- 作成日 : 2025年10月24日
VSCodeで使えるCopilotとは|導入方法・使い方を解説
GitHub Copilotは、Visual Studio Code(VSCode)に組み込んで利用できるAIアシスタントです。OpenAIの大規模言語モデルを基盤にしており、入力中のコードやコメントから次に必要となる処理を予測して提示します。PythonやJavaScriptなどの幅広い言語に対応しているため、日常的なコーディングや学習支援、業務開発に至るまで活用できます。
当記事では、Copilotの仕組みや料金プラン、導入手順、利用方法、ビジネス活用の場面、注意点などを解説します。
目次
VSCodeで使えるGitHub Copilotとは
GitHub Copilotは、Visual Studio Code(VSCode)上で動作するAI搭載のペアプログラマーです。OpenAIの大規模言語モデルを活用しており、過去の膨大な公開コードを学習した知識を基盤にしています。そのため、日常的なコーディングの効率化や、コードの書き始めに迷ったときの参考として利用できます。特に繰り返し処理や定型的なコードを自動生成できる点が強みです。
ただし、出力結果は常に正確とは限らないため、利用者が必ずレビューして品質を担保することが重要です。
AIがコードを自動補完する仕組み
GitHub Copilotは、入力中のコードやコメントを解析し、次に必要となる処理を予測して補完します。仕組みとしては、自然言語処理と機械学習の技術を組み合わせ、コンテキストに沿った最適なコードを提案しています。
たとえば「配列をソートする関数を書いて」とコメントを入力すると、一般的なソートアルゴリズムを提示します。開発者はその提案を受け入れるか、修正して利用するかを選択できます。この流れにより、従来よりも短時間でコード作成が可能になります。
対応するプログラミング言語と環境
GitHub Copilotは、多くのプログラミング言語に対応しています。代表的な言語として、Python、JavaScript、TypeScript、Javaなどが挙げられます。
利用環境としてはクラウド上でも動作し、ローカル開発環境だけでなくリモート環境での利用もスムーズです。こうした柔軟性が、個人開発から大規模開発までの導入を後押ししています。
VSCode Copilotの料金プラン
GitHub Copilotには、利用目的や規模に応じて複数の料金プランがあります。無料で試せる「Copilot Free」から、個人向けの「Copilot Pro」、組織利用に適した「Copilot Business」、そして大規模な開発体制に合わせた「Copilot Enterprise」まで幅広く用意されています。それぞれの機能や制限を理解して、自身の利用環境に合ったプランを選ぶことが大切です。
無料で使えるGitHub Copilot Free
GitHub Copilot Freeは、個人の開発者が無料で試せる入門的なプランです。組織やEnterpriseアカウントを持たないユーザーを対象としており、一部機能に制限はあるものの、AIによるコード補完や簡単なチャット機能を体験できます。
基本的な自動補完を試すには十分で、まずは使い心地を確かめたいエンジニアに向いています。費用をかけずにAI補助開発の可能性を確認できる点が大きな魅力です。
個人向けのGitHub Copilot Pro
Copilot Proは、プロフェッショナルな開発者やフリーランスに適した有料プランです。月額10米ドルまたは年額100米ドルで利用でき、補完機能は無制限に使えるほか、Copilot ChatにおいてPremiumモデルへのアクセスが可能になります。さらに「Copilot コーディングエージェント」の利用権や、毎月300件のPremiumリクエスト枠が含まれています。
さらに、Proでは物足りない方向けに、個人向けプランとしてさらに機能が強化されたGitHub Copilot Pro+が月額39米ドル・年額390米ドルで用意されています。Pro+ではPremiumリクエスト枠が月1500件に拡張され、さらに自然言語でアプリを開発できるツール「GitHub Spark」にもアクセス可能です。
確認済みの学生や教育関係者、人気オープンソースプロジェクトのメンテナには無料提供の対象となる場合があります。日常的に開発を行う個人開発者が、効率化を求めて導入する際の最適な選択肢です。
チーム導入に便利なCopilot Business
Copilot Businessは、組織単位での導入を前提としたプランで、GitHub FreeやGitHub Team、あるいはEnterprise Cloud環境に対応しています。料金はユーザー1人あたり月額19米ドルで、組織内での利用者管理やポリシー設定が可能になります。これにより、セキュリティや権限のコントロールを一元化でき、企業やチームでの導入がしやすくなります。
Copilot コーディングエージェントも利用可能で、複数人での開発を効率化します。中規模チームでコラボレーションを強化したい場合や、セキュリティを重視した導入を検討する組織に適しています。
大規模利用に適したCopilot Enterprise
Copilot Enterpriseは、GitHub Enterprise Cloudを利用する大規模組織向けのプランです。料金はユーザー1人あたり月額39米ドルで、Businessプランのすべての機能に加え、Enterprise向けの高度な管理機能が含まれます。
数百人単位のチームでも安心して導入でき、企業全体でAIコーディング支援を活用するのに最適です。
VSCodeにGitHub Copilotを導入する方法
VSCodeにGitHub Copilotを導入する手順は大きく4つに分かれます。手順をしっかり守ることで、スムーズに利用を始められます。ここでは、GitHub Copilotの導入手順を解説します。
VSCodeをインストールする
最初のステップは、開発環境にVisual Studio Codeをインストールすることです。公式サイトからWindows、macOS、Linuxといった各OSに対応したインストーラーを入手し、案内に従って設定します。
インストール後は、必要に応じて日本語化パックやテーマの設定を追加すると、使いやすい開発環境が整います。まずは最新バージョンを導入し、安定した動作環境を確保することが大切です。
拡張機能からCopilotを追加する
次に、VSCodeの拡張機能マーケットプレイスから「GitHub Copilot」を検索し、拡張機能をインストールします。インストールは数クリックで完了し、完了後に再起動することでエディタにCopilotが有効化されます。拡張機能の追加により、入力中のコード補完やコメントベースのコード生成など、AIによる支援機能が利用可能になります。
拡張機能の管理画面からは、設定変更や一時的な無効化も行えるため、開発スタイルに合わせた柔軟な利用が可能です。導入段階でエラーが出る場合は、VSCode本体や拡張機能を最新版に更新することで解決できるケースもあります。
GitHubアカウントを設定する
拡張機能を追加した後は、GitHubアカウントとVSCodeを連携する設定が必要です。初回起動時に認証画面が表示され、GitHubへのサインインを求められます。ブラウザ経由でGitHubにログインし、VSCodeからのアクセスを許可することで接続が完了します。
有料プラン(Copilot ProやBusinessなど)を利用する場合は、契約中のアカウントでサインインする必要があります。組織利用では管理者が発行する権限設定も関わるため、事前にアカウントの有効性を確認しておくとスムーズな導入が可能です。
導入後の動作を確認する
最後に、GitHub Copilotが正しく動作しているか確認します。たとえば、空のファイルに「// 配列を並べ替える関数」とコメントを入力すると、Copilotが自動的にソート関数の提案を表示します。これにより補完機能やチャット機能が有効であることを確認できます。
導入後の確認段階で正常に補完が行われない場合は、拡張機能の有効化状態やアカウント連携を再度チェックしましょう。ここまで確認できれば、日常の開発で本格的にCopilotを活用する準備が整います。
VSCode上のGitHub Copilotの使い方
VSCodeでGitHub Copilotを利用すると、日常の開発作業を効率化できます。ここでは、具体的にGitHub Copilotをどのように活用すればよいのかを解説します。
コメントからコードを生成する
GitHub Copilotは、自然言語で書いたコメントを解析し、その意図に合ったコードを提案できます。これにより、実装の初期段階で悩む時間を短縮し、思考をコードに素早く反映できる点が大きなメリットです。
特に複雑な処理を組む際、まず骨組みを生成してから詳細を追加する流れで進めると効率的です。コメントをコード化できるため、プログラミング初心者にとっても学習支援として有用です。
入力中のコードを補完する
Copilotは入力途中のコードを解析し、次に続く文や関数全体を提案します。たとえば「for (」と入力すると、一般的なループ構造を自動補完し、配列の長さやインデックス変数の候補を提示します。この機能は入力ミスを減らし、タイピング量を大幅に削減できる点が魅力です。
また、複数の候補が提示されるため、用途に応じて最適なコードを選択できます。従来の補完機能と異なり、Copilotは前後の文脈を理解して提案するため、より自然で完成度の高いコード補完が可能です。
テストコードを自動生成する
開発において品質を確保するにはテストコードが欠かせません。Copilotは既存の関数やクラスを解析し、それに対応するテストコードを自動生成できます。これにより、テストの書き始めにかかる労力を削減し、網羅性の高い検証につなげることが可能です。
もちろん提案されたコードをそのまま使うのではなく、プロジェクトの要件やテスト方針に合わせて修正することは必要です。自動生成と人間の判断を組み合わせることで、より効率的で信頼性の高い開発が実現します。
Copilot Chatで質問しながら開発を進める
Copilot Chatは、IDE内で自然言語による質問と回答を行える機能です。開発中にエラーの原因を知りたい場合や、特定のライブラリの使い方を確認したいときに有効です。質問を入力すると、関連するコード例や解説を提示してくれるため、調べ物に費やす時間を大幅に短縮できます。
また、コードのリファクタリングやパフォーマンス改善のアドバイスを得られる点も特徴です。ただし回答は必ずしも正確とは限らないため、公式ドキュメントやレビューで裏付けを取ることが大切です。
VSCodeとGitHub Copilotのビジネス活用シーン
GitHub Copilotは、個人開発だけでなくビジネスの現場でも大きな効果を発揮します。定型的な作業の自動化や社内向けツールの開発効率化、さらにはドキュメント作成や翻訳業務の補助にも利用可能です。AIを活用することで、エンジニアやチーム全体の生産性向上が期待できます。
定型業務の自動化に活用できる
日常的に発生する定型業務は、Copilotを利用することで大幅に効率化できます。たとえば、データ整形スクリプトの作成やログ解析用のコード生成といった単純作業は、コメントを入力するだけで自動的にコードを提示してくれます。開発者は繰り返し作業に時間を奪われることなく、より付加価値の高い業務に集中できます。
さらに、既存の処理を自動補完する機能を利用すれば、エラーを減らしながら作業のスピードを上げることが可能です。定型処理を効率化できることは、結果としてチーム全体の生産性向上につながります。
社内ツールの開発効率を上げられる
社内向けツールの開発は、短期間で成果を求められるケースが多い分野です。Copilotを導入すれば、フォーム作成やAPI連携などのコードを迅速に生成でき、開発スピードを大きく向上させられます。特に社内業務の効率化を目的としたツールは、完成度よりも実用性や迅速な提供が重視されるため、AIによる補助が有効です。
また、既存コードを参照しながら自動補完する機能によって、プロジェクトごとのコードスタイルや仕様に即した開発もしやすくなります。短納期の要望に応える際や小規模チームでの開発において、Copilotは心強いアシスタントとなります。
ドキュメント作成や翻訳に役立つ
GitHub Copilotはコード補完にとどまらず、ドキュメント作成や翻訳業務にも活用できます。たとえば、関数の動作を説明するコメントを自動生成したり、既存の仕様書をもとに分かりやすい説明文を提示したりすることが可能です。また、多言語対応が必要な場面では、英語コメントを日本語に翻訳したり、その逆を行ったりするサポートも期待できます。
ただし生成された文章は誤訳や表現の不自然さが残る場合があるため、必ず人間が最終チェックを行うことが大切です。ドキュメント業務の補助として活用することで、開発以外の業務負担を減らせます。
VSCodeでGitHub Copilotを使う際の注意点
GitHub Copilotは強力な支援ツールですが、ビジネスやチームで利用する際にはいくつかの注意点があります。生成コードの著作権リスクやセキュリティ面での懸念、そして品質の最終判断を人間が担う必要がある点です。これらを理解し、適切に運用することが大切です。
生成コードの著作権リスクに注意する
Copilotが提示するコードは、大規模言語モデルが公開リポジトリを学習した結果として生成されます。そのため、まれに既存コードと酷似した内容が提案される可能性があり、著作権上のリスクが伴います。商用プロジェクトに導入する場合、提示されたコードをそのまま利用するのではなく、出典を確認したり、必要に応じて修正したりすることが必要です。
特にオープンソースライセンスが絡む場合は、ライセンス条件を理解した上で採用しなければなりません。法的リスクを避けるためにも、利用者側で慎重な対応が求められます。
セキュリティや情報漏えいに配慮する
Copilotはクラウドベースで動作するため、利用環境や設定次第ではセキュリティ上のリスクが発生します。たとえば、社内固有のコードや機密情報をそのまま入力すると、意図せず外部に漏洩する可能性があります。業務利用する際は、社内ポリシーに沿った運用を行い、不要な情報を入力しないことが基本です。
また、生成されたコードにセキュリティホールが含まれる場合もあるため、脆弱性チェックを必ず実施することが求められます。安全に利用するには、セキュリティガイドラインを整備し、チーム全体で遵守することが効果的です。
コード品質は人間がレビューする
Copilotが生成するコードは便利ですが、常に最適解を提供するわけではありません。文法的には正しいものの、パフォーマンスや可読性の面で改善が必要なケースもあります。そのため、生成結果をそのまま採用するのではなく、必ず開発者がレビューを行い、品質を担保する必要があります。
特にビジネス用途では、最終的な責任は人間が負うべきであり、AIはあくまで補助的な役割と考えるのが適切です。
VSCodeで使えるGitHub Copilot
GitHub Copilotは、コード補完やチャット機能を通じて開発作業を大幅に効率化できるツールです。料金プランは個人利用から大規模組織まで段階的に用意されており、利用者の目的や環境に応じて選択できます。定型作業の自動化や社内ツール開発、ドキュメント作成の補助など、ビジネス利用においても有用です。
ただし、生成コードの著作権やセキュリティのリスク、品質担保には人間のレビューが不可欠です。AIを効果的に活用するためには、補助的な役割と位置付けて適切に運用する姿勢が大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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