-印刷業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
印刷業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
印刷業界は90年代にピークを迎え、2019年の出荷額が80年代前半と同じくらいになるなど、下降状態にあります。
出典:日本印刷産業連合会「年次動向」
この他、印刷業界では原材料や輸送費に関するさまざまな課題に直面しています。原材料の価格変動は印刷業界にとって大きな課題の1つです。紙やインク、化学薬品などの原材料価格は市場の影響を受けやすく、大量生産を行う印刷業者にとってはコストの安定化が難しい状況にあります。また環境への配慮から、リサイクル素材や環境に優しいインクの使用が求められることも多いでしょう。
輸送費に関しても、原材料や製品の運搬に伴うコストが増加しています。国際的な原材料の調達や製品の配送においては、燃料価格や運送手段の制約が影響を及ぼします。特に国際物流においては船舶やトラックの運賃の変動が印刷業者の運営コストに直結しており、これらの変動に対処するためには戦略的な物流計画が必要です。
印刷業界は、原材料価格変動や輸送費増加への対処において、業務効率化が課題となっています。効率化はコスト削減と競争力向上に寄与し、的確な調達と効果的な物流戦略の実施が重要です。
印刷業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】多岐にわたる形態での請求書受領

ペーパーレス化が推進され、印刷業界では新事業分野を開拓することも盛んです。そのため、印刷業界において受領する請求書は、以前よりも多種多様な形態になりました。従来同様、「紙」での請求書もある中、電子メールやダウンロードなど「データ」による請求書受領もあります。
多様な形態で請求書を受け取った場合、関係者間で情報を共有することが難しいため、なるべく早い段階で統一した形態にすることが必要です。
【受領】債務管理ができないと資金繰りが不安

中小企業の割合が多い印刷業界においては、受領する請求書は支払処理に直接関係するため、資金繰りへの影響が大きいと言えます。
会社全体の資金繰りは債権管理と債務管理とがバランスよくできていることが重要であり、特に債務管理において支払遅延に陥ると、会社の信頼性にも影響します。したがって、資金繰りのために債務管理に時間も人手も割けない状況は危険です。
【発行】新たな事業はシステムが別

印刷業界では、従来は紙媒体の印刷の比重が大きかったものの、ペーパーレス化の進展により紙媒体の需要は減少傾向にあります。
そのため、印刷業界は新しいビジネスモデルの構築など、新たな事業を展開するケースが出てきています。ところが、新たな事業は別のシステムで管理されるため、従来の請求書発行ソフトでは対応ができないと業務の効率が悪くなるでしょう。
【発行】法令対応が不十分

最近では、インボイス制度の導入により新たな対応が必要になっただけでなく、電子帳簿保存法による対応も必要になりました。
これらの対応にあたっては経理要員の手探り状態となる中小の印刷会社も多いのが現状です。法令改正は毎年のようにあるため、今後もメンテナンスは必要であり、対応が適正か絶えず不安を抱えているのは大きなリスクと言えます。
印刷業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
印刷業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例①
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。

請求書受領・経費精算業務の改善例②
電気機械器具の製造を扱う同社では、請求書受領からの支払業務に多くの手間と時間がかかることを問題視していました。
紙で受領する請求書から会計ソフトへと振込システムへそれぞれ入力するようにしていたため、入力や転記ミスへの不安も大きかったようです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
印刷業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
請求書の受領から支払処理までは、どんな形態で請求書を受領した場合も同様に進める必要があります。したがって、紙の請求書の取り扱いとして、業務フローの上流でデータ化することをおすすめします。
データ化のための工数が足りない場合には、紙の請求書のデータ化やシステムへのアップデートを代行するサービスの利用が考えられます。
しかし、利用する債務管理ソフトに詳しくない委託先では不安です。そこで、紙の請求書のデータ化や請求明細の下書きの入力代行というオプションサービスが付帯している債務管理ソフトを選ぶのがよいでしょう。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
新たな事業分野を開拓した印刷会社では、販売管理システムが複数になることもあります。
したがって、より多くの上流システムとの連携ができる請求書発行ソフトを選択することをおすすめします。
項目設定しておけば、現行の販売管理システムから出力するCSVファイルをアップロードするだけで請求書を一括作成できるといった柔軟な対応ができるシステムがよいでしょう。
また、導入するシステムについて、法人税、消費税、電子帳簿保存法などの改正に対応しているものを選択すれば、安心して利用できます。