【前編】経理部門キーマンが舞台裏を語る!「マネーフォワードが決算業務をリモートワークで完遂できたワケとは?」

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新型コロナウイルスの影響でワークスタイルが見直される中、マネーフォワードはリモートワークを3月2日から推奨、3月26日から原則に切り替えました。3月25日に東京都知事が会見で「新型コロナウイルスの感染爆発の重大局面である」と発表した翌日からは、財務経理本部で決算に携わる7名の社員も、完全リモートワークに移行。年度の第1四半期決算の締め業務と重なるタイミングでしたが、約2週間にわたり完全リモートワークで決算業務を乗り切り、スケジュールに遅れることなく決算発表を実現させました。

その後、6月上旬までリモートワークを継続させ、3月~5月度の月次決算も完了。急な事態に混乱することなく、在宅勤務で決算をやり遂げることができました。この背景には、かねてより取り組んでいた業務改善の蓄積、そしてリモートワークでも業務を滞らせない工夫がありました。

今回、その実践の中身について語るのは、松岡俊・財務経理本部長。大手メーカーで会計・税務業務に従事し、決算早期化、基幹システムプロジェクトに携わってきた経験を活かし、2019年4月にマネーフォワードへ入社後は経理部門を進化させるべく尽力してきました。その松岡がコロナ禍で財務経理本部をどのようにマネジメントしていたのかをお伝えします。

業務の電子化により完全リモートワークが実現

――緊急事態宣言後のリモートワークについて、83%の経理担当者は出社をしているというアンケート調査(MF KESSAI株式会社が実施)があります。そうした中、マネーフォワードの財務経理本部では、メンバー全員がリモートで年度の第1四半期決算を乗り切りました。完全リモート移行の整備に時間的な余裕はあったのでしょうか?

松岡俊・財務経理本部長(以下、松岡):いいえ、検討する時間は実質1日でした。正直に申し上げると、リモートワークに対応する目的で、業務改善に取り組んだことは一度もありません。リモートワーク制度はあったものの、財務経理本部では利用実績はほぼゼロでした。ただ 、約1年かけて業務改善に取り組んできた副産物として、思いのほかスムーズにリモート移行することができました。

――具体的にどのような業務改善に取り組まれてきたのでしょうか?

松岡:たとえば、紙の請求書にハンコを押す社内承認のプロセスや、事前購買で申請番号を書類に手書きするアナログ管理を廃止しました。そうしたフローをマネーフォワード クラウド経費に移行し、承認から銀行口座に支払うまでのプロセスを電子的なシステムで完結できるようにしました。

他にも、マネーフォワード クラウド会計のワークフローや支払い依頼を導入。また、会計データをもとに事業計画や予算管理などを自動化し、企業の経営分析を効率化するクラウドサービス「Manageboard」や、仕訳の承認機能や業務フローに合わせた権限管理など内部統制機能を備えた「マネーフォワード クラウド会計Plus」を2月に導入しました。

――主に、業務の電子化がリモート化にあたっても功を奏したわけですね。

松岡:そうですね、社内の承認プロセスについては、法定的な縛りがあるというよりは、社内の“決めの問題”ですので、迅速に電子化を進めました。また、社外から受領する請求書についても一定の工夫をしました。たとえば、社印が押された紙の請求書でないと経理が受け付けないという社内ルールを設けているケースも多いと思います。しかし、当社においては、そういったものは現場部署に要求せず、逆に取引先には現場経由でPDFなど電子的に発行してもらうようお願いしていました。

以前からの地道な働きかけにより、約8割の取引先からは請求書を電子的にいただけていたので、リモートワークでの決算に取り組めたと思います。また、緊急事態宣言後にも、紙の請求書を発行していた取引先へあらためて依頼してみたところ、何社かはPDFに切り替えていただけたケースもありました。

残りの2割は契約書ベースで費用を見積もり計上して乗り切りました。とはいえ、一部の紙の請求書の対応は解決には至っておらず、誰かが会社に行って請求書のスキャンをして、支払いをしなければいけませんでした。当社の場合は、契約書の押印等で物理出社をしないといけない総務部門の協力を得て、代理で請求書をスキャンしてもらう対応となりました。この課題については今後も考えていかなくてはいけませんが、イレギュラーな相談を快く引き受けてくれた総務のメンバーには本当に感謝しています。

事前に2割まで減らせていたので、なんとかこうした対応が可能になりましたが、100%紙の請求書で受け取っていたら無理だったかなと思います。

――リモートワークを導入しないにしても、業務の効率化と電子化は切り離せなそうですね。

松岡:はい、そう思いますね。電子化のいい面のひとつは、承認プロセスのどこでストップしているのか、データから一目瞭然だということ。紙だと現在の状況が分かりません。データを確認したら、システム経由で半自動的にリマインドをかけることも容易ですから、承認スピードも相当早くなります。

現場の入力作業についても、前月の依頼データをコピーして当月は金額だけ変えることもできるので、導入からしばらく経つと効率が上がってきます。紙の場合は常に手打ちなので、時間短縮が困難でした 。そのため、以前は第7営業日まで処理がずれ込むことも多かったですが、費用処理については電子化により、第4~第5営業日には終わらせることができるようになり、決算日程の短縮にもつながっています。

アフターコロナでも継続したい 情報共有の工夫

――では、リモートワークで決算業務を進めるにあたり、管理はどのように工夫されていたのでしょうか?

松岡:メンバーの誰がどの作業をいつ、どれくらいの時間をかけて行うのかを「Google Spreadsheet」で共有しています。入力事項をリアルタイムで確認できるので、Google Spreadsheetのようなクラウドツールはリモートで有効だと実感しました。ただ、イレギュラー案件については、Google Spreadsheetでは見えにくいことが分かりました。オフィスにいれば口頭でフォローしていた部分も、遠隔だと見落としかねません。

そのマイナス点を払しょくする工夫としては、Chatworkで朝始業時に、各自その日に何をどれくらい時間かけてやるのか、終業時に計画とくらべて実際はどうだったかをチャットで報告することにしました。各々の時間配分を事前に把握することで、明らかに時間が掛かっていることについては、始業前にZoomで会話をしてやり方を変えました。

最初は 、マイクロマネジメントの懸念があったので、上手くいくか心配もありましたが、結果としてとてもよかったと思います。というのも、決算業務で生じる定型業務を見える化したことで、 その都度メンバーにアドバイスができるからです。

――毎日となると大変そうではありますが、適切なタイミングでの情報共有が業務の効率化につながったというわけですね。

松岡:そうですね。始業時に計画して、就業時に振り返るという行為は有益だと感じています。また、始業・終業を宣言することで、リモートでも業務にメリハリがつきます。そのため、ウィズコロナ、アフターコロナのフェーズに移行しても続けたいと思っています。

クラウドシステム導入で監査法人のレビューもリモートで

――また、監査対応はどうされたのでしょうか?会社の決算が締まっても、監査法人がレビュー手続きを終えないと開示はできませんよね。

松岡:オフィスに来てもらわないと会計システムにアクセスできないといった仕組みであれば、レビューをリモートで実施いただくのは難しかったと思います。 各種証憑も電子化されていなければ紙ファイルを見ないといけないので、通常のレビュー 期間中は会議室に籠もっていただくかたちになります。今回は決算発表までに監査法人と1日しか会っていない状態で、3月25日の都知事会見を受けてリモートにせざるを得なくなりました。 これはさすがに、一瞬目の前が真っ暗になりましたね(笑)。

ただ、こちらもなんとかなるという感触はありました。まず、システムへのアクセスに関しては、マネーフォワード クラウド会計と経費で監査用IDを発行し、参照権限を付与することができます。そのため、経理部門、監査法人ともにリモートでシステムにアクセス可能です。また、マネーフォワード クラウド経費は領収書や請求書も取り込んでデータ化しているので、監査法人はリモートで閲覧できます。さらに、「マネーフォワード クラウド会計Plus」で強化された内部統制機能によって、仕訳承認後に変更ができないため、監査法人も安心してデータをレビューできます。

――今後、財務経理本部はリモートワークを継続されるのでしょうか?

松岡:6月8日まではリモート継続で、5月の月次決算もリモートで実施しました。緊急事態宣言の解除後は、一定比率でリモートとオフィスへの出社を配分しながら、三密にならないように調整しています。日々状況が変わってくる部分もあるので、長期的な視点で計画するのは難しい。その都度ベストな方法を考えたいと思っています。

【後編】経理部門キーマンがリモート推進の意義を語る!「経営層への有効な説得方法は?役立つITツールとは?」

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

Bizpedia編集部

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