BPOってコストが高いイメージがあるけど、実際どうなの?

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BPOと聞くと一部の大企業だけという印象があるが・・・

企業のバックオフィス業務の一部を外部に委託、いわゆるアウトソーシングすることは、10年以上前から日本の企業においても一般的なものとなってきています。

このようなバックオフィス業務の外部委託をBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と言いますが、このキーワードはビジネスの現場ではかなり浸透してきていると感じます。

ただ、BPOのイメージは大手企業のみが活用する手段であって、中堅・中小規模の会社には縁がないと思われている方が多いと実感しています。

それは、BPOすること自体のコストがかなり高いということが大きな理由の一つであると思われます。

実際、私も比較的規模の小さな企業様から相談を受ける際に、
「うちみたいな小さな規模だとBPOなんて受けてもらえないですよね?」
「値段が一定以上の仕事でないとBPO出来ないですよね?」
といったことを初めに聞かれるケースがあります。

少し踏み込んで聞いてみると、

  • ・大手企業が大量の処理をするものがBPOというイメージ
  • ・大手企業が使う手段なのできっと金額は高いイメージ

というのが背景にあるように感じます。

中規模以下の会社でもうまくBPO活用しているケースも

では、実際BPOが行われているのは、大手企業だけなのかというと、そのようなことはありません。
中規模以下の企業も利用しているケースも多数あります。

最近のトレンドとしては、クラウド型のシステムと組み合わせてBPOサービスを行っている案件が増えているように感じます。

具体的には、

  • ・比較的手頃な値段のクラウド型の会計システムや経費精算システムを導入する
  • ・そのシステムをBPOベンダーに開放する
  • ・BPOベンダーにクラウドシステムを利用して経理業務を実施してもらう

という形態です。

クラウドが普及する前は、クライアントが保有する自社システムをBPOベンダーと共有するにあたりセキュリティ面含めてどのように開放するのかということがネックになったり、インフラの整備に一定のコストが発生していました。

それが、BPO導入の障壁となっていた面もありましたが、クラウド型のシステムであればそのようなインフラを準備する必要がなくなりますので、スムーズにBPOを導入することが可能となりました。

また、中小企業などの場合、会計システムは使っていてもクラウド型でなければ会社のパソコンにしかデータがないため、BPOを始めようとすると会計データ自体をメールで送付して、それをBPOベンダーがデータエントリーをして会社に戻すといったやり方が一つの方法となっていました。ただ、このようなやり方の場合は、データが同期されていないので、一方が作業をしている場合は他方が作業をすることが出来ないといった非効率が生じていました。

この点、クラウド型のシステムであれば、会社側もBPOベンダー側も同時に同じデータにアクセスできるので、情報共有のレベルは格段に上がり、BPOを実施することが容易になっています。

コストはどうなの?

クラウド型のシステムの普及に伴って、BPOの導入が中小企業等でも実施しやすい環境が整ったことはご理解いただけたかと思いますが、コストの方はどうなのだろうという疑問は残ったままです。

まず、クラウド型のシステムを導入しようとした場合のコストですが、様々な機能が充実していながらも基本料金は中堅・中小企業でも手の届く金額設定になっていると思います。今までオンプレミス型のシステムを利用している企業が、コストを考慮しても有益という判断を行って、クラウド型のシステムにスイッチングしている現状を鑑みますとシステム利用のコストは一定程度納得感があるものになっていると推察されます。

続いて、BPOベンダーに経理業務等を行ってもらう場合のコストです。
こちらの方は、提供するベンダーによってコストの考え方は異なるので一概に安いか高いかとは言えませんが、ニーズに応えるためには当然一定安く提供できる仕組みを構築することはBPOベンダーとしても実施しなければならないでしょう。

また、コストだけを下げようと思って、品質がおろそかにしてしまっては、クライアントのニーズに応えることは出来ないので、一定程度の品質を確保することも重要になってきます。

単純業務と判断業務を分担することでコストを抑える

コストを抑えつつ、品質も一定水準にするために、BPOベンダーは業務実施にあたって、手当てする人材を適材適所に振り分けるようにしているケースが多いです。

経理業務の中でも単純な業務については、比較的単価の低いメンバーに実施をしてもらったり、自動化を図ることでコストを抑えるようにします。そして、判断を要する業務については、一定の知見を有する単価の高いメンバーに実施してもらうことで品質が確保できるにします。

このように単価の高い人と低い人を適切に振り分けることで、全体のコストは一定程度抑えることができるのです。
ですから、たとえ高度な業務であったとしてもうまく単価の低いメンバーと組み合わせることで想定よりも低いコストになることはあるのです。

BPOはコストが高いと思って、自分たちには関係のないと思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、クラウド型のシステムの活用とBPOベンダー側での工夫によって、コストは許容できる程度になっているというケースも多いということを知った上で、自社のノンコア業務をBPOするという視点をもってはいかがでしょうか。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:中尾 篤史(公認会計士/税理士)

CSアカウンティング株式会社 /代表取締役社長 著書に『DX時代の経理部門の働き方改革のススメ』、『瞬殺!法人税申告書の見方』(税務研究会出版局)、 『正確な決算を早くラクに実現する経理の技30』、 『BPOの導入で会社の経理は軽くて強くなる』(共著)、 『対話式で気がついたら決算書が作れるようになる本』(共著)、 『経理・財務お仕事マニュアル入門編』(以上、税務経理協会)、 『たった3つの公式で「決算書」がスッキリわかる』(宝島社)、 『経理・財務スキル検定[FASS]テキスト&問題集』(日本能率協会マネジメントセンター)、 『明快図解 節約法人税のしくみ』(共著、千舷社)など多数。

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