フリーランスが仕事の単価を高く保つべき理由

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フリーランスの方々のよくある悩みとして、「安い仕事ばかりで、全く儲からない」ということがあります。なぜなら、企業がフリーランスの方への依頼をする時、その理由は2つしかないからです。

1.安くやって貰えそうな気がする
2.その人に頼みたい理由がある。

そして、2.のように「指名」で仕事が来る人は有名人、もしくは付き合いの長い信頼のあるところからだけであり、新規の取引の場合はほぼ、1.の理由で仕事が来ます。

「企業に頼むよりも、フリーランスにやってもらったほうが安上がりかもしれない」
「見積もりをとったが、いずれの企業も予算をオーバーしていたので、フリーランスを検討した」
「企業と違って、ムリを言っても聞いてくれそう」

そういった理由で、企業はフリーランスに仕事を依頼します。

ですから、フリーランスには何も考えなければ基本的に「安い仕事」が来るのです。しかし、一度取引をしてしまえば信頼を得ることができ、徐々に高単価の仕事もくれるかもしれない…。いろいろな仕事引き受ければ、そのうち名前が売れて、指名が来るかもしれない…。フリーランスの方はそれを期待して、「最初は安くても…」と思い、無理して仕事を受けるのです。

ですが、現場の話を聞くと、「ずっと付き合っていても安い仕事ばかり」であったり、「価格交渉できない」であったりと、なかなか思惑通りに行かないのが現実です。なぜ、思惑と異なった事態になってしまうのでしょうか。

フリーランスが仕事の単価を高く保つべき理由

その事態の大きな原因の一つが、「単価設定」です。仕事の単価は、「儲かる」「儲からない」に非常に大きな影響があります。そして、安い仕事ばかり、という事態はこの単価設定に失敗しているケースが多いのです。

「単価設定に失敗」とは、一体、どういうことでしょうか。

例えば、webサイトの制作の依頼を受け、見積もったとします。乱暴に「サイト一式」と言った書き方をするケースも有りますが、最近は少ないでしょう。現実には見積は、各作業の工数と、作業単価の掛け算によって算出される事が多いと思います。

単純化して書けば、1ページあたり2万円×20ページ=40万円 と言った具合です。さらに、「デザイン料」は1人日あたり3万円×5日間「テスト・修正」は1人日あたり3万円×2日間といった、単価×期間 という見積形式も多いでしょう。

この他に、プログラムのステップ数や本数などで見積もりを出すケースもあると思いますが、いずれにしろ「作業単価」を設定することには変わりありません。この例はたまたまITですが、他の業界のフリーランスの方でも原稿1000文字あたりいくら、イラスト一枚あたりいくらと、単価があることは、同じです。

そして、この見積を顧客に提出したとします。するとお客さんは、2万円×20ページ=40万円 という見積を見て、「40万だとちょっと高いから、1ページあたり1万5千円でやってよ。」と言うでしょう。つまり、30万円でやってくれ、というわけです。

あなたは30万円でも利益が出ることを知っています。そして、新規のお客さん開拓につながるので、この仕事をとても欲しいと思っています。そこであなたは、「わかりました」と言って、見積を1.5万円×20ページ=30万円 と言う形で出し直すでしょう。

でも、これが悲劇の始まりなのです。フリーランスは、単価を下げてはいけません。単価を下げた見積は、自分の首を絞めます。

正しくは、

2万円×20ページ=40万円  特別調整額 マイナス10万円 合計30万円

と書かなければいけません。

なぜでしょうか。これには大きく3つの理由があります。

1.単価を下げると、次の仕事もその単価でやらざるを得ないケースが多い。

最も大きな理由として、単価を下げると、「それが普通」となってしまうことです。安くやるにしても、毎回「特別値引きです」と言い、相手に交渉させることが重要です。単価を上げるには、「今回は値引きなしで…」と相手に交渉するのが一番早いのです。

2.違う会社の紹介を受けた時も、その単価でやらざるを得ない。

もしお客様が仕事に満足して下さり、他の会社を紹介していただいたとします。当然紹介先は、「うちも同じ単価でやってよ」と言うでしょう。もしその会社だけに高単価の見積もりを出したら、お客様が怒るのは目に見えています。

3.フリーランス同士でダンピングになってしまう。

相見積もりをする会社にも、あなたが認めた単価を要求し、結果として「フリーランス同士の叩き合い」となってしまいます。すると、業界全体の単価が落ちてしまうのです。

以上のことから、あくまで値引きは、「特別調整ですよ」という言い方が必要です。結局のところ、フリーランスは「この仕事の質がよければ、高単価でもう一度交渉ができる」という切り札を残しておかなければならないのです。

まとめ

下手に企業に依頼するよりも、知り合いのフリーランスに頼むほうがよっぽど良い、と言う人はたくさんいます。でも、「単価設定の失敗」はフリーランスの人々の生活を破壊します。長期的に見れば、それはユーザーにとっても不利益です。フリーランスの方々が「単価設定を下げないように」仕事をすることで、はじめて、フリーランスと企業、Win-Winの関係と言えるでしょう。

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※掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:安達 裕哉 (コンサルタント / ライター)

1975年、東京都生まれ。Deloitteにて12年間コンサルティングに従事。マネジメント、IT、人事コンサルタント。現在はコンサルティング行う傍ら、学習塾の経営を行い、人材育成に注力している。



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