-精密機器業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
精密機器業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
精密機器と一口にいっても、電子部品や自動車部品、医療機器、OA機器など、企業ごとに取り扱う製品は多岐にわたっており、直面する課題も異なります。精密機器業界全体に関しては、近年の半導体不足や原材料価格の高騰による影響が続いており、安定的な供給量の確保に苦慮する企業も多いでしょう。
また国際的な競争が激化しており、技術革新の加速や社内での技術力向上、国際的なサプライチェーンの構築など、経営基盤の強化が求められています。
たとえば一般社団法人電子部品部会(JEITA)の調査によると、2022年における日系企業の世界シェアのうち、電子部品は約34%に達しているものの、半導体やコンピュータ及び情報端末はいずれも1割未満に留まっており、国際的な競争力の強化が望まれます。
参考:日本の電子部品産業の強み|JEITA 電子部品部会
このような背景においては、社内での業務効率化への取り組みが必要不可欠です。特にバックオフィス業務を効率化することで、反復的な業務を削減し、より戦略的な業務に社内のリソースを集中させることが可能となります。DXによる業務効率化を推進することで、精密機器業界は技術革新の流れに対応し、企業としての持続可能な成長を実現しやすくなるでしょう。
精密機器業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】各部署で手入力処理を行っているため、工数がかかる・ミスが発生しやすい
精密機器業界では、複数の部署が多種多様なサプライヤーからの請求書を取り扱うことが一般的です。部品の購入や研究開発、外注サービスなど、さまざまな請求書を各部署で手作業によって処理する場合には、時間を要するだけでなく、入力ミスのリスクも高くなります。
たとえば個々の部品についても正確なコードや数量、金額を入力する必要があり、このような煩雑な業務は社内の労働生産性を低下させる原因にもなるでしょう。
【受領】請求内容の問い合わせの際に、請求書を探すのが大変
精密機器業界においては、取り扱う部品などが多いため、取引先から請求内容に関する問い合わせが発生するケースも少なくありません。その際に請求書が紙ベースで管理されていると、特定の請求書を探す場面でも多くの時間が費やされてしまいます。
非効率な請求書の管理体制に陥ることで、書類の検索性が低下することに加え、ファイリングや書類管理にも時間を割くこととなり、担当者の業務負担増加にもつながるでしょう。
【発行】紙ベースのため、内容変更・更新があるたびに郵送し直すなどの作業が発生
精密機器業界では、歴史のある企業も多いことから、依然として請求書を紙ベースでやりとりするケースも珍しくありません。そのため請求内容に変更や更新がある場合には、新たに請求書を印刷し、再度郵送する必要があります。
特に部品の仕様変更や納期の延期などが発生するケースも多く、それらの情報を反映させた新しい請求書を発行し直すためには一定の工数を要するだけでなく、郵送による遅延や請求書の紛失リスクも伴います。
精密機器業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書受領業務や保管業務をなくしたい場合
受領請求書には、依然として紙の請求書も多く、相手先のことを考えるとすべて請求データで受領することは現実的ではありません。そこでBPOサービスが付帯しているシステムを選択すると、導入したシステムに合わせて、業務プロセスの一部分を委託できます。
「マネーフォワード クラウド債務支払のBPOサービス」では、紙の請求書のデータ化・システムへのアップデート代行・請求書明細の下書き入力代行・証憑のファイリングと保管業務の代行などが可能です。支払申請の下書き入力をアウトソースすることにより、会社では内容を確認し、支払業務のみに業務を減らすことができます。
③請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
精密機器業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例
電気機械器具の製造を扱う同社では、請求書受領からの支払業務に多くの手間と時間がかかることを問題視していました。
紙で受領する請求書から会計ソフトへと振込システムへそれぞれ入力するようにしていたため、入力や転記ミスへの不安も大きかったようです。
請求書受領業務の改善例
株式会社ガイアドリーム様では、取引先からメールや郵送、FAXなどのさまざまな形式で請求書を受け取るため、電子帳簿保存法への対応に悩んでいました。
元々導入していたストレージサービスにはOCR機能がなかったため、スキャンした請求書については、取引先や金額などの情報を手入力しなければならず、非効率な業務体制に陥っていたそうです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
精密機器業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
精密機器業界の企業が請求書ソフトを導入する場合には、手作業による業務の削減を追求しましょう。請求書ソフトの中には、取引先などからメールで受け取った請求書の自動取り込みや、紙媒体で送付された請求書の受け取り代行を提供するサービスもあります。
請求書のデータ化に取り組むことで、入力作業を削減できるだけでなく、ヒューマンエラーのリスク軽減にも効果的です。
また社内の承認プロセスまでオンライン完結できれば、部署をまたがる手続きもスムーズに行えるため、請求書の受領から支払いまでの業務フローを効率化することが可能です。さらに請求書管理もデータ化すれば、書類の検索性向上も期待できるため、社内の労働生産性も高まるでしょう。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
精密機器業界の企業が請求書ソフトを導入し、自社の請求書発行業務を効率化する場合には、郵送作業からの脱却も重要なポイントです。
取引先や品目登録機能などを用いて、請求書の作成手続きを自動化するだけでなく、取引先に対する送信機能を活用すれば、請求書発行業務全体の工数削減にも効果的です。取引先ごとにメール送信と郵送を設定し、送信機能のあるソフトを導入することで、請求内容に変更があった場合にもその都度請求書を更新して再送できるため、経理担当者の負担軽減につながるでしょう。
さらに作成した請求書を会計データと連携できれば、売上仕訳の生成を自動化でき、経理処理の効率化やリアルタイム化にも役立ちます。