フリーランスは、お金の話を初回のミーティングでするべし。

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フリーランスになって、最も多いトラブルの一つは金銭にまつわることではないでしょうか。

・不払い
・納品後の値切り
・際限のない追加要求

残念ながら、こういったことを平然と要求する「悪い顧客」がいるのは事実です。

それでもフリーランスは「ヒマよりマシ」、あるいは「次があるかわからない」という理由で、金銭の決め事を後回しにしてしまいがちです。しかし、これはフリーランスの方にとって自殺行為です。

フリーランスの方は、「初回のミーティングで、お金を話をするべき」なのです。

お金を払わない=客ではない

当たり前の話ですが、本質的にはお金を払ってくれる方以外は、顧客ではありません。いかに大きな仕事や高単価をチラつかせようが、大企業であろうが、「お金を払ってもらって」ようやく顧客です。

企業に勤めていた頃は、「お金を払わない方」を顧客として扱っていた方もいるでしょう。見積もりを要求するだけの方、「ちょっと話を聞きたいだけ」の方、提案書を書かせて発注はしてこない方、そういった方々も企業に勤めていた頃は「見込み顧客」ということで、丁寧に相手をしていたことと思います。

ですが、フリーランスはちがいます。そう言った方々を相手にしているかぎり、いつまでたっても苦しい状態から抜け出すことはできません。フリーランスは、自分自身の時間の1分1秒が、お金と同じ重みを持つのです。

私はコンサルタント時代、上司からよく「自分の店の野菜を食うな」と言われました。つまり、自分の時間を浪費することは、唯一の売り物を自分自身で食べてしまい、やがて破滅が待っている、ということを示します。フリーランスは全くこれと同じです。

つまり、フリーランスは対価の発生しない仕事をすればするほど、他の仕事や営業をする時間を失い、顧客を失うことになります。そのためには相当シビアに時間を管理することをおこなわねばなりません。ほとんどの場合、苦しいフリーランスの方は対価が発生しないか、低い単価の仕事ばかりを受けています。目の前の方に、「その作業は、お金を払って下さい」と言える自信が、次の仕事を呼び込むのです。

初回のミーティングでお金の話をする理由

したがって、初回のミーティングでは、お金の話をしなければなりません。フリーランスと顧客の関係はお金から始まるのです。

その際には、以下のような話の流れになります。

良い顧客は、金額と仕事の範囲を決めてから仕事を出す

良い顧客の要求は、仕事の範囲を提示し、その範囲について金額を提示します。これは、フリーランスのためなどという話ではなく、仕事の範囲を明示しなければ予算をつけることができないからです。

また、コンプライアンス上、下請法では「取引内容に関する具体的記載事項を全て記載した書面」を交付しなければならないとしており、しっかりとした会社であれば必ず書面にて指示をもらうことができます。

良い顧客は、予算を提示する。

その上で、単価が折り合わないケースが発生すれば、良い顧客は「予算」を提示します。「うちはこのくらいでお願いしたいと思っているんですが…」と言った具合です。フリーランスの方はそれに対して「受けない」か「受ける」の選択肢がありますが、受ける場合であっても、条件を付ける場合がほとんどでしょう。例えば仕様を減らす、サポートをなくす、支払いを早めてもらう、などこちらから幾つかの条件をつければ、こちらも納得感の有る取引ができるはずです。恐れず、堂々と交渉しましょう。

発注者側とすれば、何でも「はい」という人よりも、いろいろと条件をつけてくる人のほうがかえって「真剣に考えている」と使いやすい時もあるのです。

良い顧客は、契約書を交わす

さらに、交渉内容は全て「契約書」の書面としましょう。契約書の作成に応じない会社はほとんどありません。応じない会社は怪しいと思って構わないでしょう。また、できれば向こうから契約書をもらうのではなく、こちらで契約書のドラフトを用意しておき、向こうに見てもらいましょう。どうしても先方の契約書を使わなければならない時は、こちらの用意した契約書のドラフトと照らしあわせ、不利な条件で仕事をせずに済むようにしましょう。

良い顧客は、何度も人を呼び出さない

こういった交渉の場は、何度も持つものではありません。できれば最初の1回、多くても2回程度にとどめて置かなければ、あなたの貴重な時間はどんどん失われます。したがって、「最初にお金の話をする」のは、極めて重要なのです。良い顧客は、あなたの時間がとても貴重であると知っています。

まとめ

いかがでしょうか。最初にお金の話をすることは、フリーランスの方々にとって重要な問題を解決することにつながります。また、フリーランスが買い叩かれることを防げば、あなたの仲間たちにも良い影響があるでしょう。堂々と、自信を持って交渉すれば、良い顧客があなたのところに残ります。

健闘を祈ります。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:安達 裕哉 (コンサルタント / ライター)

1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。現在はコンサルティング行う傍ら、学習塾の経営を行い、人材育成に注力している。



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