
デジタルインボイスが普及した先に、経理バックオフィスはどう進化するのでしょうか?
マネーフォワードが考えるのは、単なる請求書のデジタル化にとどまらない「データドリブン」な経理バックオフィスの未来。正確かつ迅速な経営判断を可能にするデータ活用の強化と、その周辺業務への対応を進めることで、企業の経理は新たなフェーズに移行します。
この記事では、マネーフォワードが見据える経理の未来について、その概要をお届けします。
前回の記事はこちら:デジタルインボイス導入で経理業務はこう変わる!請求書の受領・送付業務のビフォー&アフター
目次
デジタルインボイス普及後の変化と、その先の未来
前回の記事では、デジタルインボイスの導入によって経理業務がどのように具体的に変わるのかについて、ビフォーアフターで詳しく解説しました。デジタルインボイスの導入によって、経理業務の効率化だけでなく人的ミスの軽減、従業員の負担が減り従業員満足度向上にもつながります。
しかし、それだけではありません。デジタルインボイスの導入は経理業務の効率化にとどまらず、企業全体にとってより大きな価値を生み出す業務革新に繋がっています。
キーワードは「データ」。デジタルインボイス導入によって請求データをどのように活用できるのか、次の章で詳しく解説します。
デジタルインボイス導入によって加速するデータ活用
デジタルインボイスが普及すると、まず取引や請求など、経理部門におけるデータの一元管理がしやすくなります。これによって、企業はリアルタイムで財務状況を把握しやすくなり、データ分析を通じて経営戦略を立てやすくなります。
他にもデジタルデータの活用によりさまざまなメリットを得ることができます。例えば、支出の傾向を分析してコスト削減策を考えたり、売上の予測を立てたりといったことが可能になります。また、デジタルインボイスはデータが改ざんされる危険性が低く透明性が高いという特徴があります。これにより、取引の信頼性が向上し、企業間の関係がより健全になります。
データの透明性の観点では、監査や税務調査の際にも、デジタルデータがあることで迅速かつ正確な対応が可能になります。つまり、金融機関への共有によって素早い与信判断、融資にも活かすことも可能になるのです。
▼デジタルインボイス導入によるデータ活用の可能性
データの特徴 | ・リアルタイムで把握できる ・改ざんの危険性が低い ・透明性が高い |
企業内でのデータ活用 | ・支出の傾向の分析 ・コスト削減策の考案 ・売り上げ予測 |
対外的なデータ活用メリット | ・企業間取引の健全性が向上 ・金融機関への共有による素早い与信判断 |
デジタルインボイスの導入が広がることによって多くの業務が自動化され、ビジネスプロセスの改善だけでなく、より企業の事業推進にアクセルが踏めるような未来が作れるでしょう。
マネーフォワードにおける、デジタルインボイス領域の展望
マネーフォワードにおけるデジタルインボイス領域の展望としましては、今後も更にPeppol対応の製品を拡大させていく予定です。
現在デジタルインボイス対応済みの製品である「クラウド請求書」「クラウド債務支払」「クラウド会計」「クラウドBox」。これらに加えて、より幅広いお客様にデジタルインボイスをご利用いただけるように対応の幅を広げていきます。
また、当社は請求書に関わる業務のみならず、見積業務や経費精算業務に至るまで、経理のバックオフィスに幅広く対応した製品を提供しています。その周辺の業務のデジタル化もサポートする取組みも今後更に進めてまいります。これによって、マネーフォワード クラウドの製品をご利用の企業様に以下のような価値を提供できると考えています。
▼マネーフォワードのPeppol対応製品を利用するメリット
Step1. 業務効率化 デジタルインボイスの請求データを活用することで、人為的なミスや入力・確認工数を削減できます。 |
Step2. 素早い経営判断を支える 集計や分析機能を備えるマネーフォワード社製品の活用により、「正確」かつ「迅速」な経営判断にも繋がります。 |
Step3. データドリブンな経理業務 データ活用の強化による「データドリブン」な経理業務の遂行を実現します。 |
デジタルインボイス普及のその先へ。SaaS✖️Fintech構想
当社が見据える、デジタルインボイスの普及したその先にある未来とは「SaaS×Fintech」。この構想を実現する上で、金融サービスとのシームレスな連携は非常に重要だと考えています。
請求データが届くと同時にワンクリックで取引先への入金が完了したり、蓄積した請求データをもとに与信判断が即座にできるようにし、オンラインファクタリングサービスの提供に活かしたりと、SaaSと金融サービスがシームレスに繋がる世界を目指しています。
この構想の実現に向けて、当社は引き続きサービス戦略を推進してまいります。
少し先の未来の展望をお話ししましたが、まずは各企業における請求書業務のデジタル化へのシフトに向けて、業務フローの見直しや現状のバックオフィス業務の課題の洗い出しが急務です。デジタルインボイス導入に向けて、請求業務・経理業務全体の効率化に向けたお手伝いをさせていただければと考えております。
まとめ
今回は、
- デジタルインボイス導入によって広がるデータ活用の可能性
- デジタルインボイス普及の先にある経理バックオフィスの構想
についてお届けしました。
「まだ請求書の郵送をしているような状態で、具体的なイメージが湧かない…」という方も多いかもしれません。多くの日本企業において、電子化、デジタル化、さらにクラウド化の壁は乗り越えるべき壁となるでしょう。
デジタルインボイス推進協議会(EIPA)幹事法人 マネーフォワードCoPAの瀧俊雄氏の言葉を借りますと、「クラウド化の壁を乗り越えることは、取引自動化・AI予測・EDI流通など、DXの壁を乗り越えることにもつながります。その先は、社会そのものが大きく変革していくと信じています」。
単なるデジタル化とは異なる、本当の意味での経理のDXを実現するため、当社は今後もサービスの拡充に努めてまいります。請求書業務の効率化に課題を感じている企業様や、デジタルインボイスの導入に興味のある企業様はぜひお気軽にお問い合わせください。
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