
マネーフォワードで短期間のERP導入と業務内製化を実現!
課題
・グループジョインにより、短期間でのERP導入と体制整備が求められていた。
・管理部門の多くを外部委託している体制から、IPO準備を進める親会社と同じ水準の内製体制の構築・意識醸成が求められていた。結果
・マネーフォワード クラウドを活用し、バックオフィス業務を一元管理できる体制を構築。仕訳や入出金管理の自動化により、業務負担を大幅に削減。
・経理・財務に対する社員の意識が向上。会計知識がなくても扱える操作性により、社内での業務内製化が進み、IPO水準の管理体制強化につながった。
今回は、グループジョインに伴い、短期間でマネーフォワード クラウドを導入し、会計・債権/債務管理・経費申請・給与計算といった管理体制を整備されたスリーコール様の事例を紹介します。導入時に大変だったことや、導入後に効果を感じていることについて、導入当時スリーコールの取締役を兼務されていた松本様(現アップセルテクノロジィーズ 執行役員 管理部長)にお話を伺いました。
IPO水準の管理部体制へ意識を向上させたかった
――まずは貴社の事業概要についてお聞かせください。
松本様:スリーコール株式会社は、お客様に電話をかけてご案内する「アウトバウンド業務」と、お客様からの電話に対応する「インバウンド業務」の両方を手がける、独立型のコールセンターです。近年、美容系商材のインバウンド案件を皮切りに力を伸ばし、解約阻止率の高さを評価いただいています。
当社の社風は非常に自由で活気があり、社員同士のコミュニケーションも盛んであり、何事も高速で考え、良いと思ったことは実行する様に常にアクティブな動きを意識しております。創業者の天野を含めて若手社員が多い一方で、オペレーター経験の長いベテラン社員も在籍しています。
この度、2024年4月にご縁があり、アップセルテクノロジィーズ株式会社の仲間に加わりました。両社の持つノウハウとリソースを結集し、高品質なコールセンターサービスの提供に取り組んでいます。
――ご担当者様の担当業務について教えてください。
松本様:私は、アップセルテクノロジィーズ株式会社で執行役員 管理部長を務めています。その傍ら、グループ会社であるスリーコールに縁があり、取締役として参画しました。
当時のスリーコールは、記帳代行や入社手続きなど、管理部門のほとんどを外部委託している状態でした。そこで、私が取締役として加わり、内部体制の基礎を整えることを目的において管理部門の立ち上げに取り組みました。
現在は、基礎固めが完了したタイミングでスリーコールの取締役は退任し、引き続きアップセルテクノロジィーズの執行役員として、グループ全体の管理体制を見守る立場から関与を続けています。
――経理・財務部の人数構成、体制について教えてください。
松本様:スリーコールには、経理・財務を専任で担当する経験値のある社員はおらず、バックオフィスの社員が他業務と兼任する体制となっていました。請求書の発行や支払処理、勤怠データの集計などは社内で対応し、その後の記帳や給与計算は外部パートナーに委託していました。組織としても、人事部を立ち上げたばかりで、まだ体制が安定していない段階でした。
委託任せの管理業務に危機感。業務の“グリップ”を取り戻すため自社運用と意識改革を決意
――導入前の経理・財務部の状況(課題)は何でしたか?
松本様:スリーコールでは、特段大きなミスやトラブルは発生しておらず、日常業務は問題なく進んでいました。ただ、親会社であるアップセルテクノロジィーズがIPO準備を進めていく中で、グループとして同じ視座を持ちながら業務にあたる必要性を感じていました。
過去のスリーコールは、IPOの検討に入っていないため「年に一度の申告をきちんと行っていれば良い」という認識で管理レベルの目線がやや弱く、内部統制の意識も薄かったのです。
また、記帳や給与計算の外部委託自体は問題ありませんが、進行管理やスケジュール調整を外注任せにしてしまっており、社内での“グリップ”が効いていない状態でした。自分たち主導で業務を進める意識の醸成が必要だと、強く感じていましたね。
以前からマネーフォワードのクラウド会計は導入していましたが、固定資産管理は委託先に任せており、自社運用に切り替えたいという思いもありました。上場を見据えた企業グループの一員となると、製造原価や販管費の仕訳精度なども求められてきます。そうした中で、より厳密な管理と効率化を両立するには、システムの整備が必然だと考えていました。
――複数のシステムを導入したきっかけとシステム検討のプロセスについて教えていただけますか?
松本様:旧スリーコールが分社化され、新設会社であるスリーコールをグループに迎え入れることになりました。これに伴い、新設会社のスリーコールでも単独で利用できる業務システムが必要となったのがきっかけで、システム選定を行いました。
当初は、親会社が利用しているシステムも含めて相見積もりを取りましたが、導入のスピード感と、現場の社員がすでに慣れ親しんでいた「マネーフォワード クラウド請求書」の存在が決め手となり、マネーフォワード クラウドERPの導入を決めました。
――マネーフォワードの何に期待をして、ご導入を決めていただきましたか?
松本様:本来であれば、じっくりと比較検討をしたかったのですが、新会社設立に伴う業務開始が迫っており、短期間で導入できるシステムが必要でした。
マネーフォワードは、ERPとして複数の業務プロダクトを統合的に導入できる点が魅力で、現場にとっても操作に抵抗が少なく、スムーズに運用開始できると判断しました。
限られた期間でのシステム導入。マスタ設定や移行作業に奔走した3ヶ月
――今回は非常に短期間でのご導入となりましたが、苦労されたことや、気付きはありましたか?
松本様:新設会社で既存システムがゼロの状態からの導入だったため、最初は「それほど導入は難しくないだろう」と考えていました。以前の会社情報を引き継ぐ必要もありませんし、導入のハードルは低いと思っていたのです。
ところが、いざ導入を始めてみると、想定よりも設定作業が多く、特にマスタ設定のボリュームには驚きました。ただデータを流し込むだけでは済まず、委託業者、社労士や税理士、マネーフォワードのサポート担当と連携しながら進める必要がありました。
2024年6月から導入を進め、当初は自力でのデータ移行を予定していましたが、納期が迫る中で最終的に委託業者とマネーフォワードの協力のもとで主要な対応を終えました。導入期間中は、一部の経理業務を手作業や外注で対応しながら、9月の決算を乗り越え、10月から本格的に運用を開始しています。導入にあたっては、カスタマーサクセス担当のサポートに何度も助けられましたね。
直感的で誰でも使いやすい。会計知識がない社員でも動ける“強いチーム”へ変わった実感
――マネーフォワードクラウドを導入した感想を教えてください。
松本様:まず、業務の効率化が大きく進みました。マネーフォワードは直感的に操作できるので、会計知識がない社員でも取り組みやすく、教える側としても非常に助かっています。
例えば、会計Plusでは取引明細情報を定期的に自動取得して、勘定科目や部門、取引先情報などを自動仕訳してくれます。使い込むほど、自動仕訳の精度が高まっていきますし、会計知識が乏しい社員にとって、これらの自動仕訳データが業務のヒントになるようです。
特に便利だと感じたのが、債務支払と銀行連携機能です。従来は、FBデータを出力して振込手続きを行う必要がありましたが、マネーフォワードならボタンひとつで完結します。こんなに簡単にできるのかと、初めて利用したときは感動しました。
預金の連携によって入出金データが自動取得され、仕訳ルールも学習してくれるため、締め作業のスピードも向上しました。その分、会計業務全体のリズムも整いやすくなっています。
――ERPとしての連携性や使い勝手はいかがでしょうか?
松本様:とにかく「連携力」が高い点が魅力です。過去に他社の債務管理システムも使った経験がありますが、支払日や仕訳の連携など、作業工程が多く煩雑でした。その点、マネーフォワードは必要最小限の操作で完結できるため、業務負荷が大きく軽減できました。
――マネーフォワードクラウドの導入によって、社員の意識に変化は見られましたか?
松本様:社員の意識も変化したと思います。例えば、経理の締め日に対する意識が、以前よりも高まったと感じています。小さな変化かもしれませんが、こうした日々の積み重ねが、大きな成長につながると考えています。
――ERPの活用を通して、どのような経理・財務部の体制をつくっていきたいですか?目指したい姿や今後の展望について教えてください。
松本様:今後も親会社と一体となって、より高みを目指していきたいです。次のテーマは「決算の早期化」。スピーディーかつ正確な決算を実現するためにも、システム活用をさらに推進したいと考えています。
また、会計だけでなく、人事データの一元管理を進めて採用・教育といったテーマにも対応できる体制を強化していきたいですね。マネーフォワードも日々進化していると伺っていますので、私たちもその変化にしっかりキャッチアップしながら、共に成長していきたいと思います。
公開日:2025年7月31日 公開当時の情報となります

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