぜ四国×IT?

約10年の歳月を経て徳島県は県内全域に光ファイバー網を整備してきました。

その総延長は20万kmを超えており、県民一人当たりに換算すると全国でも1、2位を争うほどの環境となりました。

また、徳島県のみならず、四国では各県が行政の誘致活動とタッグを組み、様々な企業の誘致(サテライトオフィスとしての開設を含む)に成功しています。

総務省からの交付金により、予算の少ない自治体がITインフラを整えたことで、IT企業が四国にやってきたのは確かですが、理由はそれだけでしょうか?四国でIT企業が活躍できる大きな要因としては、以下の3点が挙げられます。

1.ITインフラが整っている

上記で述べたとおり、四国各県の自治体は総務省からの交付金を利用して、この10年ITインフラの整備に時間を費やしてきました。

その結果ITインフラが発達したおかげで、四国という都市部から離れた場所からでも、PCを利用した映像・音声会議に臨めるようになりました。すなわち、働く場所が自由になりました。

高速のインターネット環境は、ときに都市部での速度を超えるともいわれています。

2.豊かな自然環境の中で仕事ができる

都市部のIT企業で働いていると、時間に追われる生活となりがちで、どうしても休息する時間の確保が困難なときがあります。また、オフィスの外に出ても周りはビルばかりで気持ちも休まらないでしょう。

一方で四国には雄大な自然があり、地元の方々との交流があります。オフィス自体が自然に囲まれているということもあり、都心部にはなかなかない豊かな自然環境がそこにはあります。

3.賃料が安い

都市部でオフィスを借りると場所の違いはあれど、月に数十万円は当たり前ですが、四国の山間部では、都市部と同じ広さのフロアを借りてもその10分の1以下の数万円で済んでしまいます。特にITベンチャーにとっては、固定費を抑えて営業ができる点で大変魅力的です。

四国の注目IT関連企業の紹介

IT企業が四国に拠点を構えるその訳を、「ITインフラ」、「自然」、「賃料」という視点からここまで述べてきました。それでは実際にどのようなIT企業が四国に進出しているのでしょうか?注目のIT企業をご紹介していきたいと思います。

1.Sansan株式会社

Sansan株式会社

【主な事業内容】
クラウド名刺管理サービス

【地域名】
徳島県名西郡神山町

【四国オフィスの機能】
クラウド名刺管理サービスの企画・開発・マーケティング

【開設した理由】
賃料負担が軽く、通勤時間を短縮できるため。

【メリット・成果】
通勤時間が無くなったことで、そのストレスから従業員が解放され、仕事に集中できるようになった点。また、都心で働いている時は深夜まで働き終電で帰宅し、家族の時間を作ることができなかった従業員がその時間を作ることができるようになったこと。

2.ダンクソフト

ダンクソフト

【主な事業内容】
インターネットサイトのコンサルティング・制作・構築

【地域名】
徳島県名西郡神山町

【四国オフィスの機能】
Webデザイン及びCRMに関する企画・開発

【開設した理由】
ワークライフバランスとCSRへの取り組みを推進するため。

【メリット・成果】
より自由な仕事環境を従業員に対して提供することができたこと。

3.サイファー・テック株式会社

サイファー テック株式会社

【主な事業内容】
著作権保護や文書保護等に関わる各種セキュリティソフト開発

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
DRM(電子著作権管理)技術や情報漏えい対策ソフトの開発及び試験

【開設した理由】
地域志向の人材に快適な職場環境と住環境を提供するため。

【メリット・成果】
従来、既卒・新卒の人材確保に苦戦していたが、四国のオフィスを開設してから求人の問い合わせも増え、働く従業員の満足度が向上したこと。

4.株式会社ソノリテ

株式会社ソノリテ

【主な事業内容】
NPO法人運営サポート

【地域名】
徳島県名西郡神山町

【四国オフィスの機能】
NPO向けの業務支援(電話応対、入力代行、発送業務など)

【開設した理由】
自然の中で働くスタイルに興味があり、またコールセンターの効率化を考えていたため。

【メリット・成果】
現地採用を行うことができ、人材について採用の幅を広げることができたこと。

5.株式会社兵頭デザイン

株式会社兵頭デザイン

【主な事業内容】
企業ブランドや商品ブランドに関するフォント・ロゴデザイン

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
クリエイティブ事業全般(ブランドデザイン、各種グラフィックデザイン、試作)

【開設した理由】
デザイナーの感性を四国の大自然の中で磨くため。

【メリット・成果】
美しい大自然の元、デザイナーの感性が鍛えられ、仕事に還元されたこと。

6.株式会社鈴木商店

株式会社鈴木商店

【主な事業内容】
クラウドコンピューティング関連のシステム開発

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
クラウド・コンピューティング関連のシステム開発、及びクラウドによる拠点間コミュニケーションの効率化実験

【開設した理由】
恵まれた自然の中において、クラウド技術を駆使して大都市と変わらない職場環境を構築すれば、さらに良い製品がつくれると確信したため。

【メリット・成果】
大自然に囲まれた中で、より良いものが生み出されていると日々実感していること。

7.株式会社あわえ

株式会社あわえ

【主な事業内容】
地域文化資産保護・継承事業、地域産業保護・振興事業、地域コミュニティ保護・振興事業

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
美波町が本社となります。

【開設した理由】
地域に溶け込むにつれて、過疎地の課題を目の当たりにし、その課題解決に向けて設立。

【メリット・成果】
過去の写真のデジタルアーカイブ、地域産品のブランディング・六次産業化、サテライトオフィス誘致・移住促進、エリアリノベーション、地元観光ガイドへのIT支援など様々な取り組みを進めることで、地域問題の解決に向けた新たなサービス提供の可能性が広がった。

8.株式会社たからのやま

株式会社たからのやま

【主な事業内容】
「ITふれあいカフェ」と高齢者による製品共同開発

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
「ITふれあいカフェ」の運営(※飲食店ではありません)、タブレット端末などIT機器の研究、及び共同開発

【開設した理由】
徳島県の推進するサテライトオフィス事業に創業者が共感したため。

【メリット・成果】
スマートフォンやタブレットを利用したことのない高齢者に、ITふれあいカフェを訪れて頂き、これらを利用してもらうことで、今の高齢者のニーズや課題を肌で感じることができた。

9.プライマルグループ

プライマルグループ

【主な事業内容】
大手企業の新規サービスの受託開発(Web/モバイル関連)、自社サービスの企画開発

【地域名】
徳島県海部郡美波町

【四国オフィスの機能】
インターネットサービス、スマートフォン・アプリの開発、新技術採用に関する検討・検証

【開設した理由】
もともと社長の森上氏が年に1回程度徳島を訪れており、新聞の記事で徳島のサテライトオフィスについて書かれた記事を見つけ、問い合わせをさせて頂いたのがきっかけ。

【メリット・成果】スタッフが生き生きと働いているように感じる点。

10.株式会社えんがわ

株式会社えんがわ

【主な事業内容】
4K8K映像素材の制作、編集、配信

【地域名】
徳島県名西郡神山町

【四国オフィスの機能】
4K8K映像素材の制作、編集、配信

【開設した理由】
都市部にある本社でできることとプラスアルファの付加価値を生み出せると感じたため。

【メリット・成果】
本社のバックアップ機能だけにとどまらず、本社スタッフの憩いの場所としても機能し、従業員の生産性向上に寄与したこと。

まとめ

今回取り上げた企業のように、四国を舞台に躍進を続けている企業はまだまだたくさんあります。各企業に共通しているのは、従業員のワークライフバランスを実現し、都会の喧騒から離れた自然あふれる環境で企業の利益を追求する、という選択をした点にあります。

働き方が多様化する現代で、今後ますますこういった取り組みをする企業が増えていくことは間違いないでしょう。ぜひ一度、これまでの固定観念を外し、ご自身の働き方を見直してみてはいかがでしょうか。

(追記:一部表現を訂正しました。)

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