サンクスラボ株式会社

業務効率化だけでなく、本来あるべき労務管理を考えるきっかけとなるツール

サンクスラボ株式会社 コーポレート部門 部門長 堀井淳之様
導入済みのシステムは使いにくく、内部統制のためにも切り替えを検討
沖縄・九州エリアを中心に国内外に26拠点を展開しているサンクスラボ様。IT事業と障がい者への就労支援などの福祉事業を提供し、多様な勤務形態の従業員を雇用しています。これまで勤怠管理は、沖縄エリアの事業所では他社システム、九州エリアは紙のタイムカードを利用していました。また、給与計算は社労士事務所に任せていたため、欲しいデータを社内ですぐに確認できない状況にありました。

2020年11月、全社での勤怠管理の統一化と内部統制を進めるために、マネーフォワード クラウド勤怠、クラウド給与を導入。給与振込などの業務を大きく効率化できた上、社内での勤怠・給与関連データの一元管理を実現されました。そして、クラウド勤怠のシステムを利用すること自体が、全従業員の労務管理の意識を高めることに役立っているそうです。今後は、実際に集約された勤怠データから仮説を立てながら検証し、柔軟な働き方に取り組む予定です。

従業員の増加に伴い内部統制の必要性を感じた

紙のタイムカードを郵送し、エクセルでデータ管理。給与計算も手入力

堀井様:私たちは「IT×福祉」をテーマに、IT事業とともに福祉事業を展開しており、障がい者の方に向けた就労支援を手掛けています。創業6年目の今、沖縄・九州エリア中心に国内外に26拠点を展開し、従業員数も約500名を擁するまでに成長しました。

もともと従業員の勤怠管理には紙のタイムカードを利用し、本社へ郵送する形式を取っていました。有給休暇も紙の届出書で申請し、事業所の管理職がエクセルにまとめて送付する方式でした。また、給与計算では、出勤日数や勤務時間などのデータも各事業所側でエクセルにまとめてもらい、担当スタッフが給与計算ソフトに手入力していました。しかし、従業員数が増えていく中、このやり方に限界を感じ、2020年4月から勤怠管理・給与計算・社会保険の算定・手続きなどを社労士事務所に任せることにしたのです。

このとき、労務関連の各種データを管理できるクラウドシステムを使うように勧められ、そちらを導入しました。各事業所での勤怠管理もクラウド上で打刻する方式に切り替えようとしましたが、新型コロナウィルスの影響で、遠方の事務所に出向いて直接サポートすることが難しくなりました。そのため、本社のある沖縄エリアのみしかクラウドシステムでの打刻を普及させられず、九州エリアはそのままタイムカードを使っていました。

導入したシステムが使いにくく、従業員の業務への意識低下も

社労士事務所に労務管理を任せたことで、給与計算の作業負担が一切なくなり、ずいぶんラクにはなりました。しかし、その時に導入したシステムが、あまりユーザーフレンドリーではなかったので、担当スタッフも少しやりにくそうにしていました。また、雇用保険の適用事務所ごとにしか画面が表示されない仕組みのため、全事業所のデータを一覧で表示することができないのがネックでした。毎回アカウントを切り替えてログインし直す手間が掛かってしまうので、会計事務所に送る毎月のデータをまとめるのが大変でした。それに、福祉関連の助成金申請などに必要なデータを集めるのも大変で…。結局、社労士事務所に取りまとめをお願いしましたが、こちらにデータが届くまでにタイムロスがあり、そこにも問題を感じました。

一方、労務管理を士業に任せたことは、社内のスタッフに良くない影響も及ぼしました。任せられる甘えから必要な書類の提出期限を守れないケースが増え、各自の業務に対する意識が低下してしまったのです。「会社が大きく成長したからこそ、今後は組織としてしっかり内部統制していくことが大事だ」と気付き、新たなクラウドシステムの導入で、組織全体の可視化・透明化を図ろうと考えました。

連携性や柔軟性が導入の決め手。サポート体制も安心できた

連携性や操作性、設定の柔軟性、専門性に優れている点などが決め手

導入前には、効率化のためにも会計・給与・勤怠のデータを連携できるものを探し、マネーフォワード クラウドを含む2社を比較検討しました。結果、画面のデザイン・操作性が良いと感じたのがマネーフォワード クラウドでした。また、クラウド会計が経理業務に精通する人に親和性のある画面や機能を備えていることもポイントでしたね。他社のものは、個人・小規模事業者向け、経理初心者向けの内容でしたから、当社の組織の規模感にはマネーフォワード クラウドがぴったりだと考えました。

さらに、クラウド勤怠は、多様な雇用・勤務形態にも対応できる柔軟性がある点にも魅力を感じました。当社は、正社員・パート・アルバイトに加え、国の制度「就労継続支援A型」により、障がい者の方々を雇用しています。勤務形態も、「1カ月変形労働制」「シフト制」「短時間勤務」などがあり、現在、「フレックスタイム制」「みなし労働時間制」などの導入も検討しています。これから働き方が多様化していっても対応できるというポイントは非常に大事だと思いました。

タスク管理と進捗管理のサポートで、短期間での導入を実現できた

導入に向かう際は、設定などのサポートをお願いしたので、迷うことなく機能を理解できたと思います。「年末調整に間に合わせたい」という要望を伝え、1カ月半という短期間で導入準備を終えられるようにスケジュールを組んでもらいました。全体の進捗をしっかり管理してくれた上、一つひとつのタスクの締め切り日や優先順位まで逐一教えてもらえるので、忙しくて手が回らない中でも作業を進めていくことができました。

また、不明点や困りごとがあっても質問をすれば、当日や翌日中に返事をくれました。先に導入していたクラウドシステムのサポートセンターは、質問してもきちんと回答してくれず、全く頼りにならなかった。その点、マネーフォワードのサポート体制には安心できましたね。クラウド会計についてもこれから導入を進め、クラウド給与と連携させていく予定です。

業務の効率化はもちろん、管理職者や従業員の意識が変化した

クラウド給与で給与振込や給与明細送付の手間を圧倒的に削減

まず、クラウド給与については、導入後、明らかに給与振込の作業がラクになりました。これまで振込時には、約500名もの氏名や口座番号、金額を1人ずつ手作業で入力していたため、膨大な時間が掛かっていたのです。しかし、クラウド給与では、振込データをダウンロードし、インターネットバンキングのページにアップするだけで振込ができてしまいます。おかげで圧倒的に手間を削減できましたし、金額を間違えたり、似た名前の従業員を取り違えて入力したりするミスも無くなりました。また、各自がWeb上で給与明細を確認できるため、社労士事務所が送ってくれた給与明細のPDFデータを一人ひとりにメールする手間も無くなりましたね。これにより、担当スタッフの業務効率がアップし、給与計算業務に関わる工数を1〜2日は削減できています。

クラウド勤怠では「本来あるべき労務管理」を実現

クラウド勤怠の導入後は、日々の勤務状況や有給休暇の取得日数などの情報を社内で一元管理できるようになり、必要なデータをすぐに確認できるようになりました。クラウド上で有給休暇の取得申請ができるため、申請・承認フローも効率化もできています。

しかし、何より大きいのは、従業員の労働時間が可視化・透明化されたことで、現場と本社、双方が全体像を把握でき、「本来あるべき労務管理」ができるようになったことですね。管理職にとっては、登録シフトに対して働き過ぎている従業員をひと目で把握できるので、働き方の指導ができますし、障がい者の方の体調変化にも気付きやすくなり、そこに配慮したシフトが組みやすくなるのです。また、これまでざっくりと紙のタイムカードに打刻するのみだった従業員側にも、「始業・終業の時間をきちんと守ろう」という意識が芽生え始めています。さらに本社側も、「残業が発生しやすい事業所はどこか」を把握できるようになりました。事業所のマネジメントについて、より的確な指導やフォローをしていけると考えています。

クラウド勤怠は労務管理を考えさせてくれるきっかけとなり、社員研修のような役割も果たしてくれるツールだと思います。このシステムを利用すること自体が、ルールを守る意識につながっていくと感じますね。今後は、効率化を進めながら、正しい労務管理について全従業員が理解を深めていくようにしていきたいですね。また、実際に上がってくる勤怠データを分析し、仮説・検証を重ねながら、より柔軟な働き方を実現していこうと思います。

サンクスラボ株式会社
2015年の創業以来、「IT×福祉」をテーマに独自の事業を展開。沖縄・九州・ソウル・ホーチミンに26拠点を擁する。IT事業では、ベトナムのオフショア拠点と連携して開発・制作を行い、福祉事業では、障がい者の就労支援や放課後等デイサービス事業を展開。障がい者がいきいきと能力を発揮できる環境・業務を提供している。 https://www.thankslab.biz/