
Microsoft Excelなどの表計算ソフト(以下、エクセル)は、経理業務に携わる者にとってなくてはならないツールです。しかしそれだけに、いろいろなところで「ちょっと困った」が発生することがあります。
例えば、会計システムからデータをエクスポートし、複雑なデータ処理を行う必要があったり、前任の担当者から引き継いだエクセル関数を読み解くのに時間がかかったり。場合によっては、結局読み解けなかったりなど、さまざまなお悩みがあると思います。
なかでも地味に時間を取られてしまうのが、関数のエラーです。普段あまり使わない関数が使われていたり、入り組んだ参照関係があったりすると、調べて、解析するのにも手間暇がかかります。
本記事では、ChatGPTを使って、エクセル関数のエラーを効率的に解消するための具体的な方法をご紹介します。
エクセル関数のエラーの種類と原因
よくあるエラーの種類
エクセル関数を使用する際に遭遇するエラーには、「#DIV/0!」「#VALUE!」「#REF!」「#NAME?」などがあります。これらのエラーは、それぞれ異なる原因によって発生します。例えば、#DIV/0!はゼロで割り算を行った場合に表示され、#VALUE!は数値以外のデータが含まれている場合に発生します。
エラーの原因とその対策
エラーの原因を特定することが、解消の第一歩です。例えば、#DIV/0!エラーの場合、割り算の分母がゼロでないか確認し、必要に応じてIF関数を使用してエラーを回避します。また、#VALUE!エラーの場合、データの形式を確認し、数値以外のデータが含まれていないかチェックします。
ChatGPTによるエラー検出と修正提案
ChatGPTによるエラー検出と修正提案
ChatGPTにエクセル関数を読み込ませることで、エクセル関数のエラーを自動的に検出し、修正提案までしてもらうことができます。
例えば、貸借対照表を作成している途中で、エラーが発生したとします。
エラーが発生している関数をコピーして、ChatGPTに以下のような文言で入力します。
エクセル関数でエラーが表示されます。解消するためにはどのように修正したらよいでしょうか?
=IF(OR(B6=0,B6=""),"-",B6/$B$35)
すると、以下のようなメッセージが返ってきました。エラーの原因の候補や、修正内容が具体的に記載されています。
エクセル関数でエラーが表示される場合、いくつかの原因が考えられます。以下の点を確認し、修正を試みてください。
1. **セルの参照が正しいか確認**:
- `B6`と`$B$35`のセルが存在し、正しい値が入力されているか確認してください。
2. **ゼロ除算エラーの確認**:
- `B6`が0または空白の場合にエラーが発生しないように、`IF`関数でチェックしていますが、`$B$35`が0の場合もエラーが発生します。これを防ぐために、`$B$35`が0でないことも確認する条件を追加します。
3. **データ型の確認**:
- `B6`や`$B$35`に数値以外のデータが入っていないか確認してください。数値以外のデータが入っていると計算ができずエラーになります。
以下のように修正してみてください:
```
=IF(OR(B6=0, B6="", $B$35=0), "-", B6/$B$35)
```
この修正では、`B6`が0または空白、または`$B$35`が0の場合に「-」を表示し、それ以外の場合に計算を行います。
また、エラーが発生する可能性がある場合には、`IFERROR`関数を使ってエラーを処理することもできます:
```
=IFERROR(IF(OR(B6=0, B6="", $B$35=0), "-", B6/$B$35), "-")
```
この関数では、計算結果がエラーになった場合に「-」を表示します。これにより、予期しないエラーが発生した場合でも適切に処理されます。
今回は簡単に解消できるエラーでしたが、複雑な関数になるほど、ChatGPTと1回のやり取りで完結しないこともあるでしょう。
その場合は、原因と対策が出力されるまで、ChatGPTと何度かやり取りをするのがおすすめです。
ChatGPT利用上の留意点
ChatGPTに入力した内容は、OpenAI社のモデル学習のために利用されることになっているため、外部に漏れるリスクがあります。 そのため、個人情報や企業の機密情報などは入力を避けるほうがよいでしょう。
ただし、ChatGPTの設定変更や法人向けプランを利用するなど、最初から学習させないことも可能です。
まとめ
ChatGPTを活用することで、エクセル関数のエラーを迅速かつ効果的に解消することができます。
ChatGPTによるエラー検出と修正提案を活用することで、エラーの再確認や修正にかかる時間を削減でき、業務効率が向上します。
業務効率化して捻出できた時間を、他の重要な業務に集中することもできるでしょう。一度試してみてはいかがでしょうか?
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