フリーランスがサービスの値決めをするとき、注意すべきポイント6つ

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こんにちは。安達です。前回、多くのフリーランスの方々が悩んでいらっしゃる、「単価」の記事を書いた所、「そもそも、値引きの話以前に、単価を決めていない」という方も結構いらっしゃいました。

どうやら、「いくらでやってくれる?」という見積依頼に対して、「適正な価格」がわからなかったり、相手の言い値でやってしまったりする方もかなりいらっしゃるようです。

実際、フリーランスの最初の障害は、「値決め」という方も多いと思いでしょう。そこで今回は、「値決め」について、書いてみたいと思います。

値決めに関しては、多くの方が様々な見解を述べていますが、有名なのは稲盛氏でしょう。京セラ創業者の稲盛和夫氏は、「値決めは経営」と言い切ります

私は「値決めは経営だ」ということを言っています。

値決めにあたっては、市場で競争するのですから、市場価格より若干安いという価格になるはずです。市場価格より大きく下げて利幅を少なくして大量に売るのか、それとも市場価格よりあまり下げないで利幅を多くして少量を売るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあるはずです。

つまり、量と利幅との積の極大値を求めるわけですが、これには様々なファクターが入り、簡単に解くことはできないのです。どれほどの利幅をとったときに、どれだけの量が売れるのかを予想するのは、非常に難しいのです。この値決めは、経営を大きく左右するだけに、私はトップが行うべきものと考えています。

そうすると、どの値をとるかということは、トップが持っている哲学に起因してきます。強引な人は、強引なところで値段を決めるし、気の弱い人は気の弱いところで値段を決めるのです。

もし値決めによって会社の業績が悪くなるとすれば、それは経営者の器の問題であり、心の問題であり、経営者の持つ貧困な哲学のなせる業だと私は思います。
(引用:稲盛和夫オフィシャルサイト)

値決めは経営ということは、決して価格を適当に決めてはいけないし、「相場」は参考にはするが、流されてはいけない、ということです。自身の商売を左右するものだけに、真剣に取り組まなければなりません。

「自分で自分の価格を決める」ということから、フリーランスが始まると言っても良いのです。逆に考えれば、「自分で価格をつけることができる」ということこそが、「独立した」ということの証です。

フリーランスが値決めするとき、注意すべきポイント6つ

では、どのように値決めすればよいのでしょう。以下にいくつかのポイントを挙げたいと思います。

1.自分の時間単価から設定

もっとも簡単なのが、自分自身の売上の目標値から時間単価を求め、作業時間の見積から価格を設定することです。以下の記事によれば、サラリーマン並みに稼ごうとすれば、時間単価5,000円程度は必要です。

フリーランスが損をしないような価格設定をするために必要なこと

つまり、サラリーマンと同程度に稼ごうとすると、時給5000円以上をめざさなくちゃならない。年金などの社会保険料も自分で払っていくわけだから。特に結婚して子どもを育てていくことを考えれば、この程度の収入は必要だろう
(引用:シゴタノ)

もちろん、これは「最低ライン」であり、仕事の難易度や顧客との関係、そして自分の目標によって単価設定は変わります。

2.最初は出来るだけ、相手に予算を聞く。

相手に予算を尋ねないフリーランスの方も多いようですが、予算を教えていただける顧客担当者の方もたくさんいます。ですので、思い切って相手に予算を聞いてしまいましょう。営業をやっていたことのある人は「予算を聞くのは当たり前」と思うかもしれませんが、とかく技術畑出身の方は「お金の話をしたくない」と言って、予算の話を避ける傾向にあるようです。

ですが、予算を聞かずに話を進めた結果、「お金で折り合わなかった」では、双方に大変な時間の無駄が生じます。値決めが苦手な方は、まずは予算を聞くことから始め、次にその予算をベースにして値決めすると良いと思います。

3.価格を提示する時は、出来るだけメールだけではなく相手に会いに行く

メールだけで価格を提示すると、相見積もりをとっている顧客に「単に数字で比較」されてしまいます。これではどうしても単価は抑えがちになってしまいます。単に数字で比較されないため、もっとも簡単にプラスアルファを提供できるのは、「安心感」です。

お金の話をするときにはできるだけ会いに行くことにより、「多少高いけど、信用できる方に仕事を依頼しよう」と考える顧客は多いです。特に、クラウドソーシングなどで発注をして痛い目にあっている顧客は、「安心感」にはそれなりにお金を払います。

4.高めの価格にすると仕事がくる

安かろう、悪かろう、という言葉がありますが、高めの価格に設定することで逆に仕事が取れる、と言うケースもよくあります。そもそも人は、高いものを良いものだ、安いものを悪いものだ、と思い込みがちですから、安易に価格を低くしてはいけません。逆に「その程度の人」と思われてしまいます。

特に、クラウドソーシングが大変盛り上がっているようですが、必ずクラウドソーシングよりは価格を高くするようにしましょう。そもそも先に相手はクラウドソーシングの相場を調べて知っているはずです。逆説的ですが、それより高いからこそ、安心して発注する顧客も多いのです。

5.値決めは、マーケティングと表裏一体

今日明日の仕事に困っている場合、あなたに価格交渉力はありません。「目の前の仕事を取らなければ路頭に迷う」と言う場合は、目の前の仕事を黙ってやる以外の選択肢はないのです。したがって、「値決め」と、引き合いをもらうための「マーケティング」は、表裏一体、両者がなければ意味が無いのです。

仕事が潤沢に存在し、「そんな安い価格ではやれません」といえることが、高単価の仕事を呼びこむ効果的な一言であり、堂々と相手の予算を聞き、交渉できる条件です。結局のところ、「値決め」=「マーケティング」=「経営」なのです。

6.作業記録をつける。

作業時間の測定を、タスク管理ソフトやスケジュール管理ソフトなどで記録し、行う必要があります。実際、作業時間を精緻に測定できれば、単価設定の精度が格段に上がります。フリーランスにとってもっとも貴重な経営資源は、「あなたの時間」なのですから、それを管理しないということは、経営をしていないということに等しいでしょう。値決めは、作業記録から、ということです。

まとめ

いかがでしょうか。値決めはなれないうちは迷ったり、失敗したりすることも多いでしょう。しかし、繰り返しになりますが、「自分で価格をつけることができる」ということこそが、「独立した」ということの証です。頑張ってください。

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:安達 裕哉 (コンサルタント / ライター)

1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。現在はコンサルティング行う傍ら、学習塾の経営を行い、人材育成に注力している。

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