- 作成日 : 2025年11月13日
ChatGPT-3.5とは?GPT-4oとの違いや使い方、現在の位置づけまで解説
ChatGPT-3.5は、ChatGPTの普及を世界的に牽引した、高速な応答が特徴のAIモデルです。現在ではGPT-4oやGPT-5といった最新モデルが登場していますが、かつては無料プランの基盤として広く利用され、現在も一部の用途や速度が求められる場面で重要な役割を担っているとされています。
この記事では、ChatGPT-3.5の現在の位置づけ、最新モデルであるGPT-4oとの性能の違い、そして意図的に切り替えて使う方法について分かりやすく解説します。
目次
そもそもChatGPT-3.5とは何か?
ChatGPT-3.5とは、OpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)で、2022年末のChatGPT登場時に搭載されていた、世界に生成AIの衝撃を与えたモデルです。その非常に高速な応答速度と、人間と自然に対話できる能力で、一躍有名になりました。
その後、2023年3月には、高速化や最適化を施した改良版として「GPT-3.5 Turbo」が登場し、現在はこのモデルがChatGPT-3.5として提供されています。より高性能な後継モデルが登場した現在でも、ChatGPT-3.5は無料プランの基本モデルとして、多くのユーザーに利用され続けています。
最新モデル(GPT-4o)との主な違いは?
最新モデルのGPT-4oとGPT-3.5の最も大きな違いは、「知能・推論能力」と「対応できる情報の種類(マルチモーダル性能)」です。簡単にいえば、GPT-4oはGPT-3.5よりも格段に賢く、多機能です。
GPT-3.5とGPT-4oの性能比較表
| 比較項目 | GPT-3.5 | GPT-4o(最新モデル) |
|---|---|---|
| 知能・推論能力 | 標準的 | 非常に高い(複雑な問題解決が得意) |
| 情報の正確性 | 事実誤認(ハルシネーション)が多い傾向 | 比較的少ないが、完全ではない |
| マルチモーダル性能 | 基本的にテキストのみ | テキスト、画像、音声などを統合的に扱える |
| 応答速度 | 高速 | 高速(処理内容やアクセス状況によって変動するものの、多くのケースで3.5に匹敵、あるいはそれ以上) |
| 利用できるプラン | 一部の無料利用枠やAPIで限定的に提供 | 無料版(回数制限あり) / 有料版 |
GPT-3.5は旧世代のモデルでありながら応答速度に優れており、軽量なタスクでは依然として有用です。一方、GPT-4oは高度な思考力に加え、画像の内容を理解するといった、GPT-3.5にはない能力を持っています。
ChatGPT-3.5は無料で使えるか?
ChatGPTの無料プランでは、GPT-3.5を基本モデルとして利用できます。
2025年現在、無料プランのユーザーは、まず最新のGPT-4oモデルを一定回数まで試すことができます。そして、その上限に達すると、自動的にGPT-3.5モデルに切り替わり、引き続き無料で対話を続けることが可能です。ChatGPTが無料で広く利用できるのは、このGPT-3.5モデルが無料プランの基盤として提供されているためです。
モデルをGPT-3.5に切り替える方法は?
無料プランのユーザーはGPT-4oなど上位モデルの上限に達すると自動で下位のモデル(現在はGPT-3.5)に切り替わります。有料プランのユーザーは、チャット画面上部のメニューから手動でGPT-3.5を選択できます。
無料プランの場合
特別な切り替え操作は必要ありません。無料版の基盤モデルは GPT-4o mini などの後継モデルに引き継がれていますが、 GPT-5やGPT-4oなど上位モデルの利用上限に達した際に、ChatGPT側から「上限に達しました。GPT-3.5で続行します」といった案内が表示され、自動的に切り替わる場合があります。
有料プラン(ChatGPT Plusなど)の場合
かつては、チャット画面のモデル選択メニューから意図的に「GPT-3.5」を選択できましたが、2025年現在の標準UIではほとんどの場合、GPT-3.5は表示されず選択できません。
旧モデルとしてのGPT-3.5は、高速応答やコスト効率の良さを活かす用途で利用されていましたが、現在は補助的な位置づけにとどまっています。
ChatGPT-3.5のサービスは終了するのか?
現時点(2025年10月31日時点)で、OpenAIが公式にChatGPT-3.5の提供終了になると明言はされていません。OpenAIは、開発者向けAPIで提供している一部の旧バージョン(例:gpt-3.5-turbo-0613 など)の廃止を案内していますが、最新版のGPT-3.5モデル自体が全面的に終了するという発表は行っていません。
これまでGPT-3.5は、ChatGPTの無料プランを支える基盤モデルとして利用されてきました。現在は新しいGPT-4oが無料プランの標準モデルに移行していますが、APIでは依然として高速かつ低コストな選択肢として利用可能です。
そのため、後継モデルが登場した現在でも、GPT-3.5は用途やコスト要件に応じて一定の役割を果たし続ける可能性が高いと考えられます。
速度と手軽さが魅力の基本モデル
本記事では、ChatGPT-3.5について、その特徴や最新モデルとの違い、現在の利用方法を解説しました。
GPT-3.5は、AIの最前線という点では最新モデルにその座を譲りましたが、一部の利用環境で補助的に自動で切り替わる場合があるなど、現状も一定の役割を担っています。その圧倒的な応答速度は、今なお役割をはたす場面もあるようです。
ユーザーが直接選択できるモデルではありませんが、GPT-3.5はChatGPTの基盤としての仕組みや応答の特徴を理解する上で重要なモデルです。その特性を知ることで、ChatGPT全体の挙動や活用のイメージをつかみやすくなるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
ChatGPTと会話するコツ|自然なコミュニケーションの方法とは
ChatGPTと自然に会話するためには、いくつかのコツを知るだけで精度を高められます。「どのように伝えれば意図が正しく伝わるのか」「会話が噛み合わないときはどう調整すべきか」といった悩みは、多くのユーザーに共通したものです。 当記事では、C…
詳しくみるChatGPTに個人情報を入力するのはNG|リスクや安全対策を解説
ChatGPTは便利な反面、入力内容がサーバーで処理される特性から、個人情報の取り扱いには注意が必要です。運用ミスや外部攻撃による情報漏えい事例も報告されており、利用者側の設定やルール整備が欠かせません。 当記事では、個人情報を入力すべきで…
詳しくみるChatGPTはログインなしで使える?機能制限やメリットを解説
ChatGPTはログインなしでも利用できる場合があります。ただし、体験版のような位置づけで、履歴保存や追加機能は使えません。登録せずに気軽に試すには便利ですが、「業務で継続的に使いたい」「履歴を残したい」という場合にはアカウント作成が必要で…
詳しくみる機械学習の「回帰」とは?分類との違い、代表的な種類・手法まで分かりやすく解説
機械学習における「回帰」とは、過去のデータをもとに、将来の売上や株価といった連続的な数値を予測する手法です。ビジネスにおける需要予測や価格設定など、様々な場面で活用されています。 この記事では、機械学習の回帰の基本的な考え方から、もう一つの…
詳しくみる高性能モデルClaude 4(Opus・Sonnet)とは?活用方法を解説
Claude 4は、Anthropic社が開発した最新世代の大規模言語モデルであり、安全性と高精度な自然言語処理を両立している点が最大の特徴です。ビジネスや研究での活用を前提に設計されており、複雑な課題にも一貫性のある回答を返せることから注…
詳しくみるGemini APIの使い始め方とは?料金、無料枠、Pythonでの使い方まで解説
Gemini APIは、自社のアプリケーションやサービスにGoogleの高性能AI「Gemini」を組み込むための、開発者向けツールです。活用することで、オリジナルのAIチャットボットを開発したり、既存の業務システムをAIで高度化したりする…
詳しくみる