契約書の種類・書き方に関する実態調査

作成日:2026年6月3日

1. 調査概要

本レポートは、企業で契約書の管理・保存に関する業務を担う担当者を対象とした調査結果をまとめたものです。契約書の保管方法、管理・保存における課題、目的の書類を探し出すまでの時間、管理体制の改善・システム導入の必要性などを明らかにしており、自社の制度設計・運用改善やコンテンツ設計にお役立ていただけます。

  • 調査時期:2026年2月実施
  • 調査対象:契約書の管理・保存に関する業務(電子契約の運用、ファイリング、台帳作成など)に携わった経験がある方
  • 有効回答数:全回答者849名(うち管理・保存業務の経験がある416名がメイン対象)
  • 回答者属性:会社員(事務系)が中心で、幅広い年代が関与

回答者の契約書管理・保存業務への関与状況

  • 関わったことがない:36.7%
  • 直接担当している:26.1%
  • 部署の責任者として管理している:22.9%
  • 過去に担当していたが、現在は担当していない:13.0%
  • わからない/答えられない:1.3%

2. 調査結果サマリー

4つのポイント

  1. 契約書の保管方法は「自社内のキャビネットや倉庫で保管(53.8%)」が最多で、次いで「社内共有サーバーやクラウドストレージ(40.6%)」「契約管理専用システム(32.2%)」となり、紙ベースのアナログ管理とデジタル管理が混在する過渡期にある。
  2. 管理・保存における課題のトップは「過去の契約書を探し出すのに時間がかかる(34.4%)」で、次いで「スキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多い(28.6%)」「電子帳簿保存法などの法令対応への不安(24.5%)」が続いた。
  3. 特定の契約書を確認する際「10分~30分程度かかる(54.3%)」が最多で、「1時間以上かかる」「見つけられない」層を含めると約7割が即座(10分以内)には目的の書類にたどり着けていない。
  4. 今後の管理体制の改善について「非常に必要性を感じる(25.2%)」「ある程度必要性を感じる(54.1%)」を合わせると79.3%が現状の管理プロセスからの脱却やシステム化を望んでいる。

3. 調査結果の詳細

3-1. 契約書の管理・保存業務への関与状況

全回答者に対し、現在お勤め先において契約書の管理・保存に関する業務(電子契約システムの運用、原本のファイリング、管理台帳の作成など)に携わっているかを尋ねました。

  • 関わったことがない:36.7%
  • 直接担当している:26.1%
  • 部署の責任者として管理している:22.9%
  • 過去に担当していたが、現在は担当していない:13.0%
  • わからない/答えられない:1.3%

「直接担当している」と「部署の責任者として管理している」を合わせると約半数が現在進行形で業務に関与しており、過去の経験者を含めると6割以上が実務に関わっています。属性別では、経営者・役員で「直接担当している」割合が50.5%と過半数を占め、経営層自らが契約書の管理実務に携わるケースも多いことがうかがえます。男性30代でも「直接担当している」が36.5%と全年代の中で比較的高く、現場の最前線で実務を回している層となっています。

3-2. 契約書の管理・保存方法(複数回答)

契約書の管理業務経験者416名を対象に、過去に締結した契約書の管理・保存において現在採用している方法・場所を尋ねました。

  • 自社内のキャビネットや倉庫で保管:53.8%
  • 社内共有サーバーやクラウドストレージ(Google Drive, Box等)に保存:40.6%
  • 契約管理専用のシステムで保存:32.2%
  • 外部の書類保管サービスを利用:21.6%
  • 特に決まったルールはなく、担当者ごとに管理している:6.7%
  • その他:0.7%

「自社内のキャビネットや倉庫で保管」が最多となり、依然として物理的な紙ベースでの保管が主流であることが明らかになりました。クラウドストレージや専用システムも一定数利用されており、アナログとデジタルが混在しています。属性別では、男性60歳以上(76.7%)・女性50代(67.7%)で「自社内のキャビネットや倉庫で保管」の割合が特に高く、年代が上がるにつれて紙ベースのアナログ管理が根強い傾向にあります。

3-3. 契約書の管理・保存における課題・負担(複数回答)

管理・保存を行う中での課題や負担を尋ねました。

  • 過去の契約書を探し出すのに時間がかかる:34.4%
  • スキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多い:28.6%
  • 電子帳簿保存法などの法令対応が不十分、または不安がある:24.5%
  • 紙の原本の保管スペースが不足している:22.8%
  • 契約書ごとの閲覧権限の設定やセキュリティ管理が難しい:21.2%
  • 最新の契約書と古い版の区別(バージョン管理)が煩雑:21.2%
  • 更新期限や解約通知期限の把握が漏れやすい:18.8%
  • 特に課題はない:11.8%
  • その他:0.2%

「過去の契約書を探し出すのに時間がかかる」が最も多く、次いで「スキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多い」が挙げられ、検索性の悪さと手作業の手間が大きなネックになっています。属性別では、女性20代で「スキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多い」を課題とする割合が55.6%と突出して高く、若手担当者にアナログな手作業のしわ寄せがいっている様子がうかがえます。

3-4. 特定の契約書を探し出すまでの時間

特定の契約書を確認する必要が生じた際、目的の書類を検索・閲覧できるまでの時間を尋ねました。

  • 確認に10分~30分程度かかる:54.3%
  • 概ね10分以内に確認できる:31.7%
  • 確認に1時間以上かかる(または別拠点からの取り寄せが必要):8.7%
  • 見つけられないことが頻繁にある:3.8%
  • わからない/答えたくない:1.4%

「確認に10分~30分程度かかる」が過半数を占め、10分以内に見つけられる人は約3割にとどまりました。「1時間以上かかる」「見つけられない」層を含めると、約7割が素早く目的の書類にたどり着けていない実態があります。属性別では、男性20代(83.3%)・男性30代(76.9%)で「確認に10分~30分程度かかる」と回答した割合が非常に高く、実務の最前線で書類探しに多くの時間が奪われています。

3-5. 管理体制の改善・システム導入の必要性

今後、契約書の管理体制を改善するために、電子契約システムの導入や管理プロセスの刷新が必要かを尋ねました。

  • ある程度必要性を感じる:54.1%
  • 非常に必要性を感じる:25.2%
  • あまり必要性は感じない:13.0%
  • 全く必要性は感じない:3.8%
  • わからない:3.8%

「ある程度必要性を感じる」と「非常に必要性を感じる」を合わせると約8割に上り、多くの担当者が現状からの脱却やシステム化を望んでいることがわかりました。属性別では、男性30代で「非常に必要性を感じる」割合が41.0%と全年代で最も高く、実務の課題感からシステム導入による抜本的な業務改善を強く求めていることがわかります。

4. 調査結果から見える課題と対策

本調査の結果から、契約書の管理・保存において、3つの課題と、その対策の方向性が浮かび上がりました。

課題①:検索性の悪さによる時間ロス

管理・保存の課題トップは「過去の契約書を探し出すのに時間がかかる(34.4%)」であり、約7割が目的の書類に10分以内にたどり着けていません。紙とデジタルが混在する中で、いざという時に契約書が見つからない検索性の悪さが大きなストレスとなっています。

対策の方向性:紙・電子を問わずキーワードで一元検索できる仕組みを導入し、「探す時間」を削減することが有効です。検索にかかる時間を人件費コストとして可視化すると、システム化の必然性が高まります。

課題②:スキャン・台帳入力など事務作業の工数

「スキャンや台帳入力などの事務作業の工数が多い(28.6%)」が2番目の課題に挙がり、特に女性20代では55.6%と突出しています。紙の契約書をスキャンし台帳に手入力する名もなき事務作業が、現場の負担となっています。

対策の方向性:契約情報の自動台帳化や、紙と電子を同じ画面で扱えるハイブリッドな管理方法を提示し、手作業による事務工数を削減することが望まれます。

課題③:法令対応への不安と二重管理

「電子帳簿保存法などの法令対応への不安(24.5%)」があり、紙のキャビネット保管とクラウドの併存による二重管理も課題となっています。どこから手をつけるべきか、法律面で誤った対応をしていないかという不安を抱えています。

対策の方向性:電子帳簿保存法に対応した契約書管理のチェックリストや、二重管理から脱却するための具体的なステップを提供し、法令対応の安心感とともにシステム化を後押しすることが効果的です。

5. まとめ

本調査からは、契約書の保管が紙のキャビネットを主流としつつデジタルと混在する過渡期にあり、担当者が「契約書を探す時間のロス」と「スキャン・台帳入力の事務作業」に大きな負担を感じている実態が明らかになりました。約7割が書類を即座に見つけられず、約8割が管理体制の刷新やシステム化を望んでいます。

  • 検索性の悪さによる時間ロス:約7割が契約書を10分以内に見つけられない → 確認待ちのストレスと人件費の無駄
  • 事務作業の工数:スキャンや台帳入力の手作業が負担、特に若手にしわ寄せ → 属人的な事務工数の増大
  • 法令対応への不安と二重管理:電帳法対応への不安と紙・クラウドの併存 → 法令違反リスクと管理の非効率

これらの課題に対しては、紙・電子を一元検索できる仕組みの導入、契約情報の自動台帳化による事務工数の削減、電子帳簿保存法に対応したチェックリストや二重管理脱却のステップ提供を進めることが、契約書管理の負担を軽減し業務を効率化する鍵となります。

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出典

マネーフォワード クラウド、契約書の種類・書き方に関する調査データ(回答者:849名のうち管理・保存業務の経験がある416名、集計期間:2026年2月)

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