「普通の人」でいい。業界関係者に聞く「AI時代に生き残る会計士&税理士」

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AIの発展が話題を呼ぶ一方、よくニュースで報じられるのが「AI脅威説」です。多くの仕事が人間からAIに取って代わられ、世界中で「大失業時代」が到来すると耳にしたことがある人も少なくないでしょう。驚くことに、10~20年後になくなると予想される職業には、高度な専門知識が必要な「士業(弁護士、公認会計士、税理士などの専門資格業)」も当てはまるとされています。

これからの時代も活躍できる士業になるにはどうスキルアップすればいいのでしょうか。公認会計士や税理士のキャリア事業に詳しい業界関係者は、意外なことに特別なスキルを持っているよりも「普通の人」であることが求められていると言います。「普通」に隠された意味とは――。

今の時代、生き残れない士業とは

本当に「士業」は消えしまうのでしょうか。オックスフォード大学准教授のマイケル・A・オズボーン氏は、2013年に発表した論文「雇用の未来」の中で、AI技術の普及によって10~20年後になくなる仕事を予想しています。

そこで「簿記、会計、監査の事務員」が言及されたことから、その後、様々なメディアで「会計士や税理士は失業する」と喧伝されるようになりました。AI台頭で持ち上がった危機的状況を業界はどう捉えているのでしょうか。

「気にかけている先生もいらっしゃいますね。ニュースでもネガティブな文脈で語られることが多いので、不安感を掻き立てられていることは否めません」

そう話すのは経理・財務・会計分野に特化した求人マッチングサイトを手掛ける「人材ドラフト」の執行役員・小林孝明さん。2000年7月のサービス開始後、現在は会計事務所を中心に約3,000~4,000社の企業が利用、求人情報を求める会員数は2万名にも達します。


株式会社人材ドラフトの執行役員・小林孝明さん

一般的な会社員にとっては縁遠いかもしれませんが、「人材ドラフト」は会計士や税理士の間では定番の求人サイトです。士業事務所向けのコンサルティングを手掛けるアックスコンサルティングが2018年5月に発表した調査によると、500の会計事務所が人材採用のために利用しているのは1位「ハローワーク(24%)」に次ぎ、2位に「人材ドラフト(11%)」がランクインしました。


※アックスコンサルティングのプレスリリースより引用

業界事情に詳しい小林さんは、AIの脅威にさらされている会計士・税理士の転職市場をどう見ているのでしょうか。

「実は求人数は増えています。会計士や税理士の試験受験者数は減少傾向にあるため、新規参入者が少なく人材不足が続いているのです。

AIにより『食えない職業』になると言われていますが、ポイントは別のところにあると思っています。

税理士は平成13年(2001年)に税理士法が改正されるまで、また会計士は平成15年(2003年)に公認会計士法が改正されるまで、広告規制があったため営業活動を認められていませんでした。なので、クライアントからの仕事の依頼を待っていたんです。そうすると受け身仕事、こなし作業になってしまう。

今の時代、間違いなくそれだけでは生き残れないという話だと思うんですよね」(小林さん、以下同)

ニーズが高いのは「普通の人」!?

かつては殿様商売だった「先生業」。広告規制の緩和から事務所同士の競争が激化したこともあり、これまでは不要だった営業力もこれからは必須になると小林さんは指摘します。

「クライアントにとって何がベストな提案か、深く細かく考えてアドバイスするのがどの業界でもごくごく一般的な対応だと思いますが、会計・税務業界ではそれを実行できていませんでした。

とくにこういった営業やコンサルといった業務は苦手な先生が多いです。営業が嫌だから、『それだけできれば大丈夫』と歓迎された専門職を選んだ先生も多いことでしょう。

最近では先生も営業マインドを持つ風潮になっているので、やっと一般的な事業会社のやり方に近づいて来ているところが多くなってきました」

営業力以外にも、これからの時代を生き抜く上で大事な要素があると言います。どんな高度なスキルかと思いきや、意外にも「コミュニケーション力」を身に着けることが最も重要だそうです。

「先ほどの説明とも重複しますが、この業界は人と接するのが苦手な方が多いです。しかし、そんなことを言っていては仕事にならないので、きちんと対人関係を築けること、コミュニケーションを取れることはとても大切です。当たり前といえば当たり前ですが、これまでは当たり前ではなかった業界なので」

現在、求人を掲載している企業からは「普通の人」にニーズがあると言います。

「クライアントからは、常識とマナーがある普通の人であればいいとよく言われます。特別なスキルを身に着けることも大切ですが、まずはどんな職業でも同じように人となりがしっかりしていることが何よりも大切です」

また、数年の経験があり即戦力として顧客を任せられる人材は需要がさらに高くなります。第二新卒でも2~3年の経験があれば市場価値は高まるのだそうです。

AI時代に備えるスキルアップの第一歩

「人材ドラフト」も時勢の変化とともにサービスの幅を広げています。今後は、人生100年時代に長く働きたいシニア層をターゲットにしたサービスにも注力していきます。

また、ベンチャー企業と手を組む新事業にも積極的です。7月には、マネーフォワードと協業し、会計業界を目指す志望者向けに「マネーフォワード クラウドマイスター検定」を共同で実施すると発表しました。

マネーフォワード クラウドマイスター検定とは、企業におけるバックオフィスの業務課題に対し、ITツールを使った解決策を提案する特別講座です。計3時間の講座で、マネーフォワード クラウド会計の基本から実践的な使い方まで幅広く学ぶことができます。「人材ドラフト」に登録するとこの検定を無料で受けられるようになるという取り組みですが、協業の狙いには何があるのでしょうか。

「私たちとしては『人材ドラフト』の登録者に検定取得者が増えれば、勉強熱心でスキル向上に積極的な人材がいるとクライアントにアピールできるようになります。

また、今は転職を考えていない人でも、その検定だけは受けてみたいという人が登録してくれたら、先々転職しようと思った時に『人材ドラフト』を利用してもらえる可能性が高まりますよね。そういった潜在層の取り込みが狙いとしてあります。

とはいえ、講座を受けると知識も得られますし、無料なので、AI時代に備えてスキルを身に着けたいという方にはその第一歩として活用してもらえたら嬉しいですね」

受講後は、「人材ドラフト」のサイト内で、クラウド会計の知識がある人材を採用したい会計事務所からスカウトメールが届く可能性が高まるなどの特典があります。

AI時代でも活躍できるか気がかりな会計士・税理士の方は、少しずつ不安を解消する手としてマネーフォワード クラウドマイスター検定を受けてみるのは有効かもしれません。

「マネーフォワード クラウドマイスター検定」受講無料

マネーフォワード クラウドマイスター検定は以下の日程で開催します。ご興味のある方はぜひご参加ください。

【開催日】
■東京
9月12日(水) リロの会議室K
10月17日(水) マネーフォワード セミナールーム
■大阪
9月26日(水) アットビジネスセンター大阪梅田902
10月31日(水) アットビジネスセンター大阪梅田902

※いずれも17時00分~20時00分

【受講料】
「人材ドラフト登録会員」の方は無料!
※開催日時や会場などの詳細については、マネーフォワード クラウドマイスター検定の申し込みページにてご確認ください。

【詳しくはこちら】
人材ドラフト「マネーフォワード クラウドマイスター検定」紹介ページ
https://www.jinzai-draft.com/lp_times2018/

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

Bizpedia編集部

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