電力業界向けの電子契約システムの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年5月14日
電力業界が契約業務の効率化を進めるべき理由
電力業界は2016年の電力小売自由化以降、競争が激化しており価格競争が求められています。加えて、外的な要因からの燃料費高騰の影響もあり、業務全体でコストカットが求められていると言えるでしょう。とりわけ、契約業務をはじめとするバックオフィス業務については、人的リソースの削減も含めた抜本的な業務効率化が求められます。
電力業界においては、特別高圧電力の契約や買電契約など、内容が複雑になりがちな契約の発生も想定されます。また、発電所、変電所、送電設備など電力供給においては様々な設備が必要なため、各種の工事に関わる契約も必須です。
契約の内容を精査することに時間をかけつつ、業務全体として効率化を進めるためにも、業務フローを見直し、効率的に業務を進める必要性は非常に高いと言えるでしょう。
電力業界の契約業務において悩みがちなポイント
内部統制を強化しつつ社内フローを効率化したい

電力業界では、大規模な工業施設向けの特別高圧電力の供給や、電力会社同士のバックアップ契約などをはじめ、非常に機密性の高い契約を結ぶシーンも少なくありません。また、技術的な分野も絡んでくることも想定されることから、他の業界と比較しても契約に非常に高いコンプライアンスが要求されます。
社内フローの効率化は必須ですが、同時に内部統制の強化も求められるのです。
紙が中心の契約業務をペーパーレス化したい

電力はあらゆる個人・法人に必要不可欠です。個人の契約の場合、インターネットやハガキなどの簡易なやり取りでも契約は可能ですが、法人契約の場合、契約書の締結が求められるシーンも多く想定されます。
契約を全て紙の契約書で締結した場合、紙代がかかるだけでなく契約書の保管、管理にもコストが発生してしまいます。このようなコスト面の課題の他、環境への配慮からもペーパーレス化のニーズは高いと言えるでしょう。
収入印紙代や郵送代を減らしたい

紙の契約書の中には、印紙税法上の「課税文書」に該当し、契約書に印紙を貼る必要があるものも存在します。印紙の金額は契約金額に連動して高くなるため、ときには高額となるでしょう。
電力業界においては、課税対象にあたる契約としては設備などを対象とした工事の請負契約の発注などが該当します。
設備の工事は非常に高額となるケースもあり、発生する印紙代や契約書のやり取りに発生する郵送代も無視できません。
電力業界の契約担当者が電子契約システムを比較する際のポイント
契約書の作成から申請、締結、保管までオンラインで完結
電子契約システムにおいては、契約書の作成、申請、承認から保管まで全てのフローがシステム上で完結するかチェックしましょう。オンラインで契約が完結すれば、社内外とのやり取りが非常にスムーズであるため、効率的かつ低コストで契約を進めることができます。各契約において関係者以外が操作、閲覧できないよう権限を設定することにより、業務効率化とコンプライアンス強化を同時に実施できることも重要です。
紙の契約書と電子契約をまとめてクラウド上で管理
システムの選定においては電子契約だけでなく従来の紙の契約書もクラウド上で一括保管できることも重要です。従来の紙の契約書も電子ファイルとして保存できるだけでなく、今後紙での契約を結ばざるを得ない取引先との契約書も、システム上で一括管理できます。あらゆる個人・法人と契約を行う電力業界においては、全ての契約を電子化することは難しいことも想定されるため、いかに紙の契約書の管理コストを下げるかも重要です。
電子契約で印紙代や郵送費が0円に
電子契約システムで契約書等の書類を作成することで、印紙代を0円にすることができます。電子契約は「課税文書」に該当せず、印紙代が発生しないためです。電力業界で定期的に発生する設備の工事発注は時に膨大な金額となり、高額な印紙代が発生します。電子契約であれば、工事金額に関わらず印紙代がかからないため、コスト削減効果は非常に高いと言えるでしょう。電子契約はメール等でやり取りできるため郵送費も発生しません。
電子契約システムの導入で契約業務を効率化できた事例
株式会社THIRD様の事例
不動産、建築業界向けにITツールを提供する株式会社THIRD様では、マネーフォワード クラウド契約の導入により業務効率化と内部統制強化を両立させました。
これまでSlackやExcelを使い紙の契約書を管理する中でコストやリスクも残る運用でしたが、IPOに向けて業務を見直ししました。
クラウド上で効率的にフローが進むだけでなく、ステータスの管理も実現することにより、高い水準の内部統制強化を実現しています。
株式会社 ADX Consulting様の事例
コンサルティング事業を展開する株式会社 ADX Consulting様では、マネーフォワード クラウド契約により大幅な業務効率化、ペーパーレス化を実現されています。
業務の性質上、1社との契約でも付随するドキュメントを含めると、契約業務が多い業態です。
紙での契約の場合、印刷のコストがかかるだけでなく、契約業務対応での出社が必要な状況でしたが、電子契約の導入により、週1程度の出社での対応を実現しています。
ファミリーイナダ株式会社様の事例
マッサージチェアの製造・販売を手掛けるファミリーイナダ株式会社様では、マネーフォワード クラウドを活用し年間10万円以上の印紙代を削減されました。
従来の紙での契約業務は申請から承認に時間がかかるだけでなく、ステータスの把握が困難なことを含め、多くの業務負荷がかかっていました。システムの導入により、最大1週間かかっていた押印が最短5分に、さらに印紙代も年間10万円削減と、大きな成果が出ています。