札幌に拠点を置く会計事務所が地元のテイクアウト・デリバリー情報紹介サイトを無料で立ち上げた理由とは?

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札幌に拠点を置く会計事務所が地元のテイクアウト・デリバリー情報紹介サイトを無料で立ち上げた理由とは?
【プロフィール】
ベンチャーパートナーズ総合会計事務所
代表 東(あずま)岳夫様

平成6年大学卒業後、金融会社や税理士事務所、会計事務所に勤務。平成15年税理士登録し税理士事務所を開業。平成25年に税理士法人設立、同時に仙台事務所を開設。平成27年東京事務所、平成30年新宿事務所、平成30年には札幌大通事務所を開設。令和3年6月現在グループ会社7社、総勢130名。

 

コロナ禍のなか、飲食店支援のために地元・札幌のテイクアウト・デリバリー情報紹介サイト「お持ち帰り.com」を立ち上げた「ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」。お持ち帰り.comは、取引の有無に関わらず、テイクアウトができる多くの飲食店を無料で掲載し、「札幌 お持ち帰り」で検索すると1位表示される有名サイトになっています。(2021年6月18日現在)

お持ち帰りドットコムとは?
今回は、地元札幌の飲食店業界への想いと展望、また自社の比類ない「財務コンサルティング」のノウハウの活かし方など、代表の東(あずま)岳夫さんに率直なご意見を伺いました。

会計事務所がテイクアウト・デリバリー情報紹介サイトをオープンした理由とは

札幌を中心に飲食店への支援を広げる

――会計事務所でありながら、テイクアウト・デリバリー情報紹介サービスを立ち上げた理由を教えてください。

理由はやはり、コロナ禍で飲食店や観光業のお客様の苦労を目の当たりにしたことです。2割減るだけでも大変といわれる売り上げが7割も8割も減る、といった、ちょっと考えられないような事態でした。本サービスのサイトは2020年の5月半ばから公開しています。感染が広がり始めた2月には、事態が長期化しそうだと判断し、すぐにローンチの準備にとりかかりました。

弊所は地元・札幌を中心に、事業を始める前からお客様をサポートする「創業案件」を多く扱っています。ですからお客様との関係が濃いんです。社長さんの家族同然といったポジションでかわいがっていただいている担当者が大勢いるんですね。恩義も思い入れもたっぷりありますから、危機感を強く刺激されました。今こそお客様に還元する時だと思ったのです。

取引の有無に関わらず無料で店舗を掲載

――「取引の有無に関わらず店舗を無料で掲載する」ことを決断されたのはなぜですか?

今年で創業して18年、色々な方の助けを得て順調に成長してきました。そのご恩をお返しするという決意があるからには、取引のあるお客様だけに限定するというのは、本来の趣旨からずれていると感じたんですね。また、お店の掲載数を増やすほどに利用者は増えるはずですから、そういった意味でも特に弊所のお客様だけに限定せず、無料で掲載することにしました。現在掲載は82店舗、1日約160人の利用があり、緊急事態宣言中は300人ほどに伸びています。

コロナ禍におけるITの活用事例

――「お持ち帰り.com」は、「札幌 お持ち帰り」で検索すると1位に表示されます。このようなウェブマーケティングのノウハウはどのように積み上げてこられたのですか?

弊所は、本来の税理士業務でもウェブを活用した集客に力を入れており、ウェブマーケティングの広告費にもそれなりの予算を投入し、社内にウェブ管理・制作の専門チームも組織しております。そこで、以前から、検索エンジンで上位表示させるためのSEO対策をしたり、ウェブ広告の配信などのウェブマーケティングおこなっていました。その蓄積したノウハウを「お持ち帰り.com」で活かしています。今回も広告を効果的に打ち、良いSEO対策ができていると思います。

また、「ホームページを作りたいがどうすればいいのかわからない」とおっしゃるお客様からのご相談にも乗らせていただいております。弊所のウェブマーケティングの強みがこのような形でも活きています。

IT担当の丸田さん
IT担当の丸田さん

税理士から見るコロナなど禍での生き残り戦略

――現在も非常に厳しい状況だとは思いますが、コロナ禍での生き残り戦略にはどのようなものが有効だと感じていらっしゃいますか?

コロナ禍が長期化し、人々のライフスタイルが変わってきています。例えば集まってお店でお酒を飲むといった習慣がほとんどなくなっていますよね。居酒屋などは、コロナが終息した後も収益の戻りが鈍いだろうと言われています。ですから、コロナ禍の後を見据えて、業態転換をする動きが活発になってきているんです。

そこで「事業再構築補助金」という、新分野への展開や事業再編など事業シフトに対する国からの支援が注目されています。今期の予算で1兆1,485億円が計上されており、国も大変力を入れています。
この補助金では、中小企業の場合は、使った経費の3分の2までの補助が出ます。9,000万円の投資なら6,000万円が補助されるということです。これは建物なども対象になる幅広い補助なのでお客様には積極的に声をかけており、業種転換を図ろうと乗り気な社長さん方も多いです。申請には金融、財務の高い専門知識が要求されますので、弊所でも金融機関出身者を積極採用し専門サポートチームをつくって力を入れています。

運営会社ベンチャーパートナーズのミッションとは

東日本大震災をきっかけに仙台、そして東京へ

――創業から、現在3都市5拠点をもつまでに成長されたヒストリーを教えてください。

地元・札幌で2003年に創業し、2011年に起こった東日本大震災がターニングポイントになりました。北海道はじめ、全国から職人さんや技術者が復興工事のために宮城県に集まり、支店をつくるという動きが進みまして、うちのお客様からも仙台でのサポートをというニーズが出ました。創業支援に力を入れている弊所が、復興に際し地域社会に役立てるのではとの思いもあり、2011年11月に仙台支店を開設しました。

その後、スタッフが「東京に支店をつくりたい」と手を挙げてくれたんです。やっぱり東京はマーケットが段違いに大きく、やればやっただけ結果が返ってくるだろうという可能性を感じました。弊所の持っている起業支援や財務コンサルティングのノウハウも生かせる、競争力は十分あるという判断もあったので決断。平成27年11月に品川に事務所を構えその後新橋に拡張移転、その後新宿に1拠点を増やし、東京では現在2拠点を置いています。またその後札幌でも本社の他に大通事務所を開設し、札幌も2拠点体制となっています。

起業を志す人の会計事務所へのニーズに並走

――税理士業務の枠を超え、起業支援を前面に、補助金申請のサポートや融資相談までお客様のニーズに幅広く応えられるよう転換されたきっかけは何だったのでしょうか?

独立して3年目くらいに、会計事務所も、従来の基本的な税務業務をしているだけでは成長できない、お客様の関心を強く惹きつける強みが必要であるという結論に至りました。そこで「創業支援をメインに事業計画策定、会社設立はもちろん補助金、助成金、融資の相談も全部やります」と業務の幅を広げることにしたんですね。コロナ禍の今は珍しくないですが、当時は会計事務所が助成金のサポートをしているケースは珍しかったので、これは新たな取り組みでした。更に、当時、起業者向けの助成金が豊富にあったのも追い風になりました。
このように起業者向けの「お金」をしっかりサポートをするようになってから、ぐんぐん業績が伸びました。

財務コンサルティング分野に注力していく

――現在も幅広い業務を手がけていらっしゃいますが、これからのビジョン、力を入れていきたい分野などを教えてください。

ちょうど今、銀行融資相談と補助金申請など財務コンサルティング業務を専門とするサムライナレッジ株式会社をスタートいたしました。ポストコロナを見据え、事業再構築補助金も始まっており、融資サポートと補助金サポートへのニーズはかつて無いほど高まっております。「お金」に関するサポートはある意味最も中小企業に喜ばれるサービスです。したがってこのジャンルにはグループとして力を入れていきたいと考えています。

我々のグループは単なる税理士事務所というよりは中小企業支援のための総合コンサルティングファームの立ち位置を目標としております。つまり中小企業経営のお役に立てることであれば税務だけではなく社労士、行政書士、司法書士などの士業領域はもちろん、その他マーケティング支援、不動産コンサル、BPOなどあらゆる周辺業務についてもできる限り幅広く対応すべきと思っています。それが顧客の利便にも繋がります。

その為には中核である会計事務所部門を中心として、今後も様々なサービスを取りそろえていく必要があると考えています。自前でやることももちろんですが、必要に応じてM&Aなども検討していってもいいと思っています。

開業から地域の顧客のために全力投球してきた18年。終わりの見えないコロナ禍においても、変化していくお客様のニーズにしっかり目を向け、力強いサポートを続けていきたいと思っています。

東岳夫様(代表)

※掲載している情報は記事更新時点のものです。

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