-鉄鋼・金属・鉱業業界向け-請求書ソフトの選び方・よくある課題・導入事例
更新日:2024年4月12日
鉄鋼・金属・鉱業業界の現状と課題、DXや業務効率化の必要性
鉄鋼・金属・鉱業業界では、経済のグローバル化や環境問題、技術革新の波に直面しています。特に環境規制の強化については、各業界に大きな影響を与えています。資源エネルギー庁によると、2020年度における国内の部門別CO2排出量では製造業が3分の1を占めており、さらに製造業の中でも鉄鋼業が約36%にまで達しています。
参考:鉄鋼業の脱炭素化に向けた世界の取り組み(前編)~「グリーンスチール」とは何か?|資源エネルギー庁
このような背景から、業界内ではカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが重要視されており、今後に向けて、よりクリーンな生産プロセスへの移行が必要です。また国際金属市場における価格の変動は、特に鉱業において利益に直接的な影響を与えます。さらに中国などの新興国の需要増加により、資源へのアクセス競争が激化しています。
これらの課題に対応するためには、限られた労働力を技術開発や人材育成に投入できるよう、社内における業務効率化が欠かせません。特にバックオフィス業務における効率化は、コスト削減と経営資源の最適化に必要不可欠です。DXを通じて業務を自動化することで、時間のかかる手作業や反復業務を削減し、余った人的リソースをより生産性の高い業務に注力できるでしょう。
鉄鋼・金属・鉱業業界における請求書受領・発行業務のよくある課題
【受領】請求書を会計ソフトに手入力していることも

鉄鋼・金属・鉱業業界では歴史のある企業が多く、紙媒体による請求書のやりとりなど、アナログな業務も少なくありません。紙で受領した請求書を会計ソフトへ手入力するケースも多く、経理業務の負担増加や入力ミスの発生リスクが高まる原因になります。
また受領した請求書の処理をまとめて行うケースも多いことから、会計ソフトへの入力作業にもタイムラグが発生しやすく、最新の経営状況を把握しづらい点も課題といえるでしょう。
【発行】企業によっては鋼材検査証明書の発行も必要

鋼材製品を扱う企業では、鋼材検査証明書(ミルシート)の発行や保管が義務付けられており、紙ベースでの作成を行う場合には、まとまった業務負担が発生します。また専門知識を要することから、業務が属人化しやすく、特定の従業員に業務負荷が偏る原因になりかねません。
さらに作成した鋼材検査証明書を紙ベースで保管する場合には、情報の検索性に乏しいため、顧客からの問い合わせに対する回答が遅延しやすくなります。
【発行】電子データで受領したいという取引先も増えている

時代の流れとともに、「請求書や領収書のやりとりをデータ化したい」と考える企業が増加しています。鉄鋼・金属・鉱業業界でも、取引先から電子データによって請求書を発行するよう依頼を受けるケースも珍しくありません。
その一方で、従来どおり紙ベースによる請求書を希望する取引先も多いことから、取引先ごとに異なる発行方法が求められる場面も多く、請求業務の負担増加や人為的ミスが起こりやすくなります。
鉄鋼・金属・鉱業業界の請求書関連の課題解決に向けたDX例
①請求書の受領~会計処理を効率化したい場合
仕入先などから受領する請求書については、社内での承認作業や振込手続き、会計システムへの入力、請求書の保存などの業務フローを踏まえ、業務効率化のための最適な方法を実践しましょう。
「マネーフォワード クラウド債務支払」では、メールで受領した請求書データを自動で取り込み、AI OCR処理を行うことで、支払条件などの情報を読み取ることが可能です。
受領した請求書については、あらかじめ設定した社内のワークフローに基づいて承認作業を行ったあと、ワンクリックで振込指示ができます。APIを用いたシステム間連携もできるため、「マネーフォワード クラウド債務支払」の情報を会計システムやマスタ管理にも活用し、バックオフィス業務全体の効率化を追求することが可能です。
②請求書作成~送付を効率化したい場合
毎月の請求業務を効率化するためには、自社が発行する請求書の作成から送付までの一連の業務フローを踏まえ、担当者による手作業をできる限り削減することが重要です。
「マネーフォワード クラウド請求書Plus」では、社内のCRMや販売管理システムと連携し、手入力なしで簡単に請求書データを作成することが可能です。
社内の申請・承認を行った請求書についてはメールや郵送で一括送付でき、担当者の発送業務の負担を大幅に軽減できます。さらに作成した請求書の情報は会計システムにも売上仕訳として反映でき、自社の損益状況をリアルタイムで把握する際にも有用です。
③帳票送付業務を自動化したい場合
作成した請求書を取引先に送付する際、郵送の場合には印刷や封入、発送作業が必要となり、送付件数によっては担当者がまとまった時間を拘束されてしまいます。
「マネーフォワード クラウドインボイス」では、作成した帳票データをアップロードすれば、あとはワンクリックで一括送信することが可能です。
またWeb送付や郵送、メール送信などの送付方法は取引先ごとに設定できるため、取引先の都合などによって急に送付方法を変更しなければならない場合にも、設定を変更するだけで対応できます。
鉄鋼・金属・鉱業業界の企業様に参考となる請求業務の改善事例
請求書受領・経費精算業務の改善例①
製菓・製パンメーカー向けに食品香料や原材料の製造販売、輸入販売を行う株式会社ナリヅカコーポレーション様では、紙やエクセルを中心に行う経理業務に課題を抱えていました。
各拠点から、紙媒体で経費精算の申請書や請求書を本社へ郵送・一括処理しており、経理業務にタイムラグが発生していました。

請求書受領・経費精算業務の改善例②
電気機械器具の製造を扱う同社では、請求書受領からの支払業務に多くの手間と時間がかかることを問題視していました。
紙で受領する請求書から会計ソフトへと振込システムへそれぞれ入力するようにしていたため、入力や転記ミスへの不安も大きかったようです。
請求書受領・送付業務の改善に役立つお役立ち資料
鉄鋼・金属・鉱業業界の企業様が請求書ソフトを導入する際のチェックポイント
請求書受領に関するソフト導入の場合
請求書ソフトの導入を検討する場合、請求書の受領に関しては、手入力の削減を念頭に置き、サービスの比較検討を行いましょう。
請求書ソフトの中には、メールで受領した請求書のデータ保存や請求書情報の自動入力に加え、紙で受け取った請求書の開封やデータ化を代行するサービスも提供されています。その後の社内における承認フローや、振込み手続きまでオンライン上で完結できれば、ペーパーレス化にも役立ちます。
また請求書ソフトを導入する際には、会計ソフトとの連携機能についても確認しましょう。データ化された請求書情報を会計ソフトに反映することで、仕訳が自動生成されるなど、経理処理の効率化やリアルタイム化に貢献します。
請求書発行(送付)に関するソフト導入の場合
請求書ソフトを導入し、自社の請求書発行業務を効率化する場合には、ボトルネックとなっている工程を精査し、課題解決に適した機能の有無を検証する必要があります。たとえば顧客によって請求書の送付方法が異なる場合には、取引先ごとにメール送付と郵送を区分設定できるソフトを選ぶことで、毎月の発送業務を簡略化することが可能です。
また作成した請求書の情報を会計ソフトと連携できれば、売上仕訳の自動生成が可能となるなど、経理処理の効率化にもつながります。
加えて鋼材検査証明書の作成が必要な場合には、手作業で行う業務の削減や属人化の解消、データ保管への移行による検索性の向上が可能なソフトを検討することをおすすめします。