「しごとの家計簿サービス」開始の経緯と内容について教えてください。

以前は税理士法人に勤務していたのですが、会計事務所によくある事象として「小規模事業者向けの税務サービスはいただける対価に対して業務量が多く収益性があまりよくない」というものがあります。一方で、近年では勤務形態が多様化しており、フリーランスや業務委託という小規模事業者に相当する働き方をされる方が増えています。

今後も勤務形態の多様化が予想される一方で、従来の会計事務所のサービスモデルでは収益性の問題で積極的には対応できないという状況を間近で見ていたことから、これを何とか解消できないかと考えるようになりました。

小規模事業者向け税務サービスの収益性に関する根本的な問題は、事業規模の大小を問わずに一定の時間を割かざるを得ない記帳業務という労働集約的な作業にあると考えています。そこで何とかこの労働集約的な作業をなくすことができないかと考えていたのですが、クラウドのプラットフォームと自動化機能を提供するマネーフォワード クラウドであればそれが可能ではないかと思いました。

「しごとの家計簿サービス」はマネーフォワード クラウドを活用した小規模事業者向けの低コストの税務サービスです。クラウドのプラットフォームを活用することでインフラコストを極小化しつつ、自動化機能を用いて労働集約的な作業を会計ソフトが対応することにより、サービスモデルとコスト構造を変革し、勤務形態の多様化とその先にある自分らしい生き方を支援しています。

より具体的に、従来の会計事務所の税務サービスとの違いはどういった点にあるのでしょうか。

小規模事業者限定・対象業種限定・サービス内容限定など、領域の絞り込みを徹底しつつ記帳代行とサポートサービスを標準化しました。マネーフォワード クラウドの活用を前提としており、訪問は一切行わず、電話・メール・チャットのみのサポートとすることでコストを下げています。

当社では記帳代行・確定申告の料金は、報酬とは呼ばずにご利用会費と呼んでいます。この会費は月々定額で決算報酬などの変動もありません。ご利用者にとって、わかりやすく・支払しやすい料金であることを第一義に考え、戦略的な価格体系としています。