BPO導入時の経理部門での課題、うちにもあるある話 パート1

読了まで約 5

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の相談を受ける際に、経理部門でありがちな現場で課題について今回は見てみたいと思います。

自社の経理部門にも当てはまるケースがあるかもしれませんので、カイゼンして、より良い経理部門作りの参考になれば幸いです。

とにかく変化は嫌い!

新しいことを導入しようとすると、とにかくマイナスポイントやリスクばかりを並べ立てて、新しいことを実践することを差し止める社員の人っていないでしょうか。

たしかに新たな取り組みをするということは、必ずと言ってよいほど新たな作業が発生するので、生みの苦しみを味わわなければならないので、面倒なことではあります。

だからと言って、職位の上の人が「とにかく変化はイヤ!」というタイプであれば、新たな施策というのは取り入れられないですよね。

もちろん職位が下の人が変化を嫌うタイプの場合も、実際に現場が動かないことで、変化に対応しないままとなるので、結果として古いやり方を踏襲することになってしまいます。

このような抵抗勢力が部内にいると経理の流れも新たな時代に適合したものにならなくなってしまいます。

新システム導入は大変だけどメリットも大きい

抵抗勢力がいることで、なかなか進まないことの一つが、経理関係のシステムを入れ替えるというイベントです。

例えば、社内からしかアクセスできないシステムを利用している場合に、クラウド型のシステムに入れ替えることで外部からアクセスができるようになるというメリットが生じることもあります。

また、経費精算を書面で申請・承認している場合に、クラウド型の経費精算システムを導入することで、ペーパーレスで承認や仕訳の入力・チェックをすることが出来たり、電子帳簿保存法に対応していることで、別途紙の保管が不要になったりといった利便性を得ることが可能です。

ただ、新しいシステムを導入するとなるとマスタの設定やユーザーへの説明等、初期段階では面倒な作業がついて回ります。

抵抗勢力の方は、このような初期段階の作業負荷を敬遠して、現状のシステムの良さや新しいシステムのマイナスポイントを強調して、なるべく入れ替えがないようにするものです。

経理BPOの導入は自分の仕事がなくなる不安が先立つか

経理業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を導入しようと考えている会社でも新たな施策に抵抗する人の影響でうまくいかない場面に遭遇することもあります。

BPOを推進しようと考える人は、経理部門のメンバーがより付加価値の高い業務やコア業務に割く時間が増えるように考えて導入を検討している方が多いです。

ただし、実際にBPOされる予定の業務を行っている社員の方で、自分の仕事がとられることに懸念を示して、BPOを導入することにマイナス面を強調する方もいます。

たまに、上層部からの指示で強制的にBPOの導入を進めることにしたものの、引継ぎの際に、BPOされる業務を担当していた社員が外部のBPOベンダーに引継ぎする際に、情報を出さない等して、うまく軌道に乗らないというケースもあります。

これでは、当初の目的は達成できないですね。

目的とゴールを見失わないように社内調整をはかる努力を

せっかく目的をもって実施しようとしたBPOも、現場の抵抗があると予定通りいかず結果としてゴールにたどり着けなくなってしまいます。

このような残念な結果にならないようにするには、プロジェクト発足時の情報共有が非常に大切です。

新しい施策と言っても必ずしもバラ色で、良いこと尽くしではないでしょうし、コストだって一定かかることがほとんどです。

仮に抵抗勢力がいたとしても、会社が何を実現したいのかという目的と、実現した結果どのような状態になっているのかというゴールについて、ディスカッションを重ねることが重要です。

目的とゴールについて認識合わせが出来れば、よほどの偏屈な人でない限りプロジェクトの意思は統一されるでしょうから。

それでも、意見の合致には程遠い場合は、ややハードになりますが、メンバーから外れてもらうという手段もとらざるを得ないかもしれません。

なかなか人が安定しない、魅力ある経理部門作りに向けて

次に、経理部門で相談に来るケースで多いのは、退職者が出て、リソースが不足して困っているケースです。

退職の原因は人それぞれですが、多いのは

    • ・繁忙期が忙しすぎて嫌になるケース

 

    • ・単純作業が多くて嫌になるケース

 

    ・業務内容が変わらず給与水準も上がらないのが原因

といったところでしょうか。

ポストコロナに向けて取り組むべき事項の一つとして、魅力ある経理部門づくりというテーマがあげられると思います。

働く場所の環境という点では、ポストコロナになってもリモートワークを活用していきたいというニーズはあると思います。それを実現するために経理部門の場合は、クラウドシステムを活用によって、外部からのアクセスを容易にするという手法があげられます。

そして、もう一つ重要なのは、紙の書類を前提とするとリモートワークは厳しいので、ペーパーレスを実現する業務の流れを作るというテーマがあります。

そのためには、請求書の発行や経費精算業務を、クラウドシステムを活用して紙の発行を無くしたり、受領した領収書等を電子データとして保存して紙のない世界にする流れを構築する必要があります。

さらに、ルーティーン業務や経理部門にとってのノンコア業務であればBPOをすることで、経理部門の社員にはよりレベルの高い業務に携わってもらって、生産性を上げていく流れを作ることも重要なテーマです。

このように魅力的な部門にしていく努力を積み重ねることで、人の安定する経理部門にすることが可能となるのです。

今回は“経理部門での課題、うちにもあるある話”ということで、抵抗勢力がいるケースや人が安定しないケースについて、対応策を含めて見て参りました。

より良い経理部門を構築していこうと考えている皆様の参考になれば幸いです。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:中尾 篤史(公認会計士/税理士)

CSアカウンティング株式会社 /代表取締役社長 著書に『DX時代の経理部門の働き方改革のススメ』、『瞬殺!法人税申告書の見方』(税務研究会出版局)、 『正確な決算を早くラクに実現する経理の技30』、 『BPOの導入で会社の経理は軽くて強くなる』(共著)、 『対話式で気がついたら決算書が作れるようになる本』(共著)、 『経理・財務お仕事マニュアル入門編』(以上、税務経理協会)、 『たった3つの公式で「決算書」がスッキリわかる』(宝島社)、 『経理・財務スキル検定[FASS]テキスト&問題集』(日本能率協会マネジメントセンター)、 『明快図解 節約法人税のしくみ』(共著、千舷社)など多数。

「マネーフォワード クラウド」のサービス資料