- 作成日 : 2026年2月25日
Geminiの個人情報保護:リスクを抑えて業務を効率化する方法も
Geminiは設定と運用で個人情報の残存リスクが変わります。履歴・連携・入力・出力確認の型を決めると、安全性と効率を両立しやすくなります。
個人情報を扱う業務では、保存と連携を絞り、入力と出力を点検します。
- 履歴:保存オフ、削除・自動削除を設定
- 連携:Gmail/フォトは原則オフ、使うなら最小限
- 入力:氏名/住所/IDは仮名化・マスキング、添付も加工版
- 出力:外部共有前に混入と誤りを人が確認
手順を文書化し、入力前チェックも運用に組み込みます。
Googleの生成AI「Gemini」は業務効率化に役立つ一方、個人情報の扱いには慎重な配慮が必要です。GmailやGoogleフォトとの連携により、AIがメール本文や写真を横断的に参照できるようになり、入力したプロンプトが品質向上のための学習データに転用されたり、匿名化されたデータがGoogle側の担当者に確認されたりする可能性があります。
当記事では、Geminiと個人情報の関係が注目される理由から、データ処理の仕組み、安全に使い始めるための設定方法、業務利用時の具体的な注意点などを解説します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
目次
なぜ今Geminiと個人情報の関係が注目されているのか?
Geminiと個人情報が注目される理由は、AIがメールや写真などに踏み込みやすくなり、履歴保存・改善利用・人手確認の扱いが設定やサービスで変わるためです。ここでは3点を説明します。運用前に把握が必要です。
AIが個人のメールや写真を横断的に参照し始めたため
Geminiは、利用者が設定で許可するとGmailやGoogleフォトなどのGoogleアプリと連携し、回答に必要な情報を参照して返答を作れます。メール本文や写真の内容が生成処理に入りやすくなるため、個人情報の露出リスクが上がります。
業務では連携を原則オフにし、使う場合も接続するアプリを最小限に絞りましょう。質問文は氏名や住所を外し、顧客Aなどに置き換え、添付資料は黒塗りした版だけを共有します。設定画面ではConnected Apps(Gmail、Photosなど)を選んで連携を管理します。
プロンプトの内容がAIの精度向上のための学習データに転用されるため
Geminiでは、設定によってチャットや共有した内容がアカウントのアクティビティとして保存され、サービス提供や改善に使われる場合があります。Keep Activityをオフにしても、会話は最長72時間、サービス提供とフィードバック処理のためにアカウントに保存される場合があります。個人情報や機密が入力に混ざると、残存期間ぶんリスクが続きます。
安全に使うには、入力禁止情報を決め、マスキング済みの情報だけで質問し、必要がなければKeep Activityをオフにしましょう。削除や自動削除の設定も合わせて行い、手順書にします。
匿名化されたデータがGoogle側の担当者によって確認される可能性があるため
Geminiでは、フィードバックに含まれる内容や関連する会話が、品質改善や安全確保のために訓練済みの担当者によって確認される場合があります。データはGoogleアカウントから切り離されますが、会話の本文はレビュー対象になります。さらに、レビューしたフィードバックと関連データは最長3年間保持される場合があります。
個人の特定につながる要素は入力時点で減らし、所属、役職、具体的な日時、取引先名などの組み合わせも外しましょう。誤って入力した場合は、アクティビティから早めに削除します。委託先を含む人手が関与する以上、入力データを最小化する運用が現実的な対策になります。
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Geminiがユーザーのデータを処理する仕組みとは?
Geminiは、入力文をトークンという単位に分解し、必要に応じて連携アプリの情報を取り込み、学習済みモデルで回答文を生成します。流れを知ると、入力データ量やリスクを判断しやすくなります。ここでは3工程を解説します。
入力されたプロンプトを意味のまとまりであるトークンに分解する
Geminiは、テキストや画像などの入力を「トークン」という処理単位に変換して扱います。トークンは文字や単語の一部のまとまりで、コンテキスト上限や料金計算にも使われます。目安として英語では1トークンが約4文字です。入力だけでなく、生成結果もトークン化され、画像など非テキストも課金対象として数えられます。
システム指示や会話履歴も合算されるため、送信前にcountTokensで総量を見積もると安全です。日本語は分割のされ方が変わるため、実際の入力で計測して基準を作りましょう。参考として、100トークンは英語で約60~80語に相当します。
Googleアカウント内の関連アプリから必要な情報を一時的に抽出する
Geminiは、利用者が連携を許可した場合に限り、Googleアカウント内のアプリから必要な情報を取得して回答に使います。たとえばGmailやGoogleフォト、Search、YouTubeなどを「Connected Apps」として選び、参照させる範囲を自分で決めます。参照対象が増えるほど個人情報が処理対象に入りやすくなります。
業務では連携を原則オフにし、使う場合も対象を最小限に絞り、添付や本文はマスキングした版だけを渡しましょう。連携は設定でオン・オフを切り替えられます。会話履歴の参照を有効にすると、過去の入力が次の回答の文脈に入ります。
抽出データと学習済みモデルを照合して最適な回答を生成する
Geminiは、プロンプトと参照情報を入力として受け取り、次に出すトークンを確率的に予測しながら文章を生成します。温度やtop-k、top-pなどの生成パラメータは、この選び方の幅を調整し、同じ入力でも出力が変わる要因になります。さらに、関数呼び出しなどの「ツール」を併用する設定では、外部処理の結果を踏まえて続きを生成します。
モデルにはトークン上限があるため、会話が長い場合は要点だけを渡すと安定します。重要な数値や固有名詞は一次情報で突合し、根拠を残しましょう。上限を超えると古い履歴が切り捨てられ、前提が抜けることがあります。本番前に再現性を確認しましょう。
Geminiを安全に使い始めるための設定方法は?
Geminiを安全に使い始めるには、まず履歴保存を止め、次に過去の履歴を削除し、必要なら自動削除も設定します。設定はGoogleマイアクティビティから行えます。ここでは基本の手順を3つ紹介します。
Googleマイアクティビティの設定画面にアクセスする
最初にGoogleマイアクティビティへ移動します。ブラウザでmyactivity.google.comにアクセスし、製品の一覧から「Gemini」を選ぶと、Geminiアプリでのアクティビティを表示できます。Geminiウェブ版なら、上部メニュー→「設定とヘルプ」→「アクティビティ」からも同じ場所に移動できます。
AndroidのGeminiアプリでは、プロフィール写真(またはイニシャル)→「Gemini アプリ アクティビティ」で開きます。複数アカウント運用では、右上のアカウント確認を最初に行ってください。画面を開けたら、保存のオンオフと履歴削除を進めます。
「Geminiアプリでのアクティビティ」の設定をオフに変更する
次に「Gemini アプリ アクティビティ(アクティビティの保存)」をオフにします。アクティビティ画面の上部にある[オフにする]を選ぶと、以後の会話が履歴として残りにくくなります。過去分も同時に消したい場合は[オフにしてアクティビティを削除]を選びます。
なお、オフでもサービス提供とフィードバック処理のため、会話が最長72時間アカウントに保存される場合があります。また、保存をオフにすると、GmailやGoogleフォトなどの連携が使えない場合もあります。連携が必要なときは、個人名や住所を入れない質問にし、添付も最小限にしましょう。設定は後から戻せます。
過去の対話履歴のうち不要なデータを一括削除する
最後に、不要な履歴を一括削除します。Geminiアプリでアクティビティ画面を開き、上部の[削除]から[全期間]を選ぶと、記録をまとめて消せます。直近だけ消したい場合は[過去1日間]や[1時間以内]、期間を指定する削除も選べます。あわせて自動削除を設定すると、一定期間(例:3か月、18か月、36か月)をすぎた履歴を自動で消せます。特定の日だけ消す、項目ごとに消す操作も可能です。
Gemini Liveで共有した音声や文字起こしなどは、関連アクティビティを削除すると一緒に消えます。削除後は復元できないため、残す必要がある要点は別の安全な場所に整理してから実行してください。
個人情報を扱う業務でGeminiを利用する際の具体的な注意点とは?
業務で個人情報を扱う場合、Geminiは「個人情報を入れない」「機密を入れない」「出力を点検する」の3点が必須です。設定を変えても会話が最長72時間保存される場合があります。ここでは、注意点を3つ説明します。
顧客の氏名や住所などの個人情報をプロンプトに含めない
氏名、住所、電話番号、メールアドレス、会員番号、顔写真、位置情報などはプロンプトに入れないようにしましょう。文脈が必要な場合は「顧客A」「店舗B」のように仮名化し、日付や金額も範囲に丸めます。添付のPDFや画像にも個人情報が混ざりやすいので、共有前に黒塗り・トリミングした版を用意しましょう。
また、GmailやGoogleフォト連携を使うと参照範囲が広がるため、業務では原則オフにし、使う場合も対象アプリを最小限にします。履歴保存をオフにしても会話が最長72時間保存される点を前提に運用しましょう。入力前チェック(個人情報の有無、添付の有無)を手順書に入れ、ダブルチェックすることも大切です。
自社の独自技術や未公開プロジェクトに関する機密情報を入力しない
自社の独自技術、設計図、ソースコード、未公開の提携・M&A、発売前の仕様、脆弱性情報、社内IDや認証情報などを入力するのは避けましょう。Gemini APIの課金枠ではプロンプトや応答を製品改善に使わない扱いですが、個人向けGeminiは設定や利用状況により保存やレビュー対象になる可能性があります。さらに、履歴保存をオフにしても会話が最長72時間保存される場合があります。
機密を扱う用途は環境を分離し、疑似データで検証する、固有名詞を外して要点だけで質問する、社外秘は社内の別手段で処理する、をルール化しましょう。アクセス権限、ログ保管、監査手順もセットで整備します。
出力された回答の中に誤った個人データが混入していないか点検する
出力には、別人の氏名や住所が混ざる、数字が入れ替わる、存在しない個人情報を作るなどの誤りが起こり得ます。外部送付や記録に回す前に、個人情報の混入、依頼内容との一致、参照した一次情報との整合、の3点を人が確認しましょう。テンプレ文や要約は特にコピーして使われやすいので、マスキング漏れを機械チェック(正規表現)と目視の二段にします。
個人向けGeminiでは、レビューされた会話がアカウントと切り離された形で最長3年保持される場合があるため、誤って個人情報を入れた場合は早めに履歴削除を行います。社内では誤投入の連絡先と再発防止の手順も決めます。
Geminiで個人情報を保護しながら業務効率化する方法を理解しよう
Geminiと個人情報が注目される理由は、AIがGmailやGoogleフォトを横断的に参照し、プロンプトが学習データに転用され、匿名化データが担当者に確認される可能性があるためです。Geminiは入力をトークンに分解し、連携アプリから情報を抽出して回答を生成します。安全に使うには、Googleマイアクティビティでアクティビティ保存をオフにし、過去の履歴を削除します。業務利用では、顧客の氏名や住所をプロンプトに含めない、自社の機密情報を入力しない、出力に誤った個人データが混入していないか点検することが必須です。履歴保存をオフにしても会話が最長72時間保存される点に注意が必要です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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