UcarPAC株式会社

管理部門2名で上場準備を推進|成長企業が選んだクラウドを活用した経理DX事例

UcarPAC株式会社 管理部 部長 鈴木 渉様
  • 課題

    ・会計システムの保守切れ期日が決まっており、期日までに入れ替える必要があった
    ・紙やPDFで受領していた請求書データを会計システムにアップロードするのに手作業のため負担になっていた

  • 結果

    ・切り替え前システムから最小限の負担で、内部統制の担保・最新法制度に対応したクラウドシステムへ切り替えが完了
    ・システム化することで請求書受領から会計システムへのデータ連携まで一気通貫で管理できるようになり、手作業を削減

少人数の管理部門が実現したクラウド移行のポイント
中古車のネットオークション事業を展開するUcarPAC株式会社様は、2016年設立以来、少数精鋭の経営体制で急成長を遂げてきた企業です。従業員は31名と限られた人数ながら、全国の中古車ユーザーと買取業者をつなぐ独自のオークションプラットフォームを運営されています。
その事業を支えるバックオフィスは、管理部門を2名で支える少数精鋭チームです。今回は、上場準備中にシステム保守切れが迫る中でスムーズに「マネーフォワード クラウド会計Plus」と「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入が完了した秘訣や選定や運用面のポイントについて経理部長の鈴木様に伺いました。

少数精鋭で上場準備と通常業務の運用はできていたが、システム保守切れと請求書受領の管理について対応が必要に

システム保守切れに備えた会計システム入れ替えと請求書受領について

――まずは貴社の業務内容と経理部門の体制について教えてください。

鈴木様: UcarPAC株式会社は、中古車の売買を個人と業者間でマッチングするネットオークションサービスを展開しています。車両の査定データや画像情報を活用し、ユーザーと買い取り業者をオンライン上でつなぐ独自のビジネスモデルが特徴です。自社開発のアプリケーションや基幹システムを活用し、モビリティ業界における透明性と効率性の向上に貢献しています。

管理部門は2名体制で、経理業務・月次決算・監査対応・取締役会運営などを担っています。労務に関する業務は以前からお取引のある、社労士さんを頼ることでバックオフィス業務全体を2名で運営することができています。

――経理の体制や業務はどのようにされていたのでしょうか?

2名体制のうち、実務担当者が請求処理や日次の仕訳入力・月次までのデータ作成を担い、私は承認や監査対応、決算の総括などを担当しています。

請求書発行については、オークションサービス上の取引については基幹システムで発行が可能でそれ以外のものについては、各部門で発行する形を取っています。

そのため、経費精算や月次締めなどの業務が中心となっている形です。

――どのような背景でシステム見直しを検討されたのでしょうか。

以前はオンプレミス型の他社会計システムを使用していましたが、保守切れが翌年の春に迫っていました。同時に、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も求められる中、紙やExcelに依存した請求書処理は実務担当の負荷も高く、月次締めが問題なくできているとは言え効率化できるポイントだと考えていました。

上場準備中ということもあり、内部統制を担保しつつ請求書処理業務の効率化も含めてシステムの入れ替え・導入を検討しようという事になりました。

――特に困っていたことはありますか。

たとえば請求書の受領から支払・仕訳・承認・保管までの一連の流れが手作業で行っていました。具体的には、紙やメールで届いた請求書を印刷してExcelで管理し、会計システムにCSVで取り込める形に実務担当がマッピングする必要がありました。

請求書の受領は平均30件程度と多いわけではないと思いますが、それでも実務担当が1〜2営業日かけて転記作業を行っていました。問題なくできているとはいえ、間違えてしまうと月次決算への影響もあるため丁寧かつ慎重におこなう必要があります。

また、証憑の突合も物理的に保管された紙から探す必要があり、監査法人の照会対応も必要に応じて対応していました。

必要な機能とコストのバランスがよく、営業や導入支援にも安心できたことが決め手

――新しいシステムはどのような観点で比較検討されましたか。

これからの運用を考えるとクラウド型システムに切り替える必要があると考えインストール型のシステムや従来のオンプレミス型のシステムは検討しませんでした。

保守切れの期限に向けて限られた時間の中での検討だっため、慣れていた既存システムのクラウド版システムも検討しつつ、 マネーフォワードを含む3社のクラウド型会計・債務管理システムを検討しました。比較のポイントは「法制度対応」「内部統制機能」「価格」「拡張性」「提案力」の5点です。

――その中でマネーフォワードが選ばれた理由はどのような点でしょうか。

もっとも大きかったのは、必要な機能に絞って導入ができる点です。他社システムでは、基幹システムに含まれていて必要のない販売管理のシステムも含まれてしまうというケースもありました。その点、マネーフォワードについては段階的に導入できる柔軟さがあり、自社の成長ステージに合わせやすい構成でした。

また、価格面でも必要なシステムだけ導入が可能なため、オンプレミス型や他社システムに比べて年間コストを大幅に抑えられる試算となり、社内でも前向きに検討を進められました。

営業担当の方の提案も印象的で、弊社の運用の実態に合わせて提案してくれたのが印象的でした。上場準備に必要かつ保守切れが迫っていた会計システムを中心に紙運用が限界と感じていた債務管理の部分から提案を頂けて、「今後の業務や従業員数・組織変化に合わせて経費精算や勤怠等も検討する形でいいかもしれないですね。」と状況を理解してくれていたのがよかったです。

――導入時の不安はありましたか。

やはり新しい仕組みに戸惑いがありました。特に、紙・Excel文化からの脱却は一部の部署に抵抗がありましたが、導入前にマスター登録や運用フローを整えたことで、スムーズに立ち上げができました。10名弱の関係者には事前にマニュアル作成や研修もおこなうことで運用にのせていきました。

システム切り替えによって心理的負担も減り、監査対応もスムーズになった

作業そのものを1つ減らせたことで心理的負担も軽減

――実際の業務での変化っはどのようなものでしたか。

10名弱の社員がクラウド債務支払で請求書の受領から支払処理までを一元管理する形になりました。クラウド会計Plusと自動連携することで、経理の実務担当者がおこなっていた仕訳入力の二重作業が一切不要になりました。

会計システムについても銀行やクレジットカードから自動連携されるようになったため、起票についてもスムーズになりました。また、クラウド会計Plusの仕訳の証憑添付からクラウド債務支払へ遷移できるのも楽になりました。以前のシステムでは、必要に応じて保管されている紙やPDFを確認する必要があったためシステム上で完結できる点はメリットです。

システム切り替えによって仕様が異なったり、不慣れな点もあったりすることで、月次決算が遅れる可能性も気にしていましたが、今まで通り8営業日で締めることができています。以前から利用している経費精算システムからのCSVアップデートの運用も変えずに対応できた点もよかったです。

――内部統制や監査対応には変化がありましたか。

監査法人へクラウド会計Plusのアカウントを1つ発行してお渡しすることで、リモート監査ができるようになりました。元々監査法人から監査の指摘事項はなく非常によい状態ともらっていましたが、切り替えによってさらにスムーズになりました。

上場を目指してチームの強化や安定的に稼働できるように強化していきたい

――今後経理やバックオフィス部門として取り組んでいきたいことはありますでしょうか。

現状では月次決算も安定的に8営業日で締めることができている状態で、すぐにこれと言ったテーマはない状態です。

2年後を目処に上場を目指している中で、5年くらい前から内部統制に力を入れ始めて、私が入社した3年前ほどからさらに加速させる動きを取っています。その中で監査法人からはほぼ指摘のない形になり、改善事項についてもしっかりと対応していきています。

強いて言えば、基幹システムとクラウド会計Plusを今後連携した方がよいと言われているためいずれは検討していけたらいいなという思いがあります。

また、上場を推進する上で経理の人員体制も強化する必要はあるため、チームの強化もいずれ取り組めたらと考えています。

――今後マネーフォワードへ期待することはありますでしょうか。

マネーフォワードはコストと機能のバランスがよいなと感じるので、できるだけ今の価格帯を継続してくれるといいなと思っています。

営業の方や導入支援などもしっかりとされているのでそこは心配がないと思っています。

価格バランスもありつつ必要なものから導入できる点がいいと思う

――最後に、これから導入を検討する企業様に向けて一言お願いします。

少人数の経理体制でも制度対応・監査対応を両立できるのが、マネーフォワードの最大の魅力だと思います。機能を選んで段階的に導入できるので、いきなりフルパッケージで大きな投資をせずとも、必要な部分から始められます。

機能とコストのバランスもよくオンプレミス型の他社システムと比べて、保守費用や運用負荷を含めると非常に合理的です。クラウド化によって得られた時間と安心感を考えれば、費用対効果は十分に見合っていると感じています。

――おすすめしたい企業像はありますか。

 特に、制度対応とガバナンス強化を両立させたい企業、将来的に上場を目指す成長企業には強くおすすめできます。私たちのように小さなチームでもしっかり業務を回せるようになるので、検討してみる価値は大きいと思います。

公開日:2025年8月18日 公開当時の情報となります

UcarPAC株式会社
「モビリティ経済圏をデータで切り拓き、すべての人の未来をドライブさせる」というミッションと「モビリティライフに選択の自由を」ビジョンの実現に向けて事業を展開。 中古車のネットオークション事業では、車を売りたい個人・事業者向けのサイト・スマートフォンアプリのUcarPAC、中古車買取事業者向けクローズド型オークションサイトのUcarBIDを展開し、鑑定・査定の分野では、モビリティ鑑定&評価ツールのUIS、AI査定サービスのMATを運営しています。