• 作成日 : 2025年8月8日

居酒屋のコの字カウンターの魅力とは?メリット・デメリットや売上効果を解説

コの字カウンター居酒屋は、お客様同士とスタッフが自然に会話しやすい配置で、賑わいと売上向上につながります。本記事では、その魅力や他のカウンターとの違い、導入のメリット・注意点、売上効果、施工やコスト、成功するための工夫を紹介します。これから設置を検討する方の疑問や不安を解消します。

目次

居酒屋でコの字カウンターはなぜ人気なのか

コの字型のカウンターは、一般的なI字カウンターやテーブル席とは異なり、座席と厨房の配置が「お客様との一体感」と「効率的な接客」を実現する独自の形状です。結果として、顧客満足度の向上やリピート率の強化に寄与します。

会話を自然に促す配置

コの字型カウンターのレイアウトは、向かい合わせや隣同士で座ることにより、お客様同士が自然に会話を始めやすい設計です。一人客同士が自然に打ち解けたり、常連客と初来店者が交わったりすることで、店内に温かみのあるコミュニティ的空間が生まれます。

調理風景のライブ感

コの字カウンターの中心に厨房を配置する形式では、調理風景を“舞台”としてお客様に見せることができます。包丁さばき、焼き台の炎、盛り付けの手際など、ライブ感ある演出が客単価アップや滞在時間の延長に結びつくこともあります。

また、調理場と客席の距離が近いため、料理人がそのまま料理説明やおすすめ提案を行えるのも大きな強みです。

スタッフが全体を把握しやすい

コの字カウンターは、全席がスタッフの視界に入りやすく、飲み物の追加オーダーや料理の進捗状況が見やすくなります。結果として、サービスのタイミングが的確になり、顧客満足度が高まります。

コの字カウンターとI字・L字カウンターの違い

コの字・I字・L字、のカウンターは、居酒屋の雰囲気やオペレーション効率、顧客体験に直結します。店舗コンセプトや広さに応じて選択していきましょう。

コの字カウンターは会話と一体感を促進する

コの字カウンターは、お客様が向かい合って座ることで会話が自然と生まれやすく、一体感を演出しやすい設計です。居酒屋ならではの“賑やかさ”や“人とのつながり”を求める層に適しています。

中央の調理スペースを囲む配置により、スタッフとの距離も近く、調理中のライブ感や気配りのしやすさが加わります。まさに“人と人の距離を縮めるカウンター”です。

I字カウンターは省スペースで回転率を重視できる

I字カウンターは、壁際や厨房に沿って直線的に設置される形式で、限られたスペースでも導入しやすいのが特徴です。単身客や短時間利用を想定した業態(立ち飲み、ラーメン店など)に向いており、動線が単純でスタッフの業務効率も高めやすくなります。

一方で、隣客やスタッフとのコミュニケーションはやや限定されがちです。パーソナルな空間を保ちたい業態には向いています。

L字カウンターは動線と距離感のバランスを取れる

L字カウンターは、I字とコの字の中間にあたるレイアウトで、動線と会話性のバランスが取りやすい設計です。I字よりも一体感がありつつ、コの字ほど空間を必要としないため、10席未満の小型居酒屋での導入が多く見られます。

特に、調理場のコーナーを囲むように設置することで、スタッフとの双方向のコミュニケーションがしやすくなります。

居酒屋のコの字カウンターメリット・デメリット

コの字カウンターは居心地の良さと視線の交差による活気が魅力ですが、設置にはスペースやコストの課題もあります。導入前にメリットとデメリットの両面を理解しておきましょう。

メリット① 顧客との距離を縮め接客の質を上げられる

コの字カウンターは、厨房を中心に客席が囲む構造のため、どの席からでもスタッフと視線が合いやすく、会話が生まれやすい配置です。常連との関係構築はもちろん、初来店の方にも安心感を与えることができます。

この近さは、料理やお酒の説明を直接行える、目配り・気配りがしやすいという点で、サービスの質向上にも直結します。

メリット② 滞在時間と満足度が伸びやすくリピーターが増える

お客様同士の会話が自然と生まれやすく、1人飲みでも孤立しにくい設計のため、結果として滞在時間が長くなる傾向があります。これは追加注文(ドリンク・料理)につながり、客単価の向上を後押しします。

また、居心地の良さを感じた顧客はリピーターになりやすく、再来店率の向上が見込めます。

デメリット① 広さが必要になり設置に制限が出る

コの字カウンターはI字カウンターに比べて設置に必要な面積が広く、小規模店舗では動線確保や席数の制限につながる恐れがあります。厨房の中央配置によって、客席と厨房のバランス設計に制約が出る場合もあります。

スペースが限られている場合には、奥行きや席数の最適化、またはL字配置に変更するなどの検討が必要です。

デメリット② 初期コストがかかりやすく設計も複雑になる

木材・石材・スチールなど、コの字カウンターは素材の使用量が多くなる分、I字よりも製作費が高くなります。また、水道・電気配線・換気設備などもカウンター内部に回すため、工事費も上がる傾向があります。

施工には専門性が必要で、飲食店設計の実績がある内装業者への依頼が推奨されます。

居酒屋のコの字カウンターが売上に与える効果

コの字カウンターは、売上にどのような効果をもたらすのでしょうか。顧客の行動や店舗の運営に与える影響を見ていきましょう。

客単価を上げる要素として働く

コの字カウンターでは、お客様同士やスタッフとの距離が近く、会話が活発になります。その中で他人の注文が目に入りやすく、「あれ美味しそう」とオーダーが増える傾向があります。会話により「お酒もう一杯」などの追加注文も自然に生まれ、結果として客単価が上がりやすいと考えられます。

回転率が上がり売上効率が向上する

スタッフの動線が中央に集約されるため、料理の提供・オーダー確認・片付けなどがスムーズです。居心地の良さから滞在時間が長くなるお客様がいる反面、サービス提供の効率化によって回転率が高まり、限られた席数でもより多くの来客に対応できます。ピークタイムでもサービスが滞りにくく、売上の最大化につながります。

顧客満足度が上がりリピート率が増える

お客様との距離が近く、丁寧で個別性の高いサービスが実現しやすくなります。名前を覚えて声をかける、好みを把握しておすすめを提案するなど、「常連になりやすい空気」ができあがります。こうした体験が口コミやSNSでの拡散につながり、新規集客とリピート率の向上を後押しします。

居酒屋のコの字カウンターの施工や費用の目安

コの字カウンターを店舗に導入するには、空間設計から施工、設備選びまで計画的な準備が必要です。ここでは、設計時のポイントや施工の流れ、費用の目安について解説します。

コの字カウンターの設計はコンセプトから始める

コの字カウンターは、店舗の雰囲気やターゲット層によって最適なサイズやデザインが異なります。例えば「高級感のある隠れ家居酒屋」であれば、木目調の無垢材を使った幅広のカウンターが合い、「大衆酒場」ではステンレスや集成材などの素材がよく使われます。

座席数は、店舗全体の広さや収容人数、客単価の目標などを考慮して決定します。一般的に、一人当たりのカウンター幅は60cm程度、奥行きは45〜50cmが目安とされています。カウンターの高さは、一般的な飲食店では床から70〜75cm、立ち飲み形式では100〜110cm程度が標準です。

施工は専門の店舗内装業者に依頼する

コの字カウンターの施工は、専門的な知識と技術が必要なため、内装業者や店舗設計に特化した施工会社に依頼するのが一般的です。依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、実績や評判、担当者の対応などを比較検討することが重要です。

設計図面に基づいて、木工職人や建具職人がカウンター本体を製作し、電気工事士が照明やコンセントの配線を、水道工事士がシンクや水栓の設置を行います。

工期は、カウンターの規模や素材、店舗全体の工事内容によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月を要します。施工中は、進捗状況を定期的に確認し、疑問点や変更点があれば速やかに業者と連携することが大切です。

コの字カウンター設置の費用の相場

コの字カウンターの設置費用は、素材や規模、工事内容によって幅があります。費用の内訳には、カウンター本体の製作費、椅子や照明器具代、給排水・電気工事、内装仕上げ、設計費などが含まれます。

例えば、10席程度のカウンターを中級の木材で製作し、給排水・電気工事を含めた場合の費用目安は以下の通りです。

  • カウンター本体(木製など):100万〜200万円(1mあたり10万円〜20万円程度)
  • 照明・椅子・装飾:20万〜50万円
  • 設備・工事費(給排水、電気含む):100万〜300万円

合計で250万〜550万円程度が一つの目安ですが、店舗の状況や素材のグレードにより大きく変動します。

居酒屋でコの字カウンターを成功させる工夫

コの字カウンターは、設計や運営方法によって、居酒屋の魅力を大きく左右します。活かし方次第で、顧客満足度の高い空間をつくり出せます。

空間設計で快適さを高める

座席間隔は60cm前後を確保し、隣客と肩が触れない程度にゆとりを持たせます。カウンターの高さや奥行きも、食事のしやすさに直結するため、よく検討しましょう。照明や椅子の質も、滞在時間や満足度に影響します。

スタッフの動線を効率化する

コの字カウンターの中心に厨房やドリンクステーションを置く設計により、スタッフは最小限の動きでサービスが提供できます。お客様とのコミュニケーションも取りやすくなり、接客品質の向上につながります。

SNSで発信する

カウンターを中心に写真映えする演出(料理演出、器、照明)を意識し、来店客がSNSで投稿しやすい環境を整えます。

Instagramでの店舗タグ利用や投稿キャンペーンで、新規集客にも効果を発揮できます。

顧客との接点を増やしリピートを高める

コの字カウンターの特性を活かし、お客様との距離を縮める仕掛けを取り入れることで、居心地の良さとリピート率を高められます。

お客様同士やスタッフとの会話を自然に生むよう、カウンター上に「本日のおすすめ」や「人気メニューランキング」を掲示したり、共通の話題になる季節限定メニューを設けたりします。また、スタッフからの声かけや一言コメントを添えたメニューカードも効果的です。

さらに、リピーター育成の視点では、「いつものお客様」への気配りが重要です。来店頻度や好みを把握しておくことで、自然な会話が生まれます。例えば、「前回お召し上がりのあれ、今日もご用意していますよ」などの一言が、顧客満足を大きく高めます。誕生日や来店記念日に小さなサービスを加えることで、記憶に残る体験を提供できます。

居酒屋のコの字カウンターはライブ感でファンを増やす

コの字カウンターは、目の前で調理される料理やスタッフとの会話を通じて、他のレイアウトでは得られない体験を提供します。ライブ感のある演出と距離の近い接客がリピーターを増やし、店舗全体の雰囲気や売上アップにもつながります。初期投資や設計には工夫が必要ですが、継続的な集客とファンづくりを目指す居酒屋には十分に取り入れる価値があります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事