• 作成日 : 2025年11月13日

AIにはどんな種類があるか?生成AIの分類から使い方まで分かりやすく解説

AI(人工知能)には、その能力や目的によって様々な種類が存在します。特に近年、目覚ましい発展を遂げている「生成AI」は、私たちの働き方や創造性を大きく変える可能性を秘めています。

この記事では、AIの基本的な分類から、近年注目のテキスト・画像・動画などを生成するAIの種類と、それぞれの特徴や使い分けまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。

AIの基本的な分類とは?

AIは、その能力の範囲によって、大きく「特化型AI」と「汎用型AI」という2つの種類に分類されます。現在、私たちがビジネスや日常生活で利用しているAIのほとんどは、特定のタスクに特化した「特化型AI」です。

  • 特化型AI(Narrow AI):
    画像認識、音声認識、文章作成、囲碁といった、決められた特定の領域で高い能力を発揮するAIです。自動運転システムや、本記事で後述するChatGPTなどの生成AIも、この特化型AIに含まれます。
  • 汎用型AI(General AI):
    人間のように幅広い知識を持ち、未知の課題に対しても自ら考えて学習し、解決策を見つけ出すことができるAIです。SF映画に登場するような、人間と同等以上の知能を持つAIを指しますが、2025年10月現在、汎用型AIはまだ実用化には至っていません。

「機械学習」や「ディープラーニング」との関係は?

「機械学習」はAIを実現するための主要な手法であり、「ディープラーニング」は機械学習の中に含まれる、より高度な技術を指します。これらはAIの種類そのものではなく、AIを賢くするための「学習方法」と理解すると分かりやすいです。

  • AI(人工知能):
    人間の知的活動を模倣する技術やシステムの総称。最も広い概念です。
  • 機械学習(マシンラーニング):
    AIを実現するための主要なアプローチの一つ。コンピューターが大量のデータを学習し、データに潜むパターンやルールを自ら見つけ出す技術です。
  • ディープラーニング(深層学習):
    機械学習の中に含まれる、より発展的な技術。人間の脳神経回路(ニューラルネットワーク)を模した多層的な構造で、より複雑で抽象的な特徴をデータから自動で学習できます。現在の高度な生成AIの多くは、このディープラーニングを基盤としています。

近年注目の「生成AI」とはどんな種類があるか?

生成AIは、生成するコンテンツの種類によって、主に「テキスト生成」「画像生成」「動画生成」「音楽・音声生成」などに分類されます。

それぞれの種類によって得意なことが異なり、ChatGPT以外にも数多くのサービスが登場しています。目的に応じてこれらのツールを使い分けることが、生成AIを効果的に活用する鍵となります。

生成AIの種類①:テキスト生成AI

ユーザーとの対話を通じて、文章の作成、要約、翻訳、アイデア出しなどを行うAIです。最も広く普及しているタイプの生成AIといえるでしょう。

  • 代表的なサービス:
    • ChatGPT (OpenAI):生成AIの普及を牽引した、最も有名なサービス。
    • Gemini (Google):Google検索と連携した最新情報の回答や、長文の処理が得意。
    • Claude (Anthropic):より自然で丁寧な、ビジネス向けの文章作成に定評がある。
  • 主な用途:メール・レポート作成、議事録要約、企画の壁打ち、翻訳、プログラミング支援など。

生成AIの種類②:画像生成AI

テキストで「〇〇のような画像」と指示するだけで、オリジナルのイラストや写真を生成するAIです。デザインの専門知識がなくても、高品質なビジュアルコンテンツを作成できます。

一方で、学習データに既存の作品を含む場合があり、著作権をめぐる訴訟も発生しています。商用利用の際は、各サービスの利用規約やライセンスを必ず確認することが重要です。

  • 代表的なサービス:
    • Midjourney:アーティスティックで高品質な画像の生成に非常に強い。一方で、著作権関連の訴訟も提起されており、商用利用には注意が必要。
    • Stable Diffusion:オープンソースで、PCへの導入や細かなカスタマイズが可能。利用方法によっては学習データに関する法的リスクが生じる場合があるため、利用ポリシーの確認が推奨される。
    • DALL·E 3 (OpenAI):ChatGPTやMicrosoft Copilotに統合されており、対話形式で手軽に利用できる。商用利用に関しては比較的明確なライセンスが設けられているが、OpenAIもクリエイター団体から著作権利用に関する懸念や訴訟を受けており使用には注意が必要。
  • 主な用途:Webサイトやブログの挿絵、プレゼン資料のイラスト、広告デザインの試作など。

生成AIの種類③:動画生成AI

テキストの指示から、高品質でリアルな動画を生成するAIです。映像制作の常識を変える可能性を秘めた注目度の高い分野の一つです。

一方で、画像生成と同様に学習データに既存の作品を含む著作権の問題があるため、商用利用の際は、各サービスの利用規約やライセンスを必ず確認することが重要です。

  • 代表的なサービス:
    • Sora (OpenAI):非常にリアルで長尺(最大で1分程度)の動画を生成可能。
    • Veo (Google):映画のような映像品質と、細かな指示への対応力が特徴。
    • Runway:動画から動画を生成したり、特定の部分だけを動かしたりするなど高度な編集機能を持つ。
  • 主な用途:プロモーションビデオの制作、SNS用のショート動画作成、製品デモ映像の作成など。

生成AIの種類④:音楽・音声生成AI

テキストや簡単なメロディから、オリジナルの楽曲やナレーション音声を生成するAIです。

一方で、画像生成と同様に学習データに既存の作品を含む著作権の問題があるため、商用利用の際は、各サービスの利用規約やライセンスを必ず確認することが重要です。

  • 代表的なサービス:
    • Suno:歌詞や曲のスタイルを指示するだけで、ボーカル付きの楽曲を生成。
    • Udio:Sunoと並ぶ高品質な音楽生成AI。
    • ElevenLabs:非常に自然で感情豊かなナレーションや、自身の声を複製した音声(ボイスクローン)を生成。
  • 主な用途:動画のBGM制作、ポッドキャストのナレーション、オーディオブックの作成など。

目的別の生成AIの使い分けと選び方は?

「何を作りたいか」という目的を明確にし、その目的に合った種類の生成AIを選ぶことが重要です。

目的選ぶべきAIの種類代表的なサービス(例)
ビジネスメールやレポートを作成したいテキスト生成AIChatGPT、Gemini、 Claude
Webサイトの挿絵やイラストが欲しい画像生成AIMidjourney、DALL·E 3、 Stable Diffusion
製品紹介のショート動画を作りたい動画生成AISora、Veo、Runway
プレゼン用のBGMやナレーションが必要音楽・音声生成AISuno、ElevenLabs

多くのサービスで無料プランやトライアル期間が設けられています。まずはいくつかのサービスを実際に試してみて、ご自身の目的に最も合ったツールを見つけるのが良いでしょう。

AIの種類を理解し、目的に合わせて活用する

本記事では、AIの基本的な分類から、特に注目度の高い生成AIの種類について、その特徴と使い分けを解説しました。

AI技術は目覚ましいスピードで進化しており、テキスト、画像、動画、音楽など、その応用範囲は日々広がっています。それぞれのAIには得意なことと不得意なことがあります。自分の目的や作業内容に最も合った適切な種類のAIツールを賢く選択し、使い分けることで、これまでの常識にとらわれない生産性の向上や、新しい創造性の発見につながるでしょう。


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