-専門商社向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
専門商社の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
専門商社業界では、多岐にわたる製品やサービスを提供する中で、現在さまざまな課題に直面しています。まず、市場環境の変化に伴い、需給の変動や新興市場の台頭などが業界全体に影響を与えています。これにより、商品の需要予測や在庫管理が難しくなり、効果的なサプライチェーン管理が求められています。
専門商社の1つである三井物産アグリフーズでは、サプライチェーンを活用したビジネスフローを構築し、新ビジネスの創造を進めています。
出典:三井物産アグリフーズ「東邦物産_三井物産seafoods_230301」
一方で、デジタル技術の進化により、ビジネスの国際化やオンラインプラットフォームの活用が必須となっています。これに伴い、専門商社業界ではデジタルマーケティングや電子商取引の導入が求められ、競争が激化しています。またグローバルな取引が増加する中で、通関や国際取引における法規制の複雑性も増しており、それに対処するための戦略が必要です。
専門商社業界は、繁雑な取引や物流プロセスを迅速かつ正確に処理することが求められています。その中でも請求書作成や支払い処理は特に重要であり、これらを効率的に行うことで取引パートナーとの信頼関係を構築し、業績を向上させることができます。
専門商社における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】国内外の請求書を取り扱う

特定の分野の商品を専門的に扱う専門商社では、専門性の高い商材について取引の仲介をしたり、商材の価値を高めて流通させたりします。
専門商社のバックオフィスにおいては、国内だけでなく国外との取引も盛んであるため、受領した請求書の記載事項が正しいかどうか、よく確認する必要があります。その際、海外との取引では貿易の慣習や条約等にも注意する必要があるでしょう。
【受領】決済処理に留意する必要がある

専門商社において受領した請求書は、事前に取り決めた条件にて決済する必要があります。決済条件を守らないと、取引先との信頼関係が損なわれるほか、遅延損害金を求められる可能性もあるでしょう。
また、海外から受領する請求書に対しては、為替レートの変動に注意が必要であり、変動リスクを回避するためには為替予約などの専門知識も必要です。
【発行】請求前の確認が重要

国内取引がメインとなる専門商社では、国内における中間業者として取引先の商品やサービスをマッチングします。このマッチングにおいて発生する「手数料」「買値と売値の差」が利益となります。
したがって、請求処理においては資料をよく確認し、請求内容だけでなく、請求タイミングや送付先についてもミスのないよう、事前の確認が重要となるでしょう。
【発行】業務の属人化を排除する

専門商社のバックオフィス業務においては、業務の属人化が起こりやすい傾向にあります。それは、請求書発送処理においても、担当要員の経験値やスキルに依存する部分が多いことによるものです。
しかし、属人化が進むと事務全体の効率化や品質の維持が難しくなるため、「標準化」が求められます。
専門商社業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
専門商社業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例

請求書受領・経費精算業務の改善例①
株式会社オカフーズ様では、【受領した請求書を表計算ソフトにまとめる→会計ソフトに転記する→銀行の振込サービスに転記する】というステップを踏んでいました。
「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入後は1ステップに減り、ミスの減少や時間短縮が実現しました。
請求書受領・経費精算業務の改善例②
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
専門商社の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
専門商社では、仕入先からの商品などとともに請求書を受領した後、メールで到着を知らせることもあります。その他、複雑な取引においては支払までに確認手順が多いことがあります。そのため、人手が省略できる手順があれば極力利用するのがよいでしょう。
例えば、データで受領した請求について、そのデータを自動保存をしたり、メールの添付ファイルで受領した請求についてAI OCR機能で支払先や支払金額等の入力を自動化したりすることができれば手間が省けます。
債務管理ソフトを導入するにあたっては、機械的にできる手順は省略し、確認すべき箇所を明らかにすることが重要です。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
中間業者として取引先の商品やサービスをマッチングする商社において、請求書発行ソフトを選択する際、CRM(顧客管理システム)との連携は重要視したいポイントです。
CRMで顧客情報を一元的に管理し、取引履歴や問い合わせ履歴などを把握しておけば、あとは受注データに紐づけると自動的に請求情報が得られます。
また、請求書発行ソフトにメール送信機能があれば、請求書を自動的にメールで送信することもできます。このように、収益の根幹をなす売上が安心して計上できるよう、請求書発行ソフト導入においては上流システムとの連携に着目したいものです。