- 作成日 : 2025年11月13日
GitHub Copilot Chatの使い方とは?表示されない時の対処法から料金まで解説
GitHub Copilot Chatは、コーディング作業に特化した対話型のAIアシスタントです。普段お使いの開発エディタ(IDE)内で直接AIに質問し、コードの説明や修正、テスト作成などを依頼することで、開発の生産性を飛躍的に向上させます。
この記事では、GitHub Copilot Chatの基本的な使い方から、料金体系、そして多くの開発者が直面する「チャット画面が表示されない」といった場合の具体的な対処法まで分かりやすく解説します。
目次
そもそもGitHub Copilot Chatとは何か?
お使いの開発環境であるVSCode(Visual Studio Code)などに統合され、コーディングに関する質問や依頼をチャット形式で行える、GitHub Copilotの対話機能です。
コードを書き始めると次の行を予測して灰色で表示してくれる、通常のコード補完(インライン候補)機能とは異なり、Copilot Chatでは、開発者が能動的に「このコードを説明して」「バグを修正して」とAIに依頼し、対話形式で答えを得ることができます。
通常のコード補完(インライン候補)との違い
- インライン候補:
AIが文脈を読んで「次に来るコード」を予測・提案する受け身の機能。 - Copilot Chat:
開発者が「このコードを説明して」「バグを修正して」と能動的にAIに依頼し、対話形式で答えを得る機能。
Copilot Chatは、開発者にとって「いつでも相談できる、非常に知識豊富な同僚」のような存在といえるでしょう。
GitHub Copilot Chatの料金は?
GitHub Copilot Chatを利用するためには、GitHub Copilotライセンスへの登録が必要ですが、Freeプランであれば料金はかかりません。このチャット機能は、GitHub Copilotのライセンス(Free, Pro, Pro+, Business, Enterpriseなど)に含まれる機能の一つとして提供されているからです。
そのため、GitHub Copilotライセンスに登録していれば、誰でもCopilot Chatの機能を利用できます。別途、Chat機能のためだけにライセンスを購入する必要はありません。ただし、Freeプランでは月あたりのチャット利用回数が50件に制限されており、Pro/Pro+ではより多くのリクエスト枠が与えられるなど、プランごとに利用制限やアクセス可能なモデルが異なります。
GitHub Copilot Chatの始め方と使い方(VSCode編)
VSCodeにGitHub Copilotの拡張機能をインストール・認証後、アクティビティバーのアイコンまたはショートカットキーでチャット画面を開き、質問を入力することで利用を開始します。
STEP1:前提条件とインストール
- 有効なGitHub Copilotライセンス: 個人プラン(Free/Pro/Pro+など)または法人プラン(Business/Enterprise)などに登録している必要があります。
- 最新版のVSCode: VSCodeが最新バージョンにアップデートされていることを確認します。
- 拡張機能のインストール: VSCodeの拡張機能マーケットプレイスで「GitHub Copilot」を検索し、公式の拡張機能をインストールします。インストール後、画面の指示に従い、ご自身のGitHubアカウントで認証(ログイン)を完了させます。
STEP2:チャット画面を開く方法
チャット画面を開くには、主に2つの方法があります。
- アクティビティバーから開く:
VSCodeの画面上部のタイトルバー右端(または左端にあるアクティビティバー)から、GitHub Copilotのチャットアイコン(吹き出しのようなマーク)をクリックします。 - ショートカットキーで開く:
Ctrl + Alt + I (Windows)または Command + I (Mac)のショートカットキーを押すことで、チャット画面を素早く開くことができます。なお、ショートカットキーは設定によって異なる場合がありますので、環境によっては「キーボードショートカット」の設定画面で確認が必要です。
STEP3:基本的な使い方
- 一般的な質問:
チャット入力欄に、「PythonでAPIを呼び出す方法を教えて」といった一般的な技術に関する質問を日本語で入力します。 - 選択したコードについて質問:
エディタで特定のコードブロックを選択した状態でチャット画面を開き、「このコードの問題点を指摘して」や「この関数をリファクタリングして」と依頼します。 - プロジェクト全体について質問:
チャット入力欄で @workspace と入力してから質問を続けると、現在開いているプロジェクト(ワークスペース)全体を文脈として、AIが回答してくれます。(例: @workspace このプロジェクトで使われているAPIのエンドポイントを一覧化して) - スラッシュコマンドの活用:
/explain (選択範囲のコードを説明)、/tests (選択範囲のテストコードを生成)といった便利なコマンドも用意されています。
「表示されない」「使えない」場合の主な原因と対処法
GitHub Copilot Chatのアイコンが表示されない、または機能が使えない場合、いくつかの原因が考えられます。
- 原因①:GitHub Copilotのライセンスが有効でない
最も多い原因です。GitHubの公式サイトで、ご自身のアカウントのCopilotサブスクリプションが有効になっているかを確認してください。 - 原因②:拡張機能やVSCodeのバージョンが古い
VSCode本体と、「GitHub Copilot」関連の拡張機能が最新版でないと、Chat機能が正常に動作しないことがあります。拡張機能の管理画面から、すべてを最新版にアップデートしてみてください。 - 原因③:GitHubアカウントにログインしていない
VSCodeの右下に表示されるアカウントアイコンを確認し、GitHubアカウントからサインアウトしている場合は、再度ログインしてください。 - 原因④:他の拡張機能との競合
まれに、他のAI関連の拡張機能などがCopilot Chatの動作を妨げていることがあります。他の拡張機能を一時的に無効にして、問題が解決するかを確認してみましょう。 - 原因⑤:ネットワークやファイアウォールの問題
社内のネットワーク環境などで、セキュリティポリシーによりGitHubのサーバーへのアクセスがブロックされている可能性もあります。 - 原因⑥:組織/チーム契約・管理者設定
組織アカウント(Business/Enterprise)で利用している場合、管理者がCopilot Chatを有効にしていない、チャット利用の座席(シート)ライセンスが付与されていない、あるいはプランのチャット上限に達している可能性があります。公式でも、管理者が設定を有効にする必要があると記載されています。 - 原因⑦:チャットの利用制限(メッセージ数/モデルアクセス)に達している
無料プランや下位プランでは「月あたり◯件まで」といったプレミアムリクエスト数の上限が設定されています。利用回数が上限に達しているとチャットが利用できない場合があります。
ビジネス開発での具体的な活用事例
コードのデバッグ、仕様書やコメントの自動生成、新しい技術の学習など、開発プロセスのあらゆる場面で生産性を向上させます。
- 複雑なコードの解説(コードリーディング):
他人が書いた、あるいは過去に自分が書いた複雑なコードを選択し、「このコードの処理の流れをステップごとに説明して」と依頼することで、コードの読解にかかる時間を大幅に短縮できます。 - バグの原因特定と修正案の提示(デバッグ):
エラーが発生しているコードをAIに見せ、「このコードのバグの原因は何?修正案を提示して」と質問することで、問題解決のヒントを得られます。 - ユニットテストの自動生成:
テストを書きたい関数を選択し、「この関数のユニットテストを作成して」と依頼するだけで、テストコードの雛形を瞬時に生成できます。 - ドキュメントやコメントの作成:
コードを選択し、「この関数の仕様をドキュメント形式でまとめて」「コードの各行にコメントを日本語で追加して」といった依頼で、面倒なドキュメント作成作業を効率化します。
開発者のための「賢い相談相手」
本記事では、GitHub Copilot Chatの基本的な使い方から、表示されない場合の対処法までを解説しました。
Copilot Chatは、単なるコード補完ツールを超え、開発者にとって「いつでも気軽に相談できる、非常に賢い同僚」のような存在です。コードを書く時間だけでなく、コードを読んで理解する時間や、バグの原因を探す時間をも短縮し、開発プロセス全体の生産性を高めてくれます。
GitHub Copilotを契約している方は、ぜひこの強力な対話機能を日々の開発作業に活用し、その効果を体験してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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