• 作成日 : 2025年11月25日

ChatGPTに課金するならどのプランがよい？金額と機能の差を解説

ChatGPTは、個人の生産性向上から社内システムへの組み込みまで幅広く活用できる一方で、プランや課金方法が多く、どれを選ぶべきか迷いやすいサービスです。

この記事では、ChatGPTの月額課金プランのそれぞれの違いに加えて、API料金との違い、および課金前の判断基準、Web・モバイル別の購入や解約の流れを解説します。情報システム部門や企画・広報、現場リーダーが、ムダなコストを抑えつつ安全に導入を進めるための考え方を載せているので、ぜひ参考にしてください。

ChatGPTの課金プラン

ChatGPTの課金プランは、個人向けの「Free」「Plus」「Pro」と、法人向けの「Business」「Enterprise」の5種類に分かれます。

（出典：ChatGPT「料金」）

中小～大企業での検証段階ではFreeやPlusが使いやすく、本格導入を見据える場合はBusinessやEnterpriseが候補になります。まずは各プランの位置づけと機能差を整理しておくと、自社の利用目的に合うレベルを判断しやすくなります。

Freeの制限

Freeプランは、GPT-5による高度な推論を無料で試せる一方で、メッセージ数やアップロード量などに制限が設けられているプランです。

主な特徴は、日常的な質問や簡単な文章作成には十分な性能を備えつつ、メッセージやファイルアップロード、画像生成、deep research、メモリ・コンテキストの上限が低めに設定されている点です。業務で長時間使うと、上限到達による利用制限が発生しやすくなります。

そのため、Freeは「まずChatGPTの使い勝手を知りたい」「一部メンバーだけが軽く検証したい」といった用途に適しています。反対に、会議資料の下書きやコードレビューなどを日常的に任せたい場合や、複雑なリサーチを頻繁に行いたい場合には、上位プランへの移行を検討したほうが現実的です。

Plusの価格と機能

Plusプランは、1ユーザーあたり月額$20でFreeよりも多くの高度なインテリジェンスにアクセスできる、個人利用向けのスタンダードプランです。

Freeの機能に加えて、GPT-5による高度な推論の利用枠が広がり、メッセージ数やファイルアップロード数、画像生成回数が拡張されます。deep researchとエージェントモードの利用範囲も増え、メモリとコンテキストの上限も拡大するため、長めの議事録や仕様書ドラフトの作成にも使いやすくなります。

さらに、プロジェクト・タスク・カスタムGPT、Sora 1による動画生成への限定アクセス、Codexエージェントなども利用対象です。個人の情報システム担当者や現場リーダーが、自身の業務効率化やPoC用途で使うには十分な構成であり、組織全体導入の前段階としての検証にも適しています。ただし、組織向けの管理機能は備えていない点には注意が必要です。

Proの価格と機能

Proプランは、月額$200でChatGPTの最高機能をフルに利用できる、ヘビーユーザー向けの個人プランです。

Plusの全機能に加えて、GPT-5 Proによる強化された推論機能が利用でき、メッセージ数やアップロード数、画像生成は実質無制限となります。deep researchやエージェントモード、メモリとコンテキストの上限も最大化されるため、長大な仕様書や大量のログ解析、複雑なリサーチ業務を日常的に任せたい場合に向いています。

また、プロジェクトやカスタムGPTの利用枠が拡大し、Sora 1の動画生成アクセスも強化され、Codexエージェントも拡張されます。さらに、新機能のリサーチプレビューへの早期アクセスが付与されるため、先進機能をいち早く検証したいIT部門やAI推進チームに適したプランです。ただし、あくまで「個人契約」であり、組織としてのSSOや監査ログなどは含まれない点はBusinessとの大きな違いです。

Businessの価格と機能

Businessプランは、スタートアップ企業や成長中の企業に向けて、最低2ユーザーから安全な共同作業用ワークスペースを提供するプランで、年額契約の場合は1ユーザーあたり月額$25で利用できます。

Plusの全機能に加え、GPT-5メッセージを事実上無制限に利用でき、GPT-5 ThinkingやGPT-5 Proへのアクセスも行えます。さらに、Slack、Googleドライブ、SharePoint、GitHubなどと接続して社内ナレッジを参照する「社内知識」機能を使うことで、自社の文書やコードを踏まえた応答を得られます。

セキュリティ面では、SAML SSOやMFA、管理者コントロールを備えた専用ワークスペースが提供され、保存時と転送中の暗号化、ビジネスデータを学習に用いないデフォルト設定、各種認証（CSA STAR、SOC 2 Type 2、ISO/IEC 27001など）にも対応しているため安心です。加えて、データ分析機能や記録モード、canvas、共有プロジェクトやカスタムワークスペースGPTなど、チームで業務プロセスに組み込む上で便利な機能群が含まれており、「部門単位で本格導入したい」企業にとって現実的な選択肢となります。

Enterpriseの価格と機能

Enterpriseプランは、エンタープライズグレードのAI・セキュリティ・サポートを必要とする大規模組織向けで、料金は営業問い合わせベースのカスタム見積もりとなります。

Businessのすべての機能に加えて、より長い入力や大型ファイルを扱える拡張コンテキストウィンドウ、SCIMやエンタープライズキー管理（EKM）、ユーザー分析、ドメイン認証、ロールベースアクセス制御など、企業システムとの統合と統制に必要な機能が備わります。

さらに、カスタムデータ保持ポリシーや高度なデータプライバシー設定、年中無休の優先サポート、SLA、カスタム契約条件、AIアドバイザーへのアクセス、請求書払い・ボリュームディスカウントなども提供されます。グローバル展開する企業や、厳格なコンプライアンス要件を満たす必要がある業界では、Enterpriseをベースに自社ポリシーに合わせた運用設計を行うケースが多くなります。

ChatGPTのサブスクとAPI料金の違い

ChatGPTの料金は「サブスク（ChatGPTアプリ／Web版）」と「API（開発者向け）」で仕組みがまったく異なります。前者はユーザー単位の月額課金、後者はトークンベースの従量課金です。

（出典：OpenAI「APIプラットフォーム」）

サブスクはFree／Plus／Pro／Business／Enterpriseなどのプランごとに月額料金が決まっており、その範囲でメッセージ数や機能が利用できます。一方、APIはGPT-5.1やGPT-5 miniといったモデルごとに「入力1Mトークンあたり$○」「出力1Mトークンあたり$○」という単価が設定され、使った分だけ課金されます。

システム部門の視点では、「人が直接触る業務ツールとしてサブスクを使うか」「自社サービスや社内システムに組み込むためにAPIを使うか」で役割を切り分けて検討すると整理しやすくなるでしょう。

請求形態（定額/従量）の違い

サブスクは「ユーザー数×月額料金」で予算を組みやすく、APIはトークン単位の従量課金で利用量に応じて柔軟にスケールします。

サブスク型のChatGPT PlusやPro、Businessなどは、1ユーザーあたり月額$20や$25といった形で料金が決まり、その範囲内で相応のメッセージ量や機能を利用できます。利用が多少増減しても月額が大きく変動しないため、経費として見積もりやすいのが特徴です。

対してAPIは、たとえばGPT-5.1なら「入力1Mトークンあたり$1.25」「出力1Mトークンあたり$10.00」というように、モデルごとに細かく単価が決まっています。利用量が増えれば費用も増えますが、使わなければほとんどコストが発生しないため、PoCや段階的なスケールに向いています。

利用シーンと適合用途の違い

サブスクは「人がChatGPTを直接使う業務効率化」に向き、APIは「自社システムやサービスにAI機能を組み込む用途」に適しています。

サブスク型のChatGPTは、ブラウザやデスクトップアプリから担当者が直接アクセスし、文章作成、要約、議事録作成、コードレビューなどを都度対話形式で行う使い方が中心です。現場リーダーや企画・広報担当が、日々の業務の相棒として使うイメージに近く、導入時の開発工数も不要です。

一方、APIは社内ポータルのFAQボット、問い合わせ自動応答、レポート自動生成、RPAとの連携など、「既存システムの裏側でモデルを呼び出す」タイプのユースケースと相性が良いです。たとえば、バックエンドでGPT-5.1を使ってレポート内容を生成し、簡単なタスクは低コストなGPT-5 miniやnanoで処理するといった構成も可能です。業務フロー全体にAIを組み込みたい場合はAPIを軸に設計し、担当者個人の生産性向上にはサブスクを組み合わせる形が現実的です。

アカウント管理・権限の違い

サブスクは「ユーザーアカウント管理とワークスペースの権限設計」が中心で、APIは「APIキー管理とサービス単位の制御」が重要になります。

ChatGPT BusinessやEnterpriseなどのサブスクでは、SAML SSOやMFA、ロールベースのアクセス制御、ワークスペース単位の管理機能などが提供されます。そのため、情報システム部門は、誰がどのプランを使うか、どのカスタムGPTやプロジェクトにアクセスできるかをユーザー／グループ単位で制御し、監査ログやデータ保持ポリシーとあわせて管理するのが一般的です。

APIの場合、基本的な単位は「APIキー」であり、バックエンドシステムやマイクロサービスごとにキーを発行し、環境変数やシークレットマネージャーで保護する設計が求められます。開発チームは、どのサービスがどのモデルにどの程度アクセスできるか、レート制限やコストを踏まえて制御する必要があります。組織としてChatGPTを安全に活用するには、サブスク側のID／権限管理と、API側のキー・ネットワーク制御を両輪で設計することが重要です。

ChatGPTに課金するときの判断基準

ChatGPTに課金するかどうかは「何に使うか」「何人で使うか」「どこまで管理したいか」「いくらまで投資できるか」で判断するのが現実的です。漠然と上位プランを契約するのではなく、利用目的と運用体制を整理してからプランやAPIを選ぶと、コストと効果のバランスを取りやすくなります。

まずは、日々の業務効率化に使うのか、自社サービスにAIを組み込むのかといった利用シーンを明確にしましょう。次に、対象部門や席数、情報管理ポリシー、既存システムとの連携方針を確認し、どこまでセキュリティや権限管理が必要かを定めてください。

運用ルールのベースを決めた上で月額の利用料だけでなく、教育コストや運用工数も含めた総保有コストを比較すれば、失敗しない導入判断につながります。

利用目的で選ぶ

ChatGPTへの課金は「利用目的に合うかどうか」を起点に判断するのが基本です。用途が曖昧なまま契約すると、十分に使い切れないまま更新を迎えやすくなります。

たとえば、情報システム部門や現場リーダーが、資料作成・議事録・問い合わせ文面などの生産性向上に活用したいだけであれば、PlusやBusinessのようなサブスク型が軸になります。一方、社内ポータルにAI FAQを組み込んだり、自社プロダクトにチャットボット機能を実装したりする場合は、APIを使ったシステム連携が必須です。

また、「試験的に一部メンバーで検証したい段階」なのか、「すでに主要業務に組み込む前提」なのかによっても適切なプランは変わります。まずは優先度の高い2～3つのユースケースを洗い出し、その実現方法に合うプランやモデルを選ぶと、投資対効果を説明しやすくなります。

席数で選ぶ

利用人数や席数が増えるほど、個人向けプランか法人向けプランかの分かれ目がはっきりします。少人数なら個人向け、部署単位での利用ならBusiness以上を視野に入れる判断がしやすくなります。

数名の有志が業務改善として利用する程度であれば、PlusやProを個別に契約して運用するのもよい運用方法です。しかし、10～20名規模で企画・営業・カスタマーサクセスなど複数部門に利用領域を展開する場合、アカウント管理や権限設計、請求の一本化を考えると、BusinessやEnterpriseのような組織向けプランのほうが運用負荷を抑えやすくなります。

また、将来的に利用者が倍増する可能性が高い場合には、スケールしたときの料金体系や追加ライセンス手続きのしやすさも確認しておくと安心です。短期的なコストだけでなく、中長期の拡張性も含めて「席数」と合わせて検討するのがポイントです。

セキュリティ・管理要件で選ぶ

機密情報を扱うかどうか、社内規程で求められる管理レベルがどこまでかによって、選ぶべきプランは大きく変わります。セキュリティ要件が厳しい組織ほど、BusinessやEnterpriseの検討が不可欠です。

たとえば、情報システム部門がID基盤と連携してシングルサインオンを必須とする場合や、部門ごとに権限を分けたい場合、監査ログやデータ保持ポリシーの設定が必要な場合には、組織向けプランの管理機能が重要になります。個人向けプランでも基本的なセキュリティ対策はされていますが、きめ細かな権限管理やコンプライアンス準拠の証跡管理まではカバーしきれません。

また、APIを利用する場合は、キー管理やネットワーク制御、ログ管理など、アプリケーション側での設計も求められます。自社の情報セキュリティポリシーや監査要件と照らし合わせ、どのレベルの機能や証跡が必要かを先に整理してから、プランや構成を選ぶと判断しやすくなります。

予算と総保有コストで選ぶ

ChatGPTへの投資は、月額料金だけでなく「総保有コスト（TCO）」で比較することが重要です。安価なプランを選んでも、運用負荷が高いと結果的に高くつくケースがあります。

たとえば、個人向けプランを多数バラバラに契約した場合、アカウントの棚卸しや利用状況の把握、請求処理が煩雑になりがちです。一方、BusinessやEnterpriseでまとめれば、1ユーザーあたりの単価は高く見えても、管理コストやコンプライアンス対応にかかる手間を削減できる可能性があります。

API利用でも同様に、高性能モデルをすべての処理に使うのではなく、用途に応じて軽量モデルと組み合わせる設計を行うことで、費用を抑えつつ品質を確保しやすくなります。ライセンス費用、開発・運用工数、教育コスト、機会費用を含めて「どの構成が最も安定して投資回収できるか」を比較する視点が、ChatGPT課金の最終判断に役立ちます。

ChatGPTのサブスク購入・解約の手順（経路別）

ChatGPTへの課金は、「どこから契約したか」によって購入・解約の窓口が決まり、公式サイトで契約したサブスクはWebから、iOSアプリで契約したものはAppleのサブスクリプション、AndroidアプリはGoogle Playから管理します。

注意点として、いずれの経路でも、解約しても当面は次回請求日前日までプランが有効で、アプリを端末から削除するだけでは自動解約されません。「契約した経路ごとの管理画面からキャンセル操作を行う」ことを社内の運用ルールとして明確にしておくと、二重課金や解約漏れを防ぎやすくなります。

Webでの購入・解約

Web経由の契約は、ChatGPT公式サイトにログインしてアップグレード／管理画面から行うのが基本です。最も素直で管理しやすい経路のため、業務利用ではWeb契約を標準にする企業も多く見られます。

キャンセルは次回請求日の翌日から有効となり、それまでは有料機能を利用できます。次回請求を避けるには、請求日の少なくとも24時間前までに解約しておく運用が安全です。

iOS（Apple）での購入・解約

iPhoneアプリ経由で課金した場合、支払いと解約はApple IDのサブスクリプション管理に一元化されます。

Apple経由のサブスクは、Web版でアカウントを削除しても自動では解約されない点に注意が必要です。継続課金を止めるには、必ずAppleのサブスクリプション設定でキャンセル操作を行いましょう。

Android（Google Play）での購入・解約

Androidアプリから課金した場合も、Google Playの定期購入として管理されるため、解約をGoogle Play側で行います。

ChatGPTに課金する際は小規模・少人数向けのプランからスタートするのがおすすめ

ChatGPTに課金する際は、「利用目的」「席数」「セキュリティ・管理要件」「予算と総保有コスト」を軸に検討すると、自社に適したプランやAPI構成を選びやすくなります。

小規模な検証段階ではPlusや少数のBusinessから始め、効果を確認しながら席数やAPI利用を段階的に拡大する進め方が現実的です。

また、Web／iOS／Androidなど契約経路ごとに購入・解約手順を標準化し、社内ルールとして明文化することが、課金漏れや権限管理の抜けを防ぐ対策につながります。

• 監修：マネーフォワード クラウド

  マネーフォワード クラウドが監修する「AIの基礎知識」です。ビジネスや生活に役立つAIの基本と最新情報を分かりやすく解説。AIを身につけ、新しい一歩を踏み出すのを応援します。