営業社員に物申す!〜経理社員の心の叫び〜

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私は、社員数50名ほどの事業所で経理を担当していました。

経理というと、自分のペースでコツコツ・もくもくと進めるイメージがあるかもしれませんが、実際は営業から提出される資料を待つ必要があり、自分だけでは進められない業務も多いものです。特に月末残業の発生は、営業からスムーズに資料が提出されるかにかかっていると言っても過言ではありません…。

日頃営業は本当に忙しそうなので、面と向かって小言を言うのは憚られるのですが、今回は経理社員が抱える心の声をこっそり公開させていただきます。

主張①:請求書を失くさないで!

経理業務を担当していると、意外に多いのが請求書の紛失です。

以前、新入社員のS君が請求書を紛失し、支払漏れにつながってしまった事件がありました。

それは先輩から業務を引き継ぎ、ひとり立ちしてから3か月目の出来事でした。ある日、取引先から「先月分の入金が確認できていない」という連絡が入りました。私は真っ青になって担当のS君に確認を取りましたが、S君は「請求書は来ていなかったと思う」とのこと。

しかし数分後、「やっぱり受け取っていた気がします!」と言い出したので、数人でS君のデスク周辺を捜索しました。すると、引き出しの奥から無惨に丸まった請求書が発見されたのです…。

既存顧客への対応やプレゼン準備などで毎日忙しくしていたS君は、請求書を受け取っていたことすらも忘れてしまったようです。さらに、慣れてきた頃だからと安心していた先輩社員が確認を怠ってしまったことも原因でした。

主張②:後回しにしないで!

営業は常に忙しいうえに、急を要するトラブルが舞い込んでくることもあるので、基本的に経理作業は後回しになりがちです。

たとえばある月は、2週目にはA社からの請求書が担当者宛に届いていました。私も同じ事務所にいるので、請求書を開封している営業社員の様子が目に入ることはよくあります。

「そろそろ来るかな」と待っていましたが、その請求書が提出される気配はまったくありません。結局、上長の承認を経て経理にA社の請求書が提出されたのは、月末の締切ギリギリでした。

すべてがこの調子で結局月末に回ってくるため、経理側の月末業務量が膨大になってしまうのです。営業の忙しさも理解はしているのですが、後回しにしないで早めに提出してほしいといつも感じていました。

主張③:しっかり確認して!

これも忙しさに起因するのかもしれませんが、せっかく経理に資料を提出してくれても不備があることが多いのです。

たとえばある月は、毎月定例で届くはずの請求書が回ってこないことがありました。

担当チームの社員に聞いてみると…。「僕は受け取ってないですね。Eさんじゃないですか?」とのこと。そこでEさんに聞いてみると、「僕も見てないです。Rさんかな?」と。全員がこんな調子で、つまりは誰も確認していなかったのです。

結局その月は先方の発送漏れだったので、きちんと確認するよう営業全体にお願いしました。

すると次の月は気をつけてくれるようになったのはいいのですが、メールで数人宛に送られた請求書を全員が重複して処理するという事態に…。

もうちょっと連携を取って確認してほしいと思った出来事でした。

経理社員のイラッとポイントを分析

こうした不備が発生する度に改善してほしいことは伝えてきたのですが、営業の根本的な忙しさも手伝って、なかなか状況は変わりませんでした。

そこで、そもそも何が問題なのか、画期的な改善策はないのかを考えてみたいと思います。

まず問題なのが、請求書が紙で来ることではないでしょうか。紙の状態だから紛失するリスクが発生するわけなので、電子データで処理できれば解決できるはずです。

しかし、全取引先にデータ化をお願いするわけにもいきません。さらに、請求書データがメールで届いたとしても、誰がダウンロードして処理を進めているかまでは把握できないという問題が残ります。

また、後回しにされてしまう原因としては、上長の承認に時間がかかるという問題も挙げられます。

たとえば支払承認なら、金額や用途によって承認を得なければならない部署や役職も異なります。そのため、「今どこ?」「次は誰?」と滞りがちで、承認の督促にも時間がかかってしまうのです。

クラウドサービスやBPOを活用すれば解決できる!?

こうした問題を解決するためには、クラウドサービスやBPOの活用が効果的だと考えます。

たとえば次のようなサービスがあれば、経理社員の負担や不満を解決できるのではないでしょうか。

  • 紙の請求書の受領代行

紙の請求書を受け取って電子化まで代行してくれるサービスがあれば、紙の請求書を取り扱う必要がなくなります。

そのため、紛失するリスクがなくなり、支払漏れも防ぐことができます。また、営業担当者を経由しないので、請求書が届いたらすぐに処理を進められる点もメリットだといえるでしょう。

  • メールで受領した請求書データの自動保存

メールで受領した請求書に関しては、メールに添付されたPDFをダウンロードして自動保存してくれるサービスがあれば効果的です。

こうしたサービスを活用すれば、処理漏れはもちろん、私の職場で発生したような重複処理も防ぐことができます。営業社員が作業をする必要もなくなり、業務効率化にもつながるでしょう。

  • 支払承認のシステム化

さらに支払いまで一貫して電子で承認できるシステムがあれば、承認に時間がかかるという問題を一気に解決できるでしょう。

システム上で承認がどこまで進んでいるかを簡単に把握できれば、どこで止まっているかわからず督促に時間がかかるということもなくなります。

また、一定額を超える支払いには役員の承認を組み込む、特定の科目は人事の承認を通すなどとワークフローを自由に設定できれば、さまざまな支払いに柔軟に対応でき、円滑に業務を進められるでしょう。

まとめ

私の職場では、経理業務で何かミスが発生する度に解決策を考えるのですが、どうしても「確認する」「気をつける」といった個人の精神論レベルに偏ってしまっていました。

毎回注意を促すのもストレスで、人間関係に多少なりとも影響を及ぼしていたかもしれません。

こうした問題を根本的な解決に導くためには、やはりクラウドサービスやBPOの活用が必須であると感じます。

画期的なシステムが導入されれば、業務効率が上がるだけでなく、営業・経理双方にストレスの少ない、より良い職場環境も実現できるのではないでしょうか。

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