株式会社エール

マネーフォワード クラウドで請求・経費精算業務を効率化!社員が成長に時間を使える環境づくりを支援

株式会社エール 代表取締役 矢島 英一 様
管理部 係長 甲木 美香 様
  • 課題

    ・事業成長と社員数の増加に伴い、増え続ける業務を効率的に回す仕組みづくりが急務だった。
    ・請求書の印刷・封入・郵送が手作業中心で、郵送コストや必着対応の負担が大きかった。また、取引先の約3〜4割が指定フォーマットでの個別作成を求めており、対応に工数がかかっていた。
    ・社員数の増加に伴い、経費精算チェックの業務が煩雑化。紙と表計算ソフトを併用した運用では、差し戻しや確認作業が頻発し、管理部の負担が大きくなっていた。

  • 結果

    ・社員の増加や働き方の多様化が進む中でも、管理部の人員を増やさずに業務を回せる体制を確立。従業員の成長や目指すライフスタイルとの両立を支える仕組みづくりにもつながった。
    ・請求書の発送業務の大部分を電子化でき、郵送対応の廃止と工数削減を実現できた。1営業日分の作業時間の削減と、精神的な負担の軽減に成功した。
    ・経費精算データの自動連携により、手作業の入力や二重チェックが不要となった。最終的に3名分の工数削減を実現し、バックオフィス全体の生産性が向上した。

従業員に寄り添い、時間を有効に使える環境へ。成長する事業を支えるDX推進
建築業に特化した人材派遣事業を展開する株式会社エール様。社名には、「頑張っている人が報われる会社」「従業員が安心して働ける環境を創りたい」という想いを込めています。エールが「人を応援する」という意味を持つように、社員が成長を実感し、限られた時間を有効に使える環境づくりを大切にしてきました。

事業の成長とともに社員数が増加し、請求書の発行や経費精算など、管理部の業務量も増加。少人数体制のまま効率的に業務を回すための仕組みづくりが課題となっていました。

今回は、同社が取り組んだマネーフォワード クラウドの導入プロジェクトについて、検討の背景や導入までのプロセスを中心にお話を伺いました。

650名を支える管理部。9名体制でバックオフィス業務を遂行

――会社の概要と事業内容について教えてください。

矢島様:株式会社エールは、建築業に特化した人材派遣事業を展開しており、施工管理者をはじめ、図面作成スタッフやCADオペレーターなど、建築技術分野で活躍する人材を派遣しています。現在社員数は約650名規模へ成長し、そのうち約600名が技術職として全国の建築現場で活躍しています。

創業以来、一貫して大切にしているのは、「従業員を中心に考え、成長を第一にする」姿勢です。社員一人ひとりが自らの成長を実感し、前向きに仕事へ取り組める環境を整えることで、クライアントのサービス品質向上にもつながると考えているためです。

また、社名のエールには、従業員を応援するという想いが込められています。社名にある通り、社員一人ひとりの挑戦を後押ししながら、成長を支える企業であり続けたいと思っています。

――管理部の体制と、ご担当者様の担当業務について教えてください。

甲木様:育休中の社員も含めると、管理部は現在9名体制です。組織内は請求業務担当と総務業務担当にチームが分かれており、私は総務業務を担当し、給与計算や社会保険の手続きを中心に担当しています。

管理部の中では、主に請求チームの6名がマネーフォワード クラウドインボイスを運用しています。経理部門ではマネーフォワード クラウド経費を導入しており、今年からは人事労務関連のプロダクトも新たに追加しました。

また、現在は経費処理の主担当に業務を引き継いでいますが、私はマネーフォワード クラウド経費の導入も担当しました。クラウド経費は、営業部の社員と研修講師スタッフなど約30名が利用しており、日々の交通費や出張費を申請しています。

請求書郵送に追われる日々。必着日に余裕をもって間に合わせられる方法を検討

――システムを導入検討し始めたきっかけを教えてください。

甲木様:請求書送付の負担を減らしたいと考えたことが、システム導入を検討し始めたきっかけでした。これまでの郵送業務は、作業の手間や郵送料が大きな負担となっており、社内でも「この業務を削減したい」という声が上がっていました。

直近では郵送料の値上がりに加えて、投函から到着までのリードタイムが長期化しており、必着日に間に合わせるための作業負担も大きくなってきています。万が一、必着日に間に合わないと処理が滞ってしまうため、仕組みを見直す必要性を感じていました。

――システム導入前の課題について、もう少し詳しく教えてください。

甲木様:以前は、請求書を紙で発行しており、印刷・封入・郵送までを手作業で行っていました。作業の大部分がアナログだったため、工数がかかることが課題でした。

請求書は全体で約400件ほどあり、そのうち3〜4割は取引先が指定するフォーマットでの提出が求められる「指定請求書」です。取引先ごとにExcelで個別作成していたため、管理工数も膨らんでいました。

送付作業は通常2名体制で行っていますが、請求先の必着日が重なる時期には、ヘルプを呼んで最大4名体制になることもありました。誤送を防ぐためにダブルチェックも欠かせず、1回の送付作業に約1時間を要していました。

会社全体で電子化・ペーパーレス化を推進していることもあり、請求書まわりの手作業を減らすことが管理部の最優先課題になっていました。

――経費精算まわりでは、どのような課題があったのでしょうか。

甲木様:営業社員が増えるにつれ、人件費や交通費のチェックにかかる時間が大きくなっていました。管理部は2人体制でしたが、営業社員が東京・大阪あわせて約25名に増えたことで、交通費の確認だけでもかなりの時間をとられていました。

営業社員が多いため、日々の営業における交通費や現場への差し入れ費など、細かな経費申請が重なります。確認する側の負担も大きく、紙の領収書をまとめて手渡しで受け取る運用だったため、記入ミスや差し戻しも発生していました。

矢島様:事務所の移転をきっかけに、技術者の増加を支えるため内勤メンバーを増員しました。それに伴い、1つひとつの管理業務の工数が増えたことが課題でした。

人件費は目に見えにくい部分ではありますが、最も重要な経営資源の一つだと考えています。そのため、限られた時間をいかに有効に使うかが大切です。例えば、これまで1時間かかっていた業務を40分で終えられるようになれば、残りの20分を新しい取り組みやスキルアップの時間に充てることができます。社員一人ひとりがそうした機会を得られるような環境をつくりたいと考えていました。

システムを導入するにあたっても、単に効率化を目的とするのではなく、従業員の負担を減らし、その分の時間を新たな挑戦に使ってもらいたいと考えていました。

選定基準は、請求書を受け取るお客様にとっても使いやすいものかどうか

――どのような流れで他社サービスと比較されましたか?

甲木様:当初は、請求書発行システムだけでなく、クラウドストレージ上でファイルを共有し、請求書の内容を確認できるような簡易的な方法も検討していました。ただ、クラウドストレージの場合、毎月お客様ご自身でクラウドストレージにアクセスし、請求書をダウンロードしていただく必要があります。工程が煩雑になり、お客様にとって使いづらいのではないかという懸念がありました。

そこで、4社ほど請求書システムの情報収集を行い、そのうち2社についてはデモ画面を確認しながら細かく比較検討しました。実際に操作した印象や、請求書を受け取るお客様の使いやすさを軸に検討を進め、よりスムーズに運用できるサービスを選定しました。

――マネーフォワード クラウドを導入した決め手を教えてください。

甲木様:マネーフォワード クラウドを選んだ理由は、他社システムと比べて画面が見やすく、デザインが時代に合っており、社員やお客様にとって使いやすいと感じたことでした。

社員だけでなく、請求書を受け取るお客様にとって使いやすいシステムにしたいという思いが強くありました。マネーフォワード クラウドは操作ボタンの配置がわかりやすく、画面全体の視認性も高かった点が決め手の一つです。

マネーフォワード クラウドインボイスに関しては、電子帳簿保存法への対応も視野に入れたうえで、スムーズな運用が可能だと判断して導入しました。

導入を決定した後は、経費精算システムについても他社製品を比較しましたが、請求書まわりの業務とあわせて同一ベンダーで統一したほうが効率的だと考え、マネーフォワード製品でまとめることにしました。

業界特有の慣習に対応しながら、電子化と効率化を実現

――導入後の効果について、実務面とマネジメント面、それぞれで感じた変化を教えてください。

甲木様:実際に使ってみると、マネーフォワード クラウドインボイスの画面からお客様が請求書をダウンロードできる仕組みが便利で、受け取る側も操作に迷わず対応できると感じています。さらに、請求書送付後に相手が受け取ったかどうかをこちらで確認できる点も安心材料になりました。

また、請求書の必着日に合わせて対応していた郵送業務の負担が大きく削減できました。印刷や封入、郵送といった作業が不要になり、工数もストレスも軽減されています。

結果として、1営業日分ほどの作業時間を削減でき、心のゆとりが生まれました。現在も一部のお客様では郵送対応が残っていますが、ほとんどの請求書をメール送付へ切り替えることができています。

経費精算についても効果を実感しています。これまで2名分の工程を削減できたうえに、経費データを会計システムへ手動で連携する必要がなくなったことで、最終的には3名分の工数削減につながりました。

矢島様:建設業界はまだアナログな業務が多く残っています。その一例が、取引先ごとに求められる指定請求書であり、指定されたフォーマット以外では処理が進められないため、これまでは紙での対応を行ってきました。しかし今回、マネーフォワード クラウドを通じてメール送付に切り替えることで、指定請求書の慣習を守りながらも郵送対応の手間を削減できました。

当社では、昨年から今年にかけて、さまざまなクラウドシステムの導入を進めています。例えば契約書に関しては、これまで郵送や持参で対応していた書類を電子契約へと移行し、現在はお客様先の約7割で電子化が完了しています。電子契約に対応していない企業も一部ありますが、業界全体の変化にあわせて段階的にシステム活用を広げているところです。

今回の請求書送付に関しても、メール送信後にお客様がデータをダウンロードできる方式だったため、取引先での運用上の問題は発生しませんでした。今後も業界の動きにあわせつつも、デジタル化と効率化を進めていきたいです。

また、当社では現在、毎月のように社員が増えています。社員数の増加に伴い、これまでのやり方では業務が回らなくなりつつありましたが、マネーフォワード クラウドインボイスを導入したことで、管理部の人員を増やさずに対応できました。

請求書の発行は、全体の6割ほどが15日や月末など特定の時期に集中するため、どうしても繁閑差が生まれます。それでも現在の人員で業務を回せているのは、マネーフォワード クラウドの導入成果といえると思います。

マネーフォワード クラウドインボイスの導入によって、請求書発行後の業務負担が軽減されたため、次の段階としては、発行前の業務をどれだけ減らせるかが鍵になります。ちょうど今、新しく切り替えた勤怠システムの勤怠データを活用し、請求書を作成する工程の効率化を図っている最中です。

引き続き、各業務の短縮化に取り組み、現在の人員でも十分に対応できる体制を目指していきます。

「安さ」より「3年、5年後の価値」。現場を信頼し、本質的な選定を支える経営の“伴走”

――経営者として、システム導入に際してどのようなコミュニケーションを心掛けていますか?

矢島様:日ごろから実務メンバーを信頼しており、基本的に業務は現場に任せています。私は「使い勝手の良いものはないの?」といった大まかな方向性だけを伝え、詳細な検討は現場に任せています。

例えば、従来の給与システムで業務が限界に近いと相談を受けた際は、「良いシステムがあれば調べてみて」と伝え、比較や選定は担当メンバーに一任しました。

ただ、現場ではどうしてもコスト面を重視しがちな傾向があります。そのため、本件に限ったことではありませんが、「費用が高くても、高いなりの理由があるなら構わない」と伝え、価格だけで判断せず、本質的な選定ができるようサポートしています。

システムは一度導入すると3年、5年と使い続けるものです。だからこそ「会社に本当に必要なもの」「業務改善につながるもの」を見極めて選んでほしいと考えています。そのうえで、現場の意見を尊重し、最終的な責任は経営者である自分が取るという姿勢で臨んでいます。

甲木様:社長の話にもあった通り、比較検討する社数に制限はなく、業務時間中にシステム選定の時間を確保してもらえたことはありがたかったです。私たちが調査してまとめた内容にも丁寧に耳を傾けてくださるため、安心して相談できました。

また、ほかの上長へ説明する場でも社長が同席してくださるので、社内での決定プロセスが非常にスムーズに進んでいます。今後も社長と現場で連携しながら、システム化をさらに進めていきたいと考えています。

――今後、業務効率化や会社の体制づくりで取り組んでいきたいことを教えてください。

甲木様:まずは、今回導入したマネーフォワード クラウドをしっかりと活用し、営業担当者をはじめ関係メンバーが自分たちの業務に合わせて使いこなしていきたいです。システムを前向きに受け入れ、チーム全体で定着させることが今後の目標です。

矢島様:人の時間は有限であるため、限られた時間をどう使うかが大切だと考えています。業務を効率化できる仕組みを取り入れ、空いた時間を個々の成長やプライベートに充てられるように仕組みづくりをしていきたいです。

最近、社員2人から子どもが生まれたという報告を受け、とても嬉しく感じました。仕事だけでなく、子育てや家族との時間も大切にしながら、人生を有意義に過ごしてほしいと思っています。そこで、育休制度の活用や仕事と家庭の両立を支援しながら、システムの力を借りて社員を後押ししていくことが、私の役割だと考えています。今後も改善を重ねて、取り組んでまいります。

公開日:2025年12月4日 公開当時の情報となります

株式会社エール
株式会社エールは、「従業員の人生にエールを送り続けることにより、お客様へのサービスの向上、社会の発展に貢献する」という理念のもと、建築業界に特化した施工管理者のアウトソーシング事業を展開しています。従業員一人ひとりの成長や活躍を大切に考え、充実した育成・サポート体制で支えながら、企業と人を最適に結びつけ、現場力の向上と業界全体の持続的発展に貢献しています。