API連携や外部との連携機能を活用し、ミスと作業工数の削減に成功
財務経理部門/課長 森田陽香様
導入サービス「マネーフォワード クラウド会計Plus」
- 導入サービス
- 会計PlusERP
- 業種
- IT・メディア
- 事業規模
- 法人(51~300名)
内部統制強化とリモート対応環境の整備を目指した。システム内で情報共有できるクラウド型なら監査対応の効率化も狙える
――貴社はIPO準備期間中に会計ソフトの入れ替えを実行されています。検討の背景や理由についてお教えください。
田村様:当社はデジタルマーケティングにおける豊富な知見とデータを活かし、コンサルティングや多彩な自社AIツールの提供、DXに特化した人材紹介などを手がけています。機械学習とビッグデータ活用により、人が本来やるべきことにリソースを割ける仕組みを提供し、クライアント企業の生産性最大化を実現しています。
現在、東京に拠点を置き、80名近くの従業員を擁しており、2021年2月に東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たしました(上場制度整備に伴い、2022年04月に東京証券取引所グロース市場に移行)。管理部門のチームは7名体制で、うち2名が経理を担当。私自身は、管理部門の統括執行役員として意思決定を担っています。管理部門全体では、KPIを起点とした事業推進の支援、IR/SRの活動を含めた企業価値の向上や、経理・法務における内部統制の体制を整えることによる会社の価値棄損を防止することを目指しています。
森田様:私は財務経理部門の課長を務めています。「マネーフォワード クラウド会計Plus」導入の際には、他の経理メンバー1名と一緒に導入検討を担当しました。当時は、IPO準備プロジェクトと、会計ソフトの切り替えプロジェクトを並行して進めていきました。
田村様:導入検討に至ったのは、IPO準備期間の前から「内部統制強化に対応する会計ソフトを変えたい」「コーポレート部門の効率化を図りたい」と考えていたからです。弊社は顧客活動のデジタル活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性の最大化を推進するサービスを展開しており、ビジネス部門や開発部門だけでなくコーポレート部門も高い生産性を追求すべきだとする文化があります。
田村様:コロナ禍ではテレワーク化が進んでいたので、バックオフィスのメンバーが社外から対応できることも重視していました。そのため、社外からも利用しやすく、かつシステム内に承認フローがあるクラウドシステムを導入しようと考えました。弊社もクラウドサービスを提供する事業者ですので、そうしたクラウド型のシステムは便利だという認識はありました。
森田様:それまで利用していた会計ソフトも社外からの閲覧機能や承認機能はありましたが、自宅からアクセスした際に、立ち上がるまでにおよそ5分掛かり、その間何もできないという経験をしました。毎日のルーティンにおいて、待機時間は大きなストレスになるので、使い勝手の良いクラウド型のシステムにしたいと考えました。
田村様:社外に対する承認フローの機能が使いやすくなれば、関係各所との情報共有もしやすくなります。監査法人に提出する各種書類や明細などのデータもシステムの中で直接見てもらうことができるので、監査対応の効率化も狙えると考えました。
森田様:それまでは監査法人にエクセルファイルを提出していましたが、クラウドシステムの承認フローを使えばその必要がなくなり、より効率化できると考えました。また、体制整備に伴い、経理の入力補助を外注アシスタントに委託することが決まっていたので、そうした面でも承認フローの使いやすさは大事でした。
森田様:また、会計ソフト以外にも、経費計算や支払依頼、債権管理、SFA/販売管理、請求書管理などのソフトを利用していたので、将来的なAPI連携も視野に入れた上で、検討を重ねていきました。
――IPO準備期間中はバックオフィスの業務負荷が非常に高くなりますが、なぜ大変な状況の中で、会計システムの切り替えも並行して進めたのでしょうか?
田村様:私は前職・前々職で、すでにIPOを経験していたので、IPO準備の様々なタスクはすでに把握していました。IPO準備期間中に会計ソフトを変更すると、監査計画やそれに基づく調査、調書作成などを全てやり直すことになってしまいます。そのため、IPO準備と並走する形で新たな会計システムの導入を進め、IPO実施後に切り替えて、新体制に完全移行することを目指しました。弊社は決算期が2月なのですが、決算月である2021年2月に上場を果たしました。事前に準備を済ませておいて期初に切り替えることができれば、財務・経理の実務もスムーズに移行できると考えました。
コスト、操作性、内部統制における承認フローの利便性、他ツールとの連携性が導入の決め手
――数ある会計ソフトの中から、なぜ「マネーフォワード クラウド会計Plus」を選定されたのでしょうか。その理由についてお聞かせください。
森田様:「マネーフォワード クラウド会計Plus」を選んだのは、内部統制に必要なログの取得・管理や承認フローの使いやすさに魅力を感じたからです。また、すでに利用している他社の知人から「使い勝手が良く、給与・労務などの周辺システムとの連携性が良くなる」という話も聞いていました。将来的に周辺システムとのAPI連携を視野に入れていたので、そこにもメリットがあると感じましたね。
森田様:資料をもらって検討した結果、「マネーフォワード クラウド会計Plus」の機能は申し分ないと思いました。直感的に操作できますし、使い勝手の良い承認フローがあるので、テレワーク対応や、外部の経理アシスタント、税理士、監査法人への共有性なども申し分ない。また、私は経理歴7年ですが、これまで慣れ親しんだ複式簿記や専門知識をそのまま活かせるオペレーションのやりやすさも重視したポイントでした。
森田様:コストパフォーマンスも大きな魅力です。マネーフォワード クラウドは高額なパッケージではなく、使いたい領域を限定して利用できるので、導入当初に余計なコストを膨らませることなく、スモールスタートできることが大きな決め手となりました。また、経理部門の担当領域には労務部門も干渉するため、余計なものを利用することなく、プロセス改善したいという考えもありました。
森田様:加えて、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は、銀行口座やクレジットカードとの連携性が非常に優れていますね。当社には会計ソフトと連携する口座が8~9口座ありますが、一度起票すると、承認申請を自動で行ってくれる便利さがあります。以前使っていた会計ソフトにはそうした連携機能がなく、手打ちで対応することが必要だったのです。工数削減により効率化ができ、手打ちによるミスも防ぐことができると考えました。
――マネーフォワードの導入支援については、どのように感じられましたか?
森田様:IPO準備と並走しての導入であり、非常に忙しい時期だったため、導入支援の進捗管理はとても助かりました。
田村様:物理的にやることが多く、当時、我々の作業量は通常業務の1.4倍程度になっていたと思います。IPO準備では、毎週のように「一週間後までに100ページ以上の書類や資料をまとめなくてはならない」という状況に陥ります。精神的なプレッシャーも強くあり、自社内のみで進捗管理することは厳しかっただろうと感じています。
森田様:導入支援の担当者の方がBacklogのガントチャートでスケジュールを切って進捗管理をしてくれました。やるべき作業に遅れがある時はリマインドしてくれましたね。切り替え作業全体のボリュームとしては、過去3年分のデータ移行作業をマネーフォワードさんにお任せすることができたので、大きく負荷を軽減できたと思います。細かい設定についてもインストラクションを受けたので安心できましたし、操作そのものにも問題なく慣れることができました。
API連携や外部との情報共有のしやすさによって、工数が2~3割削減。
――「マネーフォワード クラウド会計Plus」を導入後、実際にどのようなメリットを感じられましたか?
森田様:まず、操作に慣れるまでが簡単だったことですね。また、外部委託も同時に導入しましたが、すでにマネーフォワード クラウド会計の利用経験がある人材がいたため、作業の引き継ぎと連携が非常にスムーズでした。マネーフォワードの会計システムは利用者が多いと聞きますが、だからこそ、意外なメリットがあるのだと実感しました。
森田様:日々の実務の中で実感したのは、銀行口座やクレジットカード明細など、外部データの連携がやりやすくなり、明らかに作業工数が減ったことです。手入力の作業がなくなったことで圧倒的に業務効率が上がったと感じますし、ミスも無くなりました。以前は銀行残高が合わない事態も発生し、その確認にも手間が掛かっていましたから。
森田様:また、外部の税理士の方とのやりとりも、アカウントを渡して直接見てもらうことができています。社内の月次決算の税務レビューもそのまま共有し、同じ画面を見ながら話をすることができます。導入以前は、共有ドライブでファイル共有していたので、数字が変わるたびに確認のやりとりが発生していました。そうした手間が不要になり、非常にスムーズになったと感じますね。取締役会に報告する月次会計の実績データも「マネーフォワード クラウド会計Plus」から出力できるため、とても便利です。
森田様:導入目的の一つだったテレワーク対応についても満足しています。「マネーフォワード クラウド会計Plus」は起動に時間が掛からず、すぐに見ることができるのでストレスが溜まることも無くなりました。クラウド環境の便利さによって、日々の業務におけるモチベーションまで大きく変わってくるのだと実感しています。
――工数削減など、具体的な効果についてはいかがでしょうか?
森田様:外注の経理アシスタントを導入したこともあり、経理作業の工数は2~3割削減できていると感じますね。また、銀行連携、クレジットカードの明細連携によって手打ちの作業がなくなり、そうした工数も3割程度削減できています。
田村様:外注先に依頼しているのは経理の入力作業全般で、月次決算を占める直前までを任せ、森田が最終チェックをしています。しかし、「マネーフォワード クラウド会計Plus」のAPI連携や承認機能によって、結果的に外注コストも下がっていると感じます。
森田様:以前に使っていた会計ソフトにも承認機能はありましたが、自己承認ができてしまうため、「どの段階でこちらが承認したのか」というステータスも不明になってしまうのです。ですから、監査のタイミングでは重要な部分をスプレッドシートで承認する方法を取り、エビデンスとして伝票番号をつけた紙をチェックしていました。「マネーフォワード クラウド会計Plus」は、申請と承認は別フローのため、ステータスが不明になることもなく、クラウド上で全て完結できています。
成長中のベンチャー企業には規模拡大に応じた効率化が必須。クラウド化はその選択肢となる
――成長を続けるベンチャー企業の管理部門という視点で、マネーフォワード クラウド会計Plusについてどう思われますか?
田村様:成長過程にあるベンチャー企業においては、「やること」は日々いくらでも出てくるものです。管理部門の仕組みも現状維持のままでは、企業規模の拡大に対応することはできません。だからこそ、継続的に効率化を重ねていかなくては、業務に耐えきれなくなると考えています。
田村様:ですから、「ベンチャー企業の成長に合わせた効率化」における選択肢として、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は、非常に有効だと感じますね。企業として成長するにつれて、情報開示や内部統制、金融手法の拡大などに合わせた対応が求められますが、会計、仕分けはそのベースとなるもの。どれだけ正確に、かつ効率的に対応していくかがキモとなります。
田村様:基本的に経理が関係する業務には、生産性が低い作業が多々あります。自動連携による転記作業の効率化などをしていかないと、企業の成長に間に合いません。会計ソフトをクラウド化していない企業は、新たな選択肢として導入を視野に入れてみることをお勧めします。すべての面で効率が向上しますよ。特に、IPOを考えている場合は、申請の直前期になるとやることが非常に多く、メンバーの気力が限界を迎えてしまう可能性もあるので、早期に対応した方がいいのではないかと思います。
森田様:企業の成長につれて日々の業務が増え続けていくことをまさに実感していますが、「マネーフォワード クラウド会計Plus」導入後は、経理以外の業務に時間を割くことができるようになりました。また、出てきた数字を信頼性あるものとして役員会に渡すことができるので、精神的な負荷も軽減されているように思います。
田村様:私の場合は、毎週の売り上げや月次の利益、通期の損益などを毎回確認していますが、それらのデータやファクトは「事業の今後を判断する材料になる」と考えています。弊社では、経営陣がコーポレート部門がビジネスに間接的でも貢献することを重要だと考えています。経理・会計の数字を通じ、「マネーフォワード クラウド会計Plus」は経営や事業戦略にも役立つものだと感じるので、今後、どのように活用していけるかという点にも期待しています。
※掲載内容は取材当時の情報です。
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